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ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『われは熊楠』『テムズとともに』

2025-04-05 23:01:52 | 
『われは熊楠』 岩井圭也 文藝春秋
 慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の一代記。
 「型やぶり」「天才」とは、この人のためにある言葉かと思った。そして、親や弟にたかりすぎだろと思った。息子が精神疾患を患うのは切なかった。

『テムズとともに -英国の二年間-』 徳仁親王 紀伊國屋書店
 1983年から約2年間を過ごされたオックスフォード大学での日常生活や研究生活、音楽活動、ご学友との交流、登山やテニスなどのスポーツ、英国内外への旅……内側から英国を眺め、外にあって日本を見つめ直した「何ものにも代えがたい貴重な経験」。1993年に学習院より刊行されたものに、あらたに書き下ろされた後書きを付した。
 陛下の謙虚で誠実なお人柄がにじみ出ている本。次期天皇であることを考え、周りに気を遣って書いているなと思った。短期間でも縛りの少ない生活ができたことは、よかったと思うし、貴重な忘れがたい経験だったのではと思う。
 個人的に川のトンネルを抜ける時の話が絵本『ボートやのくまさん』を思い出した。
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