忙しくて行けずに、ほとんどの映画館が上映終了。偶然、見つけた小さな映画館で見た。よかった。涙、涙、涙だった。
「金子差入店」

金子真司(丸山隆平)は、妻の美和子(真木よう子)と差入店をいとなんでいる。差入店は、厳しい審査や検閲のある差入のルールを熟知し、様々な事情で面会に行けない人の代理で面会をしたり差入をする。 真司は、伯父の星田(寺尾聰)から引き継いだ店舗兼住居で星田と息子の和真(三浦綺羅)と共に暮らしていた。
ある日、和真の幼馴染の花梨が何も関係のない男に殺される。事件の衝撃から立ち直れずにいる中、犯人の小島(北村匠海)の母親(根岸季衣)から差入の代行と手紙の代読を依頼される。しかし、小島の常軌を逸した対応に真司の気持ちは激しく揺さぶられる。
そして、毎日のように拘置所を訪れ、面会を断られる女子高生・二ノ宮佐知(川口真奈)に気づく。彼女は、なぜか母を殺した犯人(岸谷五朗)との面会を強く求めていた。
そんな時、和真が学校でいじめにあっていることに気づいた真司は、学校へ乗り込んでいく。
いやぁ、見てよかった。冒頭、拘置所の面会室で子どものようにダダをこねて暴言を吐く丸ちゃんに驚く。
真木よう子、岸谷五朗、北村匠海、根岸季衣と上手い役者たち。その中で川口真奈の演技が光っていた。そして、寺尾聰の存在感。何かと騒がしい感じの役者の中で、穏やかで和真を守っている姿が印象的だった。
で、丸ちゃん。素晴らしい役者さんたちに負けない!熱演と見せない熱演だった。よかったなあ。
犯人への差入をするため、嫌がらせで店先の植木鉢が何度も割られる。その度に片付ける姿。「差入は、権利」という真司、「差入は立派な仕事」という美和子。仕事に誇りを持ち、何度でも立ち上がる姿を象徴するようだった。人生も何度でもやり直せるよと言っているようだった。
最後、佐知からもらったイチゴを真司のどうしようもない母親(名取裕子)の家のドアノブにかけるのもよかった。どこかおかしな家族がいっぱい出てきた映画。家族ってややこしいけど、いろいろと抱えながらも生きていくしかないものね。
パンフレットは買うべき。パンフレットを読んで、そうだったのかと二度泣きした。