世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

ダディとキミ

2011年01月23日 21時01分46秒 | Weblog
東京都現代美術館に行って
「トランスフォーメーション」を見てきた。
広い空間にぼこんぼこんと作品があったのが気持ちよかった。
以下覚え書き。

パトリシア・ピッチニーニ「新生児」。
インパクト大。
つかみはバッチリ。
触れてみたい質感。
しかしこの赤ちゃんには生殖器がないので今後子孫は増えない。

小谷元彦「僕がお医者さんに行くとき」。
私はこれを医者の気分で見た。
こんな患者がきたらたまげるだろうなあと思った。
この症状は匙を投げるとかいうレベルじゃなく、
あっけにとられるという感じ。
人間と呼ぶにはずいぶん背も高くなっちゃってるし。
木彫りというのが意外だった。

フランチェスコ・クレメンテの水彩画。
私はこの人のかく絵はあんまり好きじゃなかったけど、
この人の塗る色のグラデーションは好き。
こういう風に色を塗るのってどうやったらできるんかな。
絵画教室にいったら教えてもらえるようなことなんかな。
だったら通いたい。
黒のなかに黄色や赤を溶かし込む技術を学びたい。

シャジア・シカンダー。
この絵が好き。見せ方はあんまり好きじゃない。

アーカイヴから「白人」。
今回のヒット。
ナイジェリアのオニュオチャと呼ばれる扮装。
征服者を表わしているという。
植民地化しようとする白人の姿だろう。
しきりにノートをとるだけの存在。
滑稽だが、不気味。

ラウンジに置いてあった「chairless」。
通称椅子の要らない椅子。
憎いことに試せる場所があっておもわず買ってしまう。

常設展の山川冬樹「The Voice-Over」はよかった。
今回、映像作品はつまらないものが多かったけど、
これは楽しかった。
ちゃんと生きて生活している人の声と映像が流れていたからかな。
お父さんが自分のことを「ダディ」と言ったり、
子どものことを「キミ」と呼んだりすることが生々しくてよかった。
仕事に対する決意をちょっとかみながら語ったり、
家族になに気なくこの仕事向いてないかもなと言ってみたりするとこがよかった。
全体的に完璧じゃない感じが
すごく人間ぽくて好きだった。
ただ、たけしのくだりはウケを狙いすぎたよね。

嫌いなものも意味がわからないものもあったが、楽しめた。
今まで見たことないものを見るのは楽しい。
それを好き嫌いだけで分別するのは楽しい。

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