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ねがうこと、ゆだねること

映像作家フィオナ・タン 「まなざしの詩学」

2014-09-11 | art
映像作家フィオナ・タンの回顧展が、写真美術館で開催中。9/23まで。
彼女の作品は、横浜トリエンナーレナーレ、長年取り扱っているWako
Works ofArt Gallery
で断片的に見たことがあったけど、まとまって見る
のは初。膨大な作品群から8点が展示。日本初公開が目白押し。



ギャラリーや美術館が発表の場所。美しく、実験的で静謐。作品自体を
ネット上で探したけどなさそう。上のYouTubeは2013年ローマのMAXXI
美術館で開催された「Inventory」展
(今回も展示)の紹介映像。


Lift 2000

会場冒頭を飾るのは、数十の大きな風船に吊り上げられたタンさん本
人が、上昇するでもなく、低いところを「浮遊」している。場所は19
88年から移住したアムステルダム近郊だろうか。

彼女の足だけを撮影したバージョンもあり、地面スレスレで止まったり、
芝生の上に着地したり。


Disorient 2009

ヴェネツィア・ビエンナーレにおけるオランダ館で発表した作品。彼
女が選んだテーマは、700年前にヴェネツィアの商人マルコポーロが
書いた「東方見聞録」。

二つの映像。シルクロードの国々の文物が所狭しと置かれた、博物館
のような骨董屋のような建物の中。もう一方では、「東方見聞録」で
語られている街の現代の様子を、ニュース映像を編集したもの。

作られた"東洋のイメージと現実の世界が対比されて投影されるなか、
「東方見聞録」を読むナレーションが語られる。


Provenance 2008

彼女が住むアムステルダムの生活圏にある人達の6つのポートレイト。
A4サイズの額縁の様なスクリーンが6つ、等間隔に設置されている。

上の写真は、タンの息子=キース、映像作家キース、キャバレーの
踊り子ザンヌだろう。



多種多様なテーマや題材は「小さい種」が育つのを見守るそうだ。

最初は小さな種として始まり、それを植えて育つのを見守ります。
長年作品を作っているうちに、自分の制作プロセスは必ずしも直
線的ではなく、もっと有機的で、らせんや曲がりくねった道のよ
うな感じがします。

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