東山の朝はうぐいすの声で目が覚めた。
あまりに大きく聞こえたので夢かと
思ったくらい。
東山の旅館吉水をチェックアウトして、
出たところに小さな弁財天があった。
ひょいと入って拝んで出ようとした時に
竹ぼうきで掃いているおじいさんがいた。
「ご苦労さんです」って声かけたら、
「ここは舞妓はんとかお参り来はるんですよ。
裏に重要文化財があるけど見はりました?」
って言われたので、ついでに見に行くことにする。
☆
細い路地を通って裏に出ると、
山際になっていてこれまた細い小径。
12体の小さなお地蔵さんが並んでいる。
眺めていると、いつの間にかさっきの
おじいさんが傍に来ていた。
「この仏さん達は2年前に近くの工事現場で
見つかりましてね。ここにちょうどおく場所が
あったので、お坊さんとも相談して並べさせて
もらったんですわ。」
「その頃バイクと接触事故をして足首が
ひん曲がりまして、痛くて医者にみせたら
手術せな治らんって言われまして。」
おじいさんは左足の足首あたりを、
指で示してはった。
☆
「バイクの人は保険に入っていたので、
手術代とかは問題なかったんですが、
この歳で手術はかなわなんなぁと」
「この12体の仏さんに祈ってましたら、
不思議に治りましてん」
「それは、よかったですねぇ」
そういうことって起こるんだなぁ。
祈りの強さとだけで説明できないものを感じる。
「それから毎日掃除に来るようになったのです」
「それはいい話ですねぇ」
☆
その後もおじいさんは、隣の水遣り場が枯れたので
修験する人も来なくなったこと、法然上人の時代から
使われていた井戸の蓋を開けながら、もう井戸水が
枯れてしまったことを教えてくれた。
この界隈が吉水という名前の由来は、よい水がでるから
だそうだ。吉水も枯れるとは、何かを僕に知らせ
たがっているのだろうか。
「世の中変わりました、もうロボットの時代ですから」
「ロボットのおかげで便利になっても、水がなくなったら
生きていけませんで」
おじいさんと出会ったおかげで、記憶に残る
弁財天になった。ますます吉水が好きになっていく。
あまりに大きく聞こえたので夢かと
思ったくらい。
東山の旅館吉水をチェックアウトして、
出たところに小さな弁財天があった。
ひょいと入って拝んで出ようとした時に
竹ぼうきで掃いているおじいさんがいた。
「ご苦労さんです」って声かけたら、
「ここは舞妓はんとかお参り来はるんですよ。
裏に重要文化財があるけど見はりました?」
って言われたので、ついでに見に行くことにする。
☆
細い路地を通って裏に出ると、
山際になっていてこれまた細い小径。
12体の小さなお地蔵さんが並んでいる。
眺めていると、いつの間にかさっきの
おじいさんが傍に来ていた。
「この仏さん達は2年前に近くの工事現場で
見つかりましてね。ここにちょうどおく場所が
あったので、お坊さんとも相談して並べさせて
もらったんですわ。」
「その頃バイクと接触事故をして足首が
ひん曲がりまして、痛くて医者にみせたら
手術せな治らんって言われまして。」
おじいさんは左足の足首あたりを、
指で示してはった。
☆
「バイクの人は保険に入っていたので、
手術代とかは問題なかったんですが、
この歳で手術はかなわなんなぁと」
「この12体の仏さんに祈ってましたら、
不思議に治りましてん」
「それは、よかったですねぇ」
そういうことって起こるんだなぁ。
祈りの強さとだけで説明できないものを感じる。
「それから毎日掃除に来るようになったのです」
「それはいい話ですねぇ」
☆
その後もおじいさんは、隣の水遣り場が枯れたので
修験する人も来なくなったこと、法然上人の時代から
使われていた井戸の蓋を開けながら、もう井戸水が
枯れてしまったことを教えてくれた。
この界隈が吉水という名前の由来は、よい水がでるから
だそうだ。吉水も枯れるとは、何かを僕に知らせ
たがっているのだろうか。
「世の中変わりました、もうロボットの時代ですから」
「ロボットのおかげで便利になっても、水がなくなったら
生きていけませんで」
おじいさんと出会ったおかげで、記憶に残る
弁財天になった。ますます吉水が好きになっていく。
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