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Jim Johnson長期休養

2009-05-19 22:29:00 | イーグルス
 Andy Reid就任以来ディフェンスの全権を任されていたJim Johnsonが休養する事になりました。2001年に癌の手術を受けていて、脊髄への転移が見つかりオフの間に再手術を受けています。先日のミニキャンプでは電動車いすに乗ったまま指導をしていました、その時には死ぬまで現役で居たいと言っていたのですが治療の為に戦列を離れる事になりました。20日から始まるOTAの集合に合わせての発表となり、治療が終われば復帰する事にはなっています。来週68歳になるJohnsonが癌を克服する事は脊髄への転移を考えても無いでしょうけれど、これくらいの年になると癌の進行は遅く痛みにさえ耐えられればそれなりに日常生活が出来る場合も有ります。無期限の休養と言う発表で、OTAの期間中の復帰は出来ないが、シーズンまでには帰って来たいと言う意思はあるようです、治療の経過を待つ事になるでしょう。
 実際の所、気力の衰えはここ2-3年感じてきました。ブリッツ+バンプが売りだった2004シーズンまで、バンプに規制が入った後のブリッツ+ショートゾーンでサックを狙い続けた全盛期と比べると、DL+LBにギャップコントロールを優先させるコンサバティブなラン重視のディフェンスに変化しています。いざと言う時の仕掛けも消極的になっていますし、体力の衰えが気力・判断力に影響を与えているように感じています。ただ、シーズン序盤から終盤に向けての修正能力は依然高いですし、試合中の判断に衰えは出てもコーチとしてまだやれると思っていました。
 
 後任はDBコーチのSean McDermottになります、引退ではなく休養なので正式にDCに就任するかはまだ分かりませんが、事実上のDC就任になるのでしょう。
 McDermottはWilliam & Mary大でSとしてプレイし、その後1年母校のコーチを手伝った後、2000年にReidのアシスタントとしてコーチ業を始めます、その後DBコーチアシスタントを経てDBコーチに昇格し、2007年Steve SpagnuoloがNYGに移籍後には後任のLBコーチとしてチームの出世コースに乗りました。再度2008シーズンはDBコーチに戻っています。Leslie FrazierRon Rivera,Spag,John Harbaughを育てたJim Johnsonの弟子達の中でも最も長い時間部下として付き従ってきたMcDermottは最後の弟子と言っていいでしょう。まだ35歳なのですが、大学卒業して2年後にチームに合流して10年目になります。

 McDermottがDC代理としてディフェンス全体を見る事になると、空席になるDBコーチにも影響が出ます。現在DBコーチアシスタントのOtis SmithをDBコーチに昇格させる事になるのでしょう(McDermottが正式にDCに昇格しないのであればDBアシスタントのままでしょうけれど)Otisは1991年のルーキーFAとしてEaglesに入り、スターターにまで成長し、FA(まだプランBだったかもしれません)でNYJに移籍後NEとNYJを行ったり来たりしています。2006年にNEのDBコーチアシスタントになり、2008年から復帰していました。34歳と若く、コーチ暦も2年しかないのでDBコーチとして全部を任せていいのかと言う点で若干不安が残ります。特にDBは今年最も入れ替えの激しかったユニットですし若手も多いですから経験豊富なコーチを呼んでOtisはもう少しアシスタントで勉強した方が良い様な気がします。
 アシスタントから引き抜かれ続けた結果、DLコーチ以外はディフェンスのコーチ経験3年未満の若手しか残っていない事も大きく影響する事でしょう。

 McDetmottがDBコーチとして足踏みをしている間、何度か他チームのDC候補として名前が挙がりました。11年目になるReid-Johson体制の中、初期から居た部下はほぼ全てDCとして引き抜かれて行き最後に残ったMcDermottだけは引き抜かれる前に手を打つ必要が有ると思っていました。そう言う点から考えると、今回のJohnson休養McDermott昇格はJohnsonの年齢・健康面だけでなくMcDermottの処遇としてもタイミングが良かったのでしょう。Johnsonは名簿上チームに残るのですからMcDermottに現場を任せつつ共にディフェンスを作っていく事になると思います。

 このまま完全に引退するのか、車椅子に乗った状態でもサイドラインに居る事が出来るのか、チームへの影響の大きさはJohnsonの状態次第です。サイドラインに姿を見せて、限定的でもミーティングに参加する事が出来るなら影響はほとんど無いと思います。もし引退する事になればディフェンスは大きな転機を迎える事になります。弟子として長年一緒に居たとしても目指すものが同じとは限りません、McDermottが全ての責任を負う事になった場合に今とは違う戦術を採用する可能性も有るでしょう。

 OTAが終わる頃か遅くてもトレーニングキャンプが始まるまでにはJohnsonが休養から復帰するのかがはっきりするでしょう。出来る事ならば今年1年はMcDermottを助けてあげて欲しいのですけれどねえ。