料理の素材を科学する!ってほどでもないけれど

食材や料理についてまとめてみました。
クイズや脳トレもありますよ。

その手は桑名の

2021年06月12日 | グルメ
【前の答】フィトケミカル
Q1,野菜はどう食べるといいでしょう?
    a,皮ごと食べる  b,皮を薄く剥く  c,皮を厚く剥く
     →a,野菜の皮にフィトケミカルが多く含まれているため、
      よく洗って皮ごと料理に使うのが一番です。

Q2,カロテノイドは何と一緒に摂るといいでしょう?
    a,魚  b,肉  c,油
     →c,カロテノイドのβ-カロテンやリコピンなどは脂溶性のため、
      油と一緒に摂ると吸収しやすくなるといわれています。

Q3,含硫化合物はなるべくどう摂ったらいいでしょう?
    a,加熱しない  b,加熱する
     →a,含硫化合物のアリシンやイソチオシアネート、スルフォラファンは熱に弱いため、
      これらを摂るなら加熱をせずに摂りましょう。
      ただし、アリシンを含むニンニクや玉ねぎなどの野菜は
      生で摂り過ぎると胃を荒らす原因になるため食べ過ぎには注意してください。

Q4,フィトケミカルはどう摂ったらいいでしょう?
    a,単体でたくさん食べる  b,少しずつでも多くの種類のものを食べる
     →b,フィトケミカルは健康によい働きが期待できますが、
      それぞれが持つ働きが異なるため、
      単体で摂るよりも組み合わせて摂ることで健康へのより一層の影響が期待できます。
      いろいろな食品をバランスよく、しっかりと食べるようにしましょう。

【脳トレの答】網焼き

【今日の話】
このあたりは焼きハマグリが名物で、
両側の茶店が軒を並べて呼び立てる声にひかれ、
二人はとある店に入って腰を下ろした。
女中が茶を持ってくると、
弥次郎兵衛は旦那のつもりだからわらじのまま茶屋の板の間にあぐらをかいて、
「喜多さん、腹のしたくはいいか、どうだ。」
約束なので喜多さんもお供気取りになり、
「よろしゅうございましょう。これ女中、ご飯を二膳出してくんな。」
「はいはい、ハマグリであがりなされますか。」
「いや、箸で食いやしょう。」
「おほほほっ。」
女中は笑いながら、箱型のいろりのようなものの中へハマグリを並べ、
松かさをつかみ入れてあおぎ立てる。
ハマグリがだんだん焼けてくるのを待ちながら、
「こう酒はいいのがあるかの。しかも諸白ではなくて、片白には困る。
 それに、江戸で美味いものを食い飽きているから、
 道中のものはまずくて食えたものではねぇ。
 馬に乗れば危ないし、かごは頭がつかえる。
 店の番頭手代どもがおうちのかごをお使いなさるがようございますと言いおったが、
 なるほどそうすればよかった。
 我慢して乗るには乗るが、もう道中かごには飽き飽きした。
 喜多さん、これからは歩いて行こう。
 いいぞうりがあったら買ってくりゃれ。
 はきつけぬわらじを履いたらこれ見や、
 足じゅう豆だらけになった。」
と、弥次郎兵衛は大きなことを言う。
「ほんになあ、今日はじめてわらじをおはきなさったから、古いあかぎれが再発した。」
「とんだことをいう。これはあんまり足がやわらかだから、
 わらじのひもが食い込んだのだ。や、時にハマグリは。」
「はいはい、ただいまさし上げます。」
女中が大皿に焼きハマグリを積み重ねて出し、ご飯を二膳持ってきて二人の前に据えた。
「弥次さん、見なせぇ。色男は違ったもんだろう。
 この娘が、お前の飯は少し、おいらのはこの通り山盛りにした。
 餓鬼道の一里塚というところだ。ああ、うめえうめえ。」
「へん、べらぼうめ。あの娘が飯の盛りをよくしたのを
 惚れたのだと嬉しがるからお笑いぐさだ。
 そりゃ、てめえを安く見くびったのだわ。」
「なぜなぜ。」
「すべてこの街道では雇い人足や供の者へは、
 飯を山盛りにして出すということだ。
 つまるところ、誰の目にも俺は旦那、
 てめえはお供とはっきりわかるのだ。」
「ふむ、そうか。いまいましい。」
喜多さんがぶつぶつ言っている時、近くの寺の鐘がゴーンと鳴った。
「これ女中、あれは何時(なんどき)だえ。」
「もう七つ(午後四時)でございます。」
「しめたしめた。約束通り、ここから俺が旦那様だ。
 こりゃこりゃ弥次郎兵衛、俺はもう、馬にも籠にも乗り飽きた。
 これからそろそろ歩いて行こう。
 よいぞうりを買ってきやれ。
 はきつけぬわらじでこれ見や、豆じゅうが足だらけだ。」
「バカを言う。なるほどてめえは足だらけだ。
 一つの足がいくつにも分かれているから。」
「これやい、旦那に向かっててめえとは何事だ。この荷物はそっちへ渡すぞ。」
「はて、現金な男だ。まあそっちへおきやれ。」
「いや、そうはならぬ。」
と喜多さんが荷物を突きつければ、弥次郎兵衛は押し戻そうとする。
そのはずみに、焼きハマグリを盛った皿をひっくり返し、
大きなハマグリが弥次郎兵衛のふところへひょいと入った。
「あっつ、あっつ。ハマグリのつゆがこぼれた。あつつ、あつつ。」
ハマグリが股の間からぽとりと地面に転がり落ちる。
喜多さんはぴょこりと頭を下げて、
「旦那様、まずは安産でおめでとさんです。あははははは。」
「笑い事じゃねえ。やけどをした。あつつ、あつつ。」
慌てて騒ぐ弥次郎兵衛を尻目に、喜多さんが一句詠んだ。
 こう薬はまだ入れねどもハマグリの
   やけどにつけて詠むたわれ歌
(こう薬の容器として、ハマグリの殻が使われていた。)
これをきっかけに、代金を払ってこの店を出た。

「しかし、桑名の焼きハマグリは最高だったなあ。」
「弥次さんが小便騒動で落ち込んでる隙に焼きハマグリを俺一人でみんな食ってやろうと思っていたんだがな。」
「おっと、その手は桑名の」
「焼きハマグリか。」
例によって掛け合い漫才のように調子で話しながら、二人の旅は続いている。
  (この当時、「言わぬが花の吉野山」、「恐れ入谷の鬼子母神」、
   「驚き、桃の木、山椒の木」などの言葉遊びがはやっていました。)

焼きハマグリの話を読んだので、その桑名の絵を描いてみませんか。


【今日のひと言】「どう変えるか」実行する時

【今日の脳トレ】
コメント (2)
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