hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

「引用力」についての考察 後半

2012-04-28 | スキルアップ 文章力
「引用力をつける」の後半である。

『書く上で大事なことは、書き手と読み手がテキストを共有することだ。
本をテキストにする場合、原著者が非常に内容のあることを書いていれば、それを引用して持ってくるだけで、書き手と読み手がかなりレベルの高い意識のベースを共有できる。
しかし、日常の出来事を題材にして何か書こうとする場合には、さらに高度な書く力が要求される。』

『よく学校で、子供たちに遠足や運動会について感想文を書かせることがある。こうした課題は、実際に書くとなると、かなり難しい。体験を文章化する技が必要になるからだ。』
『それに遠足や運動会などは、みんなが同じような体験をする毎年の慣例行事で、ごく普通の体験にすぎない。それをおもしろく書くとなると、自分が本当によかったと思ったこと、おもしろいと思ったことを取り出し、どう感じたかを表現するという高度な技が必要になってくる。』

ここで、一気にレベルが上がった。
中級コースと初級コースとの差は大きい。

運動会などの体験を文章化するということを、考えていなかったといのが正直な気持ちである。
果たしてどのように書くのだろうか。
まだまだそこまでのスキルは持ち合わせていない。

表現力のある人は、どんな文章を書くのだろうか。
情景の表現が上手いような気がする。
色を使い表現する技術。
例えば都会は新緑の季節である。
ビルの谷間にある樹木の色の変化をさわやかに表現して、読む人にも同じ体験を共有してもらっているのだろう。

今後、新聞のコラムなどを写すことで、たくさんトレーニングを積みたい。
私の表現力に関する能力は未開発であり、トレーニングをすることで、のびる余地は無限大にあると信じている。
その一貫として、10万字のブログを目指している。
そして、いつかは、エッセイストのように、日常の出来事を題材にして、読んだ人が私の体験を共有できるようなリアリティな文章を書けるようになりたい。


『一冊の本の中で好きなところを3つ取り出してみると、選んだ人のオリジナリティがそこに出てくる。その3つをつなげると、それぞれオリジナリティがでてくる。』
『まず、作者が何を言いたいのかというポイントをとらえることが大切である。赤線を引く部分は、だれが読んでも、「ここが重要なのだ」という意味で、ほぼ一致するはずだ。それを取り出した上で、自分がおもしろいと感じた部分、どこで自分が反応したかという部分---緑線を引く部分---をどう取り出すかである。』

『その作品について書く場合、ポイントである赤線の部分をきちんと入れた上で、そこに自分がおもしろいと感じた緑線の部分をどう配列して書いていくかによって、その人の個性、作品の捉え方が出てくる。つまり赤線の部分と緑線の部分をいかにうまく組み合わせて書いていくかによって、書いたものがおもしろいものになるかどうか分かれる。』

『このセンスを磨くのが、書く力をつける上で重要なポイントになる。そのセンスを磨くのは、基本的には読書しかない。』

高校時代、現代国語の授業で、自分で2つの作品を選び、その感想文を書く宿題があった。
今でも文章を書く行為に対して、発展途上にある私にとって、当時の私は、発芽前の状況であったのは言うまでもない。
どのような作品を選んだかは覚えていないが、2つの感想に対する評価が大きく別れた。
一つ目の感想文は、作品から適当に文章を抜き出すだけで、「ここが重要だ」「この部分が面白かった」「この部分に対して自分はこのような反応をした」など、氏が言うような行為は全くなかった。当然評価は低かった。
二つ目の感想文は、ちょっと違った。「作品に対する批評」をまとめた冊子から、その批評をそのまま抜き出して感想文としたものである。そこには、その作品の重要な部分、批評家が感じたことなどが書かれていた。当然のこと、こちらの評価は、非常に高かった。
先生も戸惑ったことだと思う。
今思えば恥ずかしい話である。


『実際に引用を活用して書く場合はどうするか。
たとえば、ある作品、論文、本などを素材にして書く場合には、引用したい部分を自分の文章に織り込んで三か所ほど挿入してみるといい。その三か所については、それぞれ違う内容を選ぶ。引用が多いと、引用が主体になってしまい、自分の文章ではなくなってしまう。』

耳が痛い。
私のブログか引用のオンパレードであり、私の文章ではない。
私も中級コースになったら、氏が言うように、作品から三か所ほど選んで自分の文章の中に挿入したい。
しかし、今は初級コースである。
初級コースは、ただひたすら量を稼ぐことである。毎回2000字以上で、10万字が一つの目標である。ブログで10万字に達成した段階で、ワンランク上のクラスにいけているかどうか、判断したい。それまでひたすら文字を書き続けたい。

『引用は、読む人がその引用部分だけ読んでも満足するような楽しいものを入れるのがコツである。そして、それぞれの引用から、人目をひくキーコンセプトを導き出す。
つまり、引用が核になって、そこで三つのキーコンセプトができあがっていく。』

今ほど「キーコンセプト」とは何か、しっくりこなかったので、インターネットで調べてみた。昔と違いすぐに調べられるから便利である。
三省堂のHPに、10分でわかるカタカナ語として、その意味や使い方など書かれている。通常の辞書とは違い、使い方や言葉の経緯など様々な切り口で解説してある。
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/10minnw/index.html
登録しておく価値があるページである。

『引用というと、それだけではほかの人の文章ではないかと思うだろう。たしかに引用箇所は書き手の文章ではないが、その部分を選んだことによって、すでに書き手の意図は明確に表れてくる。』
『書き手の文章だけが続くと、その人の考えだけを一方的に書き連ねることになり、読み手が飽きる。また、書いている当人にとっても、自分の考えを一方的に出すだけでは、勉強にならないだけではなく、どうどう巡りの文章になりがちである。』

氏が言っていることは確かである。私は氏の文章を書き写しているが、自分の考えや感じたことだけではまとまりのない文章になるのは明らかである。氏の本中心に「引用」することで、幹や大きな枝が定まる。そこに私の感想などを書き込むことで小さな枝ができ、葉を描くことができていると思う。結果的には、どうどう巡りをさけ、一つの方向性のある文章が書けると思う。

『オリジナリティとは、言葉そのものにあるのではなく、その内容にあるのだ。
引用文を使うことによって、その引用文の文脈と自分の文脈がクロスし、そこに別な意味が生じ、オリジナリティが生まれる。引用を、どう組み合わせ、文脈の中に取り入れるかによって、書き手の個性は自ずとでてくる。』

はやくオリジナリティな文章を書きたい。
なぜ書き手の個性があるオリジナリティの文章を書きたいのか。
それは、夢があるからである。
本を出版して、それに基に、全国で講演活動をしたいからである。
そのための手段としてブログを書いている。
通常、朝4時に起床し、4時半ごろ書きはじめ6時には終わる。
夜に再度チェックしてアップする。
この習慣が心地よい。
以前から早起きであったが、今は目標が明確なので、朝の時間が充実している。
実感である。

『おもしろいとは、それまで頭の中でつながっていなかったものがつながるということでもある。読み手にそういう刺激を与えるラインをつくるのが、文章を書くことの醍醐味の一つでもある。』

このブログは、私個人の目標のために書いているが、毎日、数十人の読者もおられる。この読者の方々に対して、何かを感じてもらうことも重要な仕事である。そのためにも「ラインをつくる」ことにチャレンジしていきたい。

『それまでつながっていなかったことがどうつながるのかを、書くという作業を通じて、ゆっくり詰めていくことができる。頭の中で考えて、つながりがなさそうなものの、つながりをとらえることができる人は、かなり訓練を積んだ人だ。』

『普通は、頭の中で考えているだけでは、何となくつながっているのではないかと感じるくらいだ。それを人に伝える言葉で表現できるようになるには、書くという作業が非常に有効なのだ。』

『書いているうちに、そのつながりのラインが明確になっていく。書く訓練はそうした思考の粘り強さを鍛える。』

「つながりのラインを明確にする」というのは、技能でありスキルだと思う。
ゴルフと同様にスキルである。練習が大切であり、練習はうそをつかない。
石川遼選手のDVDをみてイメージトレーニングをすることも重要かもしれないが、実際にボールを打つことが重要である。
その昔、毎週休日の早朝、2時間ほどアプローチの練習をしていた時期がある。
ただひたすらに30ヤードの練習をしていた。
毎回500球ぐらい1〰2年続けた。
ゴルフはたくさん球を打つことで、距離感もつかめ、方向性もよくなる。
スコアメイクがうまくなり、コースに出ても寄せワンでパーを、時にはボギーをキープすることができるようになった。
たくさん練習することで、確実にスコアアップにつながる。
このことは、経験を通じて言えることである。

どうように毎日、たくさんの文字を書くことで、訓練することになり、思考の粘り強さを鍛えることができると信じている。

『いままで世の中になかった考えや表現を生み出すのは、無から有を生み出すようなものでかなり難しい。たとえ、すでにあるものであっても、そこに新しいラインをつくることで十分に「新しいもの」は生み出せる。』

まさにイノベーションである。
ドラッカー流にいえば既存製品に対して新しい用途を見出すのもイノベーションである。
また、「製品の組み合わせ」や「プロセスの組み合わせ」もイノベーションである。
「引用の考え方」と「書き手の考え方」を組み合わせて「新しい考え方」を創造するのも立派なイノベーションである。
どんどん「引用」してイノベーションを習慣化していきたい。
この「イノベーションの習慣化」もスキルである。
たくさん練習することで、スキルアップが可能である。