中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

掻く

2006年09月15日 | Weblog
昨日の校正:
某大企業の社史。巻頭言は取締役からのメッセージ。いかにもやり手そうな顔写真つき。

「わかりやすさが必須の条件であり、どの企業も単純明解さを求めてきているが」

…明解さんはこんなところまで出没してはいけません。

「わが社が最近まとめ上げたノウハウの集大成は、日本および海外の製造現場に「○○社スピリッツ」の息吹が掛かる製品を産むことであろう」

…息吹は掛らない。息は掛る。→息が掛った製品、にするとニュアンスちがう。悪いことみたい。例)××政党の息が掛った企業。
→息吹を感じる。息吹のある。息づく。のどれかに直してちょうだい。

「わが社は日本を、ひいては世界をリードしてきたが、この業績にあぐらを掻くことなきよう」

あぐら、掻かないで。
お尻を蚊に刺されたの?
あぐら、あえて漢字にするなら、あぐら構く。あぐら繋く。たいていはかな書きですから。

元原稿通りに出してきたオペレータさんは悪くない。こういうことに気がつく編集・校正がいるから、世の中の社長さんは色々なものを書き散らしても面子を保っていられるのじゃよ。