ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

岡本梅林

2021-02-19 15:16:33 | 日記
 岡本の梅林に行く。


おもいのまま 紅と白が混じっている好きな梅




芳流閣 白梅が好き







呉服枝垂れ(くれはしだれ) 満開で美しかった






2月生まれなので桜より梅が好きです。

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バレンタイン

2021-02-14 22:35:59 | 日記
 チョコケーキを作った。しかし、網で冷やすときに手がすべって、ケーキを床に落として割れてしまう。しようがないので、大丈夫そうな部分を型抜きで抜いて粉砂糖とアラザンをふる。床に接した部分は、私が食べる。いやあ、美味しいだけに残念。


 関ジャニ∞のCD「キミトミタイセカイ」についていたシリコンクッキングモールドでチョコを作った。私にしては、まあ上手くできたかな。

黒は、ブラックチョコ。緑は、ホワイトチョコに抹茶。青・オレンジ・紫は、ホワイトチョコに着色料を混ぜて作った。オレンジは赤と黄を混ぜて作るが、赤の着色料は、強いので、赤は少なめで。紫は赤と青を混ぜるが、赤が強く青が弱いので、青多め赤ちょっとだけにしないと紫が赤っぽくなる。
色が混ざらないようにするには どうしたらいいかな?割れるのを防ぐため、色付きを半分ほど流した後に、全面にミルクチョコを流した。(裏は、ミルクチョコ一色)
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「キミトミタイセカイ」を「関ジャム」で分析

2021-02-13 23:37:55 | 関ジャニ∞
 2/10にリリースした関ジャニ∞の楽曲「キミトミタイセカイ」を初めて聞いたときは、「えっ?」という感じだった。「大倉くんがそんな高いところを歌うの?」「横山くんと村上くん以外の歌割がよくわからない」「この高い音域のフェイクを歌っているのは、誰?」いいラブバラードなのだが、エイターとしては違和感というのが第一印象。
 そこで、「キミトミタイセカイ」のレコーディングまでの格闘を「関ジャム」で見る。
 
<関ジャム 関ジャニ∞270日の記録 新曲レコーディングでぶつかった壁とは?>
 関ジャムのゲストは、大倉くん、丸ちゃん、安くん、横山くんが通うボイストレーナーの安倉さやか先生とゴスペラーズの北山陽一さん。
 今までの関ジャニの楽曲の音域は、ラ~ラだったが、今回はラ~ド。安くんや丸ちゃんは高い音域が出るが、関ジャニ∞用の曲サイズに喉を調整していた。今回はボーカル面での新たなチャレンジ。練習の時点で全く歌えてなかった。しかし、コロナ禍でリリースがずれて、昨年の3月から一年間(実際は270日)練習できた。

安倉 今回は大倉さんもただならぬ気合で。本当に毎日毎日練習していましたし。自分のやりたいことに対して真摯に向き合う人なのだなと思いました。
大倉 一人一人問題点と悩みがある。それぞれがチャレンジ。前の5人じゃ歌えない楽曲じゃないかと思う。

 CDは、プリプロダクション(仮録音)→レコーディング→トラックダウン→マスタリング→発売となる。今回は大倉くんの要望で安倉先生もボーカルディレクターとして参加。「キミトミタイセカイ」を作詞作曲したBACK-ONのヴォーカルKENJI03(倖田來未さんの旦那さま)も参加することに。

●2020.11.20 プリプロ 大倉くん
 下ハモを歌うことが多い大倉くんが、サビのスゴイ音程の高いところ、サビのトップラインを一人で歌う。大倉くんの課題は「高音のサビ」大倉くんの声は声の分類ではプル(かなりの高音まで地声で出す)だが、高音がうまくできない。高音をファルセットで出すことをKENJI03から提案される。大倉くんの強いファルセットに驚くKENJI03さん。高音トレーニングの結果、強いファルセットが出るようになっていた。強いファルセットを活かして再挑戦。
 何回もトライする大倉くんの姿に高橋さんが「今のでもう何とか行けません?ってならへんの?」と言う。すると「昔、ボク何回か言うたことあります」と答える横山くん。

北山 楽器としては、僕、多分、大倉さんと似ているのですけど、(ベースボーカルで高いところを歌ったことがない)そこからやってきた身でいうとたぶん同じ道で何にぶつかって、どこに課題があるか、何となく想像がつくんですけど。それだけに1年でここまできたという衝撃に今やられている。こんなに変われるものなのか。明らかに歌との距離がだいぶ違っているというか、自分の人生そのものの方に歌をもってきて歌っていらっしゃるなと聞こえてきた。本当に感動しているし、自分もがんばろうという気になってたし。
大倉 (北山さんの話を聞いて)やってて良かった。びっくりしたのが、34年間位 間違って歌ってきていた。歌という概念が全く違うから新しい楽器に変わったみたいな感覚なんですよね。まだ、歌いこなせない。まだまだです。
「かっこええなあ」と言う古田さんに「あんな親戚のおっちゃん、ほしいな」と横山くん。

●2020.11.20 プリプロ 安くん
 メインボーカルとして安定したイメージだが、安くんの歌を聞いて議論が始まる。安倉先生は「ちょっと今揉みます」村上くんは、「安でも議論あるんだ」と驚いた表情。明るい印象の安くんの声がネックになっている模様。「届かない想い、せつない想いの歌詞に対し高音が明るいイメージなってしまう」のが課題。しかし、この日では解決しなかった。

●2020.11.27 レコーディング 安くん
 課題はクリアできたようだが、「時」の「と」が「た」に聞こえると何度も練習。安倉先生とKENJI03さんが細かく発声を指導する。 

北山 すごいなと思ったのは、今まで与えられてきた役割をちゃんと音にするための歌唱法で歌った結果、それじゃ違うと言われたわけじゃないですか。いきなり全否定ですよ。それに対して「ちょっと揉みます」と言われたときに受け止めたんですよ。その後、ものすごいポジティブな姿勢でレコーディングに向かい続けたじゃないですか。結果、当日にはちゃんとしたものを持ってきた。普通に見ると普通に感じるかもしれないですけど、普通にできることではないと僕は思う。
古田 ポジティブなのがよい
安倉 それが彼の人間性
安田 これが直したいポイントやったんです。声質が軽いっていうのが自分の中で実感として、歌ってて ずっとあって。けど、その直し方を知らないし。こういうレッスンをしてもらって、ちょっとずつ曲に何回も家であわせてやったりすると、こうなるのか、太くなってきた、しゃべり声に近いなとかていう感じにたどりついていった感じ
北山 あれができたということは、きっと次の引き出しがある。もっと引き出しがいっぱいあるだろうなと気付いたと思うんですよ。そこがおもしろくなると自分でいっぱい開けたくなってくると思うので。(この先が)楽しみでしょうがない

●2020.11.20 プリプロ 丸ちゃん
 高い音域まで出て、安くんと共にメインボーカルを担うことも多い丸ちゃん。課題は、「かっこよくするために少しだけ前のめりに歌うサビのリズム」歌唱はズレるがリズムはズレない練習をずっとやっていた。
 いいのだが、大倉くんのテイクを聞いて「あ-、(自分の声が)強すぎるのか」→すぐに理解する丸ちゃんはスゴイ!サビを掛け合いで歌う大倉くんの声や歌詞の世界観に合わせニュアンスを修正。「色のない世界なのでせつなさ・悲しさを」「セクシーに」という注文にがんばるが、OKが取れず。課題は「声のニュアンス」

●2020.11.26 レコーディング 丸ちゃん
理想の声を求め20テイク以上。
丸山 (ボイトレの)実感はありますよね。すごい楽に出る、声が。明らかに自分としても変化があったな。

●2020.11.20 プリプロ 唯一ボイトレに参加していない村上くん。→忙しいものね。
 村上くんの声を聞いた安倉先生は「しゃべる声のままで」 しかし、「違うんだよな、声が。村上くんの声じゃない」と録音ブースに入り、村上くんに手を胸の上部にあて、響いていることを確認させる。「振動のくる感じが村上くんの声」と言われ「えっ!」と驚く村上くん。

安倉 パーソナリティが伝わらないと言うか。歌声のスイッチが入ちゃっている
村上 だって歌やもん・・・→この言い方がかわいかった

 安倉先生の違和感は「歌声としゃべり声がかけ離れている」
安倉 音楽が流れるといつもと違う村上くんが出てくる。歌手・村上信五が出てくる。
村上 それ、知らん。知らん自分やわ。
「村上くんはよく体が響く声」と言う安倉先生に「なんやて!?え~」と村上くん。

●2020.11.27 レコーディング 村上くん
きちんとできて「オレ、まだ伸びるのか・・・」と村上くんが言う。

北山 皆さん、ともかく歌を触り続けるという熱意のすごさに結構やられています。あのトレーニングをするということは(リズムトレーニングで膝を叩きつつ歌う丸ちゃんの映像)元がどれくらいのリズム感だったのかなとわかるわけです。こうしないと(膝を叩かないと)リズムの説明がつかなかった人がこの短期間でブースの中で普通に歌ってあのリズム感で歌えているというのは、ものすごいこと。誰かにやらされていたら、こんなにできない。
古田 みんな、自分が歌った後、反省すんねんな
村上 一回歌って、録って、聞いたら「なんかちゃうな、ちゃうな」の連続
北山 村上さんを見てちょっと泣きそうになった・・・。「歌ってごらん」と言われたときに誰しも歌うための仮面をつける人が多い。ずっと歌手として職業としてやっていたから、「自分の声で歌って」となった時に、自分を取り戻した瞬間というか歌手としての自分が生まれた瞬間を僕らは見れた。その瞬間、みんなわかったと思うのですけど、突然説得力が増したじゃないですか。僕は、ものすごく感動していて、人ひとりの歌手の誕生に立ち会ったみたいな。
めっちゃ、嬉しそうな村上くんの表情!

●2020.11.20 プリプロ 横山くん
 自分のことを知るのが怖くて、ボイトレ回で声の分析をメンバーの中で唯一拒否した横山くん。これまで歌で自分を出してこなかったが、2020年3月から安くんに誘われ、ボイトレに通い始める。横のスケジュールを調べ、先生の前で次回の横のレッスンを押さえる安くんに断れない横山くん。2番のBメロを「もう一回」「もう一回」と何度も粘る。それを見ていた村上くんは「千本ノックやな」と思わずつぶやく。課題は「ファルセットと地声の行き来」ファルセットの練習のためKING GNUの「白日」で猛特訓。メンバーは、楽屋でよく歌っていたのはお気に入りだからではなく、課題曲と初めて知った模様。

横山 多分僕のことを知らない方は「普通やろ」と聞かれると思うんですけど、僕、スゴイ歌が苦手だったんで、その割には僕でもちょっと上手くなったかなと思います。先生に言われたことを一生懸命やるしかやってないです。
安倉 ご本人は「僕はそんなに音楽は・・・」とずっと言ってたんですけど音楽に向き合う時ってここが一番必要だったんです。(と拳で心臓を叩く)表現力、目に見えない感情のやりとりをやってきてるんですよ。それがどうも音楽と結びつかないもんだから、「僕は音楽は・・・」ってなってるだけだと思うんですよね。
北山 言い方、厳しく聞こえるかもしれないですけど、多分、まだちょっと歌手としては生まれてないかもしれないんですよ。どういうことかと言うと単純に千本ノックやっているというよりは、自分がやりたい音楽をやるならこういうことをやりたい、歌うならこういう歌を歌いたいというのが自分の中ですごい高いところにあって、もしくは普通のところにあるんだけど、それに比べて今の自分が音楽的にできることとのギャップに苦しんでいるんだと思うんです。これは今どこにあっても、たとえ自分のやりたいことが今できなかったとしても、オレはやりたいことが伝えたいことがある、だから歌うととストンと落ちたときに歌手として生まれ変わると思ってて。
今は、単純に血豆ができても「振ってろ」と言われて千本ノックしてるという感じだと思うので、苦しいと思う。この苦しみを超えた先に喜びが待っていると僕は信じていますし、関ジャニという5人体制になったグループがどこに行くかっていうのは、横山さんにかかっていると思います。彼がどこまで歌を触り続けて、どこまで心折れずにバットを振り続けるかということで、このボーカルグループがどこに行くかが決まっていくと思いました。
横山 ぶっちゃけると北山さんがおっしゃった通りで。あの、やっぱり、みんな歌上手いんですよ。で、僕が歌うより皆が歌った方がいいとずっと思っていたんですよ。だから、僕はいいから、皆やってくれと。で、やっぱり、僕が歌うってなったら、それなりのものを見せないとグループに迷惑がかかるって思うわけなんですよ。だから、先生にいわれることを一生懸命やるしかないから、そこを目指して。言われることわからんけど、先生、信じるしかないから。もう、やるしかない!という。
北山 僕、ゴスペラーズに入った時、二十歳で、歌ったことがなかったんです。(北山さんは、1994年のデビュー直前、村上てつやさんの誘いで加入。加入時、歌の経験はほぼゼロ。ベースだけでなく、テナーとしてリードボーカルとして歌ったことがなかった。)リーダーが「それじゃいかん」「お前も歌手として独り立ちしろ」と言われて、グループとして活動ながら7年かかったんですね。テナーボーカルとして採用してもらえるまで。でも、やっぱり7年かかって、食い込んだ後、見えてる世界が全く違っていて。まあ、既に見えてる世界が違うじゃないですか。
横山 すごいわかった、いろんなことが。まだわかってないと思うで、もちろん。
古田 横にだけは言っておきたい。「やればできる!」→ティモンディ???でも、横ならば絶対やりとげると思う!

●トラックダウン 複数のチャンネルに分けて多重収録されたデータを混ぜ合わせ一つの曲にまとめていく
 大倉くんも同席し、ラジカセ、スマホなどさまざまなツールの音の聞こえ方を確認していく。詰めの作業まで大倉くんが立ち会うのは初めて。

丸山 音楽を専門にされてる方はこういうことは当たり前にされてるみたいですが、僕らは十何年やって初めてのことなんで、どういう結果になるかは楽しみ
村上 オレの知らんことを先生が全部知ってくれるから。オレ全部ゆだねてるから。
安田 その分の先生のプライベート時間はなかった→ここに気付く安くんは偉い! 9ヶ月で(ボイトレ)何回行ったんやろ
横山 安くんのおかげでボイトレにも来れたし、大倉も「ボイトレ行ってくれてありがとう」みたいに感謝の言葉ももらったり。グループのためやし。関ジャニ∞が関ジャムのおかげで歌に真摯に向き合っていることで、僕も絶対やらなという意味でやってますから。(ソルフェージュドリルに取り組んでいる横山くんの映像)
大倉 (プリプロでも全員に立ち会い、最初から最後まで携わってできた楽曲について)よかった。感慨深いものがあります。届くのが楽しみです。

「キミトミタイセカイ」の楽曲が流れる

横山 オレら解散するんですか!?
村上 僕たちは、まだまだ活動しますから(とカメラ目線でガッツポーズ)
北山 グループとしてはずっと長くやってこられて、あれなんですけど、ボーカルグループの音になっていたし、仲間が増えた喜びというんですか・・・
古田 お前ら、やるな!
大倉 0からやってみようかと全員で1年でこの曲ができるようになったということは、これからもっと楽しい音楽を届けられるじゃないかと。自分たちの可能性をあきらめずにやれたのもあるし、もっと期待してもらえるようなグループになっていけるんじゃないかなと。歌うのが次ものすごくハードル高くなってるから、あったかい目で見ていただいて。
村上 また次、アホみたいなコミックソングにしようや

 関ジャムは神回だった。CDの特典と比べても、安倉先生はきちんと顔も出しているし、変化の前後も映し出しているし。何よりも、北山さんの解説が、わかりやすくてよかった!上から目線ではなくフラットに見てくださって、愛を感じた。横山くんのもやもやとかを北山さんがきちんと言語化して分析。北山さん、スゴイ。

 木曜日のCDTVでは、大倉くんの声が不安定だった気がする。しかし、金曜日のMステでは、持ち直す。ただ、丸ちゃんの高音が少しはずれていたような。でも、自らをさらけ、もがく姿や無様の姿を見せるのが関ジャニ。そこから、努力してどんどん進化していく姿は私たちに勇気を与えてくれる。プロ意識が低いと言われるかもしれないが、等身大の姿は私たちに希望を与えてくれる。これからもどんどんと変化していくだろう関ジャニ∞、頑張れ1

 余談だが、私は小学生の時、選ばれて合唱団に入っていた。その時、先生が、「あんたら、優しく歌うのが上手いけど、なんか違うねん」と言っていた。「?」と思っていたが、歌と言う仮面をかぶって本来の下町っ子の元気さが出ていないことに違和感があったのだろう。関ジャムを見て初めて理解した。また、私自身は歌と言うのは裏声で歌うものと誤解していた。地声で私らしく歌えばよかったのね。歌うのが楽しくなりそう。
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『心淋し川』『結婚の奴』

2021-02-12 23:48:19 | 
『心淋し川』 西條奈加 集英社
 江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。
 直木賞受賞作。じんわりと心にしみわたる作品。いい。
 掃きだめのような町に暮らす人々は、不幸や生きづらさを抱えている。しかし、そこには「あたりまえを盾に難癖をつけるような真似をする」人はいない。「人生は妥協の連続であり、折れるからこそ他人の痛みも察せられる」からだろうか。下層でもがく人たちを温かいまなざしで描いているのがいい。
 その人たちの話をつなぐのは、各章に脇役として出てくる差配の茂十と物乞いの楡爺。最後の章は、二人の因縁が語られて秀逸。各章の主人公たちのその後も描かれている。

『結婚の奴』 能町みね子 平凡社
 人生を変えるような恋愛だの結婚だのは無理だが、ひとりは嫌だ。男性から女性への性転換者の著者が、ゲイの夫(仮)と、恋愛でも友情でもない生活をつくるまでを綴る。
 う~ん。そうなのねと言う感じ。
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『御社のチャラ男』『彼女たちの部屋』『江戸の夢びらき』『誓願』

2021-02-11 21:44:39 | 
『御社のチャラ男』 絲山秋子 講談社
 チャラ男って本当にどこにでもいるんです、一定の確率で必ず。すべての働くひとに贈る、“会社員”小説。社内でひそかにチャラ男と呼ばれる三芳部長。彼のまわりの人びとが彼を語ることで見えてくるものとは?
 こんな奴、いるよね~。チャラ男や自分の人生を会社の様々な人たちが語る。年齢も立場も違う人が語ることで重層的に多面的になる。彼らのいる会社は機能不全に陥っている。だが、きっと多いのだろう。うちの会社は大丈夫か?

『彼女たちの部屋』 レティシア・コロンバニ 早川書房
 現代、パリ。大きな挫折のあと、弁護士のソレーヌはある保護施設で代書人のボランティアをはじめた。「女性会館」というその施設には、暴力や貧困、差別のせいで住居を追われた人々が暮らしている。自分とはまるで異なる境遇にいる居住者たちの思いがけない依頼に、ソレーヌは戸惑った。それでも、一人ひとりと話して、手紙を綴るなかで、ソレーヌと居住者たちの人生は交わっていく。約100年前、パリ。救世軍のブランシュは街中の貧困と闘っていた。路頭に迷うすべての女性と子供が身を寄せられる施設をつくる――彼女の計画は、ついに政治家・財界人も動かしつつあったが……。実在する保護施設と創設者を題材に、時代を超える女性たちの連帯を描く。
 現代と過去の二つの世界がつなげていく物語。辛い現実を前に立ちすくむ女性たちのシェルターを作ったブランシュ、挫折を味わいボランティアのつもりで接したシェルターの傷ついた女性たちによって癒されていくソレーヌ。作者の励ましの声が聞こえてきそうな物語だ。

『江戸の夢びらき』 松井今朝子 文藝春秋
 なぜ江戸の民衆は團十郎に熱狂したのか。不世出の天才・初代市川團十郎、空前の一代記!寛文7年(1667)、浪人の娘・恵以はひとりの少年と出会う。子どもながらに柄の悪い侠客たちに囲まれ、芝居に出れば大暴れして舞台を滅茶苦茶にする。その破天荒さに呆れながらも、恵以は自然と人の注目を集める彼の素質に気づく。少年の名は海老蔵。長じて市川團十郎を名乗るのだった。
 人気者に群がるようにおこる数々のトラブル、偉大な父に悩む二代目の葛藤、今に伝わる歌舞伎の話の素など、おもしろかった。松竹座の上にやぐらのような櫓があったが、それは座を開く許可証みたいなものだったとか。歌舞伎ファンなら皆知っている團十郎と成田山の関係とか。知らなかったなあ。團十郎のもとに其角と赤穂浪士の一人がやってきた話は、「土屋主税」を思わせるし。
 歌舞伎の團十郎は、今も続いている。すごいことだ。

追記 6/5
 座を開く許可証みたいなもの 櫓

京都南座

『誓願』 マーガレット・アットウッド 早川書房
 『侍女の物語』から十数年。ギレアデの体制には綻びが見えはじめていた。政治を操る立場にまでのぼり詰めたリディア小母、司令官の家で育ったアグネス、カナダの娘デイジーの3人は、国の激動を前に何を語るのか。カナダの巨匠による名作の、35年越しの続篇。
 見出しの下のアイコンで語る人が誰か、リディア小母、アグネス、デイジーかがわかる。ギレアデの歴史であり、革命であり、冒険でありとおもしろかった。ギレアデの変な体制は、国の中にずっといたり、その教育を受けたものでは奇妙だと理解できないだろう。教え込ませる教育は怖い。
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