『聖なるズー』 濱野ちひろ 集英社
犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。性暴力に苦しんだ経験を持つ著者は、彼らと寝食をともにしながら、
人間にとって愛とは何か、暴力とは何か、考察を重ねる。開高健ノンフィクション賞受賞作。
だいぶん前に予約して、やっと順番が回ってきた本。だから、書評を読んでどんな内容にひかれて本を予約したかは忘れている。表紙は、黒いワンピース。どんな本かなと思って読み始めてビックリ。表紙もよくよく見ると黒い犬だった。垂れた耳がパフスリーブに見えていたのだ。
私は、嫌がる動物を無理やりとか、女性に動物を使ってとか、動物との性行為は動物や女性を貶める感じがしていた。が、ズーは、動物と対等な立場。嫌がることはしないし、誘うから行うという。動物はしゃべられないから本当はわからない。(人もしゃべることができない状況で意思を表すことができない場合があるが)でも、ペットとして愛玩するのではなく、あくまでパートナーとして尊重している。自分の欲望のために動物を利用する人と、パートナーとして尊重するズーは、全然違うと思う。ズーは、快感よりも関係性や一緒にいる充足感を大切に思っている。作者の前夫がパートナーの意思を無視して、支配するために性行為をしていたのとは全く違う。人間も動物も相手の意思や尊厳を尊重する性行為が大事なのだ。
ただ、動物性愛は、現在、精神疾患の一つとして考えられているようだ。動物が相手なので、何をもって意思を確認するのが難しい。また、虐待する人とズーが同じように考えられているのが問題を深くしている。
愛の形について、考えさせられる。
犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。性暴力に苦しんだ経験を持つ著者は、彼らと寝食をともにしながら、
人間にとって愛とは何か、暴力とは何か、考察を重ねる。開高健ノンフィクション賞受賞作。
だいぶん前に予約して、やっと順番が回ってきた本。だから、書評を読んでどんな内容にひかれて本を予約したかは忘れている。表紙は、黒いワンピース。どんな本かなと思って読み始めてビックリ。表紙もよくよく見ると黒い犬だった。垂れた耳がパフスリーブに見えていたのだ。
私は、嫌がる動物を無理やりとか、女性に動物を使ってとか、動物との性行為は動物や女性を貶める感じがしていた。が、ズーは、動物と対等な立場。嫌がることはしないし、誘うから行うという。動物はしゃべられないから本当はわからない。(人もしゃべることができない状況で意思を表すことができない場合があるが)でも、ペットとして愛玩するのではなく、あくまでパートナーとして尊重している。自分の欲望のために動物を利用する人と、パートナーとして尊重するズーは、全然違うと思う。ズーは、快感よりも関係性や一緒にいる充足感を大切に思っている。作者の前夫がパートナーの意思を無視して、支配するために性行為をしていたのとは全く違う。人間も動物も相手の意思や尊厳を尊重する性行為が大事なのだ。
ただ、動物性愛は、現在、精神疾患の一つとして考えられているようだ。動物が相手なので、何をもって意思を確認するのが難しい。また、虐待する人とズーが同じように考えられているのが問題を深くしている。
愛の形について、考えさせられる。
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