最後の最後で崩されました

　鉄壁のスターターコンビは今年もほぼ怪我無くシーズンを過ごしました。しかし、終盤になってPattersonをダブルチームで崩される場面が目立っています。

Brodrick Bunkley　16試合出場　16試合先発
58タックル　37ソロ　21アシスト　1サック　5QBハリー
　チームベストのランブロッカーはPattersonからBunkleyに変わりました。1対1で打ち負かされるのをほとんど見ませんでしたし、ダブルチームでも簡単に割られる事は無く、相手がBunkleyのところで勝負しようとする気を無くしてしまう壁となりました。
　反面パスラッシュでは早々にベンチに下がりますし、まずは対面をコントロールする為にサックは1つに終わっています。1,2ダウンでのパスラッシュ向上の為にも更なる向上を目指して欲しい物です。

Mike Patterson　16試合出場　16試合先発
71タックル　48ソロ　23アシスト　1.5サック　6QBハリー
　4-3のNTとしてランディフェンスの基点と成り続けました、中盤まではBunkleyと共に鉄壁のランディフェンスを見せたのですが、終盤LGのプルアウトによるダブルチームを受けるようになり崩されるようになりました。これはPattersonが悪いというよりも、Cris Gocongにフォローさせていたのを止めたのが原因ではないかと考えます。ちょっと太り過ぎで足が出なくなった気もしますが、NTとしてランディフェンスに専念したほうが良いのか少し落としたほうが良いのかは難しい判断になります。

Antonio Dixon　16試合出場
17タックル　10ソロ　7アシスト　1サック
　WASのルーキーFAでファイナルカットで解雇された所を契約しました。325ポンドの重量級DTで、DTはとにかくランを止める現行のシステムに合い3番手として起用される事になりました。鉄壁のスターターコンビが健在の為に出番は多くありませんが、負傷時にはスターターとして起用されています。3番手としてローテーションするには十分な存在ですし、2年目を迎えるこのオフ体が出来れば更に良くなるはずです。

Trevor Laws　11試合出場
12タックル　6ソロ　6アシスト
　2年目を迎える今年はスターターに割って入る事が期待されましたが、終盤は怪我をしていないのにアクティブになる事が出来ず、チームで最も期待外れの選手に名前を出す事に成りました。ランディフェンスではパワー負けし、パスラッシュではDEをDTで起用されてしまうので起用の場面がなくなってしまいました。パスオフェンス中心のチーム相手に1.2ダウンで出てくるようになるのがLaws生き残りの道でしょうけれど、DTにはとにかくランを止める役割しか与えない現行のシステムではLawsに日が当たることはなさそうです。

　
　ひたすらランを止めるだけの存在になったDT陣、欠点のランディフェンスを向上させたのは評価するべきでしょうが、パスラッシュが全く無い為にディフェンス全体に対する悪影響が出ているのは否めません。Lawsも足を潰してでもパワーアップを狙うオフシーズンになるのでしょうし、来年は更にランストップ軍団化が進むのでしょう。

McNabbじゃあ無理かなあ

　素晴らしいスーパーボウルでした。イージーなコントロールミスが無く、ぴったり付かれていてもピンポイントに落とす現役最高のQB2人の競演に感動すると同時にMcNabbじゃあこの舞台には立てない（立ちましたけどね・・・）のではないかと言う事を考えてしまいました。
　コントロールが悪い、フィールドビジョンが悪い、そこも大きな違いですが、リーダーとしてチームを牽引していく気持ちが見えないMcNabbではシビアな試合を乗り切る事が出来ない、プレイオフを勝ち抜く為にはMcNabbを捨てる必要が有るのではないかとさえ思えてきます。去年まではBrian DawkinsやJon Runyanと言ったリーダーが居た事も有りますし、コントロールにしても今年の終盤のように10ヤード程度のパスが全く行かないというような事は有りませんでした。McNabbが悪いのではなく、Andy Reidの采配に問題が有ると言い続けてきたのですが、McNabbにVickでは采配の振るいようがないから単調なプレイに終始するのではないかと思うようになりました。
　そして、Dawkinsが抜けた事でMcNabbにリーダーシップを求める声に対し、チームを牽引するプレイをするつもりだが、俺はリーダーって柄じゃない。こう言い切ってしまうMcNabbは劣勢の試合でチームを鼓舞するより やってられねーよ、悪いのは俺じゃないと言う態度を取ってしまいます。スーパーボウルでの敗戦後McNabbに対する批判をしたのが問題児と言われていたT.OとFreddie MitchellだったのでMcNabb擁護の声が大きかったのですけれど、今振り返ってみるとMcNabbに絶対に勝つと言う気迫のようなものを感じませんでした。
　
　McNabbでスーパーボウルを勝てるかどうか、多分勝てないでしょう。スーパーボウルに出た時のカンファレンスファイナルの相手はVickでした、駆け引き無用の相手だったから勝てただけだったのだと思います。だとしても、McNabbの代わりを見つけるのは簡単な事ではありません。現地ではKevin Kolbに対する期待が非常に大きいようですが、私はKolbのプレッシャーへの弱さとファーストターゲットしか見れない点は致命的だと考えています。Vickは飛び道具以上の存在にはならないでしょう。レギュラーシーズンを10勝する事が出来てもプレイオフを3連勝するのはプレイスタイルとしても精神面でも波が大きいMcNabbでは無理だと思います。しかし、Kolbではプレイオフに出る事が出来ないでしょう。

　こう言う状況の中、McNabbをCLE.BUF.DENの3チームが欲しがっていると言う噂、KolbをCLEが欲しがっていると言う噂、そしてVickをSTLが欲しがっていると言う噂が次々に流れています。この時期のトレードの噂は根も葉もない物が多いですし、気にする必要は無いとは思いますが、こう言う噂が出る自体 将来のQB像が見えていない現状を映していると言う事です。
　Vickについては、本人がスターターに成りたいと考えていて、それに見合うオファーが有るのであればトレードしても良いのかもしれません。飛び道具としてのVickは素晴らしいタレントですが、不満を抱えたままチームに残るのならばマイナスにしかならないと思います。
　McNabbとKolbどちらかを選択するのであれば私はMcNabbが断然上だと思っています、今後Kolbが素晴らしいQBになる可能性が無いとは思わないのですが少なくともNFL史上初の初スターターから2試合連続で300ヤード投げたQBと言う記録に見合うような選手ではないです。
　McNabbに10ミリオン以上出している事を考えるのであれば、どんなQBとでも契約する事は可能です。McNabbを放出してKolbに任せると言うのはチーム崩壊の可能性もあるギャンブルになってしまいますが、スターターを任せられる選手を新たに獲得する形でQBを入れ替えるのは悪い事ではないのかもしれない。つい先日まではMcNabbでもう1年行くべきと考えていましたが、スーパーボウルを見て気持ちが揺らいでいます。