わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

真骨頂が試される ~震災11か月目を迎えて~

2012年02月11日 | 支えあいの指導者育成
 2月11日、震災11ヶ月目です。

 長くなりますがおつきあいください。


一ヶ月目の4月11日、宮城県南三陸町の歌津中学校にいました。詳しくはこちらへ

▼南三陸町志津川の4月11日




 ニヶ月目の5月11日、東京の出版社との打合せの場でした。詳しくはこちらへ


 三ヶ月目の6月11日、琉球大学に呼ばれて沖縄にいました。詳しくはこちらへ

▼梅雨明けした沖縄の6月11日



 四ヶ月目の7月11日、再び被災地宮城県にいました。息子、娘とともに。詳しくはこちらへ

▼RQ市民災害救援センター東北本部長佐々木豊志さんにお話しを伺った7月11日



 五ヶ月目の8月11日、初めて区切りの日を泰阜村で迎えました。 詳しくはこちらへ

▼福島のこどもたちをキャンプに招待した8月11日



 六ヶ月目の9月11日、秋の気配漂う南信州泰阜村で迎えました。詳しくはこちらへ

▼9月11日の泰阜村



 七ヶ月目の10月11日、再び沖縄のハンセン病療養施設「愛楽園」で迎えました。詳しくはこちら

▼愛楽園で迎えた10月11日



 八ヶ月目の11月11日、冬の訪れ迫る南信州泰阜村で迎えました。詳しくはこちら

▼南信州の晩秋の味、干し柿つくり


 九ヶ月目の12月11日、みぞれ降りしきる北陸福井で迎えました。詳しくはこちら

▼私の通った福井の中学校



 10ケ月目の1月11日、北海道の北端に近い町、中頓別町で迎えました。詳しくはこちら

▼中頓別町の風景



 そして11ヶ月目の2月11日、厳寒の南信州泰阜村で区切りの日を迎えています。
 
NPOグリーンウッド主催の山村留学事業「暮らしの学校:だいだらぼっち」では、こどもたちが陶芸の器を焼く窯「登り窯」を焚いています。

薪だけで1300度まで焚きあげる窯は、店で売られてる器とは一味もふた味も違う器を産み出してくれます。


▼これがNPOグリーンウッド施設内に設置してある登り窯「南山窯」





この窯の特徴は、窯焚きにこども(山村留学のこども)が参画することです。

それは薪をくべることだけを意味しません。

燃料である薪を間伐して、引きずり出して運んで、薪割をして、乾燥して、ということを意味します。

器をろくろでひたすら作ることを意味します。

こどもたちが手塩にかけて作ったお米のワラを燃やして作った灰や、薪ストーブで焚いた灰から釉(うわぐすり)を作ることを意味します。

まさに1年かけてきた、自然と共に生き、仲間と支え合ってきた「暮らし」の集大成。

この登り窯を4泊5日オールナイトで焚きあげます。

こどもたち同志が、仲間を信じ、仲間を支え、想いと知恵と力を持ち寄り、焚きあげるのです。


▼窯の中はこんな感じ。これで800~900度くらいかな~




▼小3の女の子が、小5の女の子に薪を渡す。そして投入する。熱さより痛さを感じる温度です





この山村留学のこどもたち(16名)のなかに、福島と千葉の被災児童がいます。

彼女たちは、しっかりと薪を窯にくべていました。

仲間と意見を交わし、しっかりと自分で判断をしていました。

仲間を信じ、困難を乗り越えようとしていました。

千葉からのこどもは4月から、福島からのこどもは6月から、どんなに苦しいときがあっても、確かに仲間に支えられて暮らしてきました。

どんなにつらいときがあっても、泰阜村の人々に支えられて暮らしてきました。

どんなに悲しいときがあっても、南信州の豊かな自然につつまれて暮らしてきました。

そして、今、最高の笑顔で、炎と、仲間と、自分と向き合っています。


▼見にくいのですが、こどもたち同志で困難を解決して窯を焚いていきます。





NPOグリーンウッドは、泰阜村が脈々と営んできた「お互い様・支え合い」を土台にした震災支援を方針としてきました。

自然の猛威におびえ切った東日本のこどもたちに、自然との接触を断たれてしまった福島のこどもたちに、もう一度、自然の素晴らしさを伝えたい。

失われた集落の底力、共に生きる仲間の素晴らしさを、もう一度こどもたちに伝えたい。

そして、全国のこどもたちに、過酷な状況に陥ってもなお、周囲の人びとと協調しつつ生き抜くための「支え合いの気持ち」を育成したい。

そう強く想って、われわれの本文である「教育活動」を通した「震災支援」を地道に行ってきました。

1年間の泰阜村の暮らしで、彼女たちに伝わっているでしょうか。

彼女たちを支える仲間のこどもたちに伝わっているでしょうか。

炎、水、空気、土、熱、風など、あらゆる自然現象に対応しつつ、仲間を認め合い、支え合い、信じ合って、窯を焚きあげる。

私たちの震災支援の真骨頂が、この窯焚きで試されています。


▼夜の窯場。大量の薪と、大量の熱気が信州の寒空の下に集まります。




▼私はひたすら薪割りでこどもたちを支えました。疲れました(笑)




▼2月11日現在、1の間の温度計の数字です。さあ、1300度への挑戦が始まります




代表 辻だいち




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