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ねがうこと、ゆだねること

岡村昭彦の写真展「生きること死ぬことのすべて」

2014-09-13 | photo
東京都写真美術館は、9/24から約2年間、改修工事のため休館に
なる。こちらに詳しいけど、企画展の休止はもとより、図書館も
使えないし、アトリエも使えなくなる。

長らくOpen Show Tokyoの開催場所として、お借りしていたア
トリエが使えなくなるから、新しい場所を模索しているところ。



休館前の最後に書く企画展は「岡村昭彦の写真 生きること死ぬ
ことのすべて」。9/23まで。

故岡村昭彦(1929-85)さんは、1964年にアメリカ雑誌『LIFE』
に9ページにわたり掲載されたベトナム戦争の写真によってフォト
ジャーナリストとしてデビューする。「キャパを継ぐ男」と言わ
れたそうだ。凄いって思う。


google booksで見ることができるLIFEの記事 

会場では『LIFE』のオリジナルと、1992年にオリジナル・プリ
ントを制作し写美に収蔵されている写真が展示されている。


ナイジェリア軍に左胸を打ち抜かれて倒れるビアフラ軍兵士。1969年

戦場カメラマンが撮る写真の様だけど、ちょっと様相が違う気が
する。図録に写美の金子隆一さんが書いてはるのでハタと思う:

(彼の写真は)写真をイメージ化しない、 つまり写真を
プロパガンダにさせないということでは無いだろうか。

これは近代的写真表現が、 写真の機械性に注目し、 機械
の目を全面的に肯定することによって持たされたイメー
ジの拡張に対しての アンチ・テーゼとして位置づけるこ
とができはしないだろうか。

彼の写真を美術館や写真集で見る時、ドキュメンタリーとアート
の融合が見られる、つまり彼の写真には、彼ならではのスタイル
が見られるからだ。岡村さんがインタビューに答えている;

『LIFE』が 非常に高く評価したのはね、僕は、 戦場の目の
高さで撮っているてことなのよ。 というのは今までの戦場
の写真っていうのはね、異常なものは異常に取ろうと思っ
てね。



ベトナムを皮切りに、「世界史の現場」として植民地の問題
意識をもちながら、世界中を撮影する。


牛市の風景 アイルランド、1970年代



発表された写真もさることながら、文章もジャーナリストと
して一級のものだ。65年発刊の『南ヴェトナム戦争従軍記』
(岩波新書)はベストセラーとなる。

筑摩書房から出版された「岡村昭彦集」全6巻は膨大な文章
から構成されていて、写真がほとんどない。

蔵書が約1万6000冊あったとか!寄贈された静岡県立大学は
附属図書館内に「岡村文庫」として開架オープンしたそうだ。



「フリーランスとしての生涯は常に弱者の側に身が置かれてあり、
晩年は生命倫理やホスピスに取り組んでいたが、1985年3月24
日敗血症のため死去。享年56歳。」

とは「岡村昭彦の会」からの抜粋。合掌。

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