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ねがうこと、ゆだねること

京都市美術館・バルテュス展・少女たち

2014-08-15 | art
93歳で2001年に亡くなった、画家・バルテュスの回顧展を
東京で見逃してたので、出張の帰り、京都市美術館で見る。

京都市美術館は、平安神宮近くの岡崎公園に位置するんだけ
ど、近代美術館、細見美術館、市立図書館などあって、東山
や疎水が流れ広々したアート・カルチャーエリアでもある。

夏の京都は盆地ということもあって暑い。でもお盆時期なの
で多くの墓参りする人々や夏休みの旅行やバカンスできた欧
米の人やら結構混んでいる。



バルテュスは生涯にわたり少女たちを独特のかたちや色で描
き続けたことが最大の魅力だと思うだけど、みな身近な少女
が題材であったことが興味深かった。

最初の少女モデルであるテレーズ・ブランシェールは隣人の
失業者の娘。


「夢見るテレーズ」 1938

思想家・ジョルジュ・バタイユの娘、ローランス。バタイユ
がバルテュスの友人だったというのが面白い。


「決して来ない時」 1949

パリからブリュゴーニュ地方の城館にアトリエを写した時は、
義理の妹、フレデリック・ティゾン。一緒に暮らして関係も
もつ。


「白い部屋着の少女」 1955

そして京都で出会った学生、のちの夫人、節子さん。みなバ
ルテュスが魅了された女性なんだけど、親しい関係性、信頼
感のおける距離感というのも大事だったような気がした。


「朱色の机と日本の女」 1967-76

宮崎駿監督が「テーマや題材なんてものは、身の回り半径3m
の中にある」と言ってたのを思い出す。バルテュスは光のセッ
ティングにこだわったアトリエで時間をかけてモデルに向かっ
て絵を作り上げるスタイルはずっと変らなかったみたい。

画家・熊谷守一は晩年の30年間外出しなかった。庭で目にする
ものをずっと描いていた。身近な題材で描きたいものがずっと
ある画家は幸せだと思う。

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