ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『土佐堀川』『長いお別れ』

2016-02-28 20:29:01 | 
 発表があるというのに、練習もせずに本を読んでしまう。何かある前に、関係ないことをしてしまう悪い癖だ。試験前に部屋の掃除をするとか。勉強の前に少しだけと言って漫画を何冊も読んでしまうとか。
 その上、自分に甘いので、このへんでいいかと思ってしまう。ホームランバッターよりコンスタントに打つ三割打者でいたいみたいな。実際は、ヒットも打っていないくせに。 
 本番になって、回りのクオリティの高い発表を聞いて真っ青になるタイプ。わかっているのに、毎回同じことを繰り返している。今日一日遊ばさせてください。明日からがんばります。って、絶対明日も遊んでしまう気がする・・・。
 でも、この2冊は読んで、後悔なし。よかった。

『土佐堀川 広岡浅子の生涯』 古川智映子 潮出版社
 豪商三井家から17歳で大阪の両替商・加島屋に嫁いだ浅子は、家運が傾くと持ち前の商差異を発揮し、「九転什器」の精神で大阪随一の実業家となる。江戸の後期から大正にかけての日本の激動期に生きた広岡浅子の波乱万丈の生涯を描く。
 NHKの朝ドラ「あさが来た」の原案作。広岡浅子は、大同生命や日本女子大学を創った人である。宮尾登美子の小説を読んでいるような感じで、グイグイと引きまれた。目先にとらわれず、大局を見ようとした姿や信用を大切にしようとした姿勢がすばらしい。何より、何に対しても一生懸命な浅子が痛快でなんとも魅力的。男尊女卑の時代に、すごい女性がいたものだと思う。

『長いお別れ』 中島京子 文藝春秋
 家への帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらと読める。妻の名前はわからなくても、妻の顔を見れば安心したような顔をする。認知症の父が亡くなるまでの東家の家族の十年の日々。
 最後に『長いお別れ』の意味がわかるのだが、すてきな題名だと思った。くすっと笑いながら、最後はしみじみとする本。短編集で、時々冒頭で主人公が違うのではと思うことがあるが、最後はきれいに東家につながっている。お見事。認知症ではないかと秘かに疑っている自分の父を思いながら、読んだ。
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