ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語(28)『砂浜の忍者石(石投げ)』

2013年08月27日 10時18分23秒 | 日記

海岸の砂浜には、たくさんの小石が落ちています。
小石は、丸くて平です。
ほとんどの小石は、波で角が削られ丸くなっています。
ちいチャンは、この平な丸い石で、石投げをして遊びます。
人差し指、中指、親指の3本で小石を平に持ち、脇の下から真っ直ぐに海に向けて、
波の上をすべらせます。
石は、水面上でバウンドをして、次の水面へ向かいます。
そして、またそこでバウンドをして、次の水面へ跳びます。
上手くできると、小石は、3段4段と水面上を飛び跳ねます。
最初の頃は、石投げが上手くいかずに、ちいチャンの投げた石は、ポチャン!と海の中
に落ちていました。
ちいチャンは、小石をたくさん集めて足元に置き、いっぱいいっぱい練習をしました。
ちょっと、野球の投手の投げ方に似ているような気がします。
石は、ポチャン!と落ちてる段階から、1バウンドするようになり、2バウンド、3バ
ウンドと出来るようになりました。
すご~く上手く行く時は、石がビョンビョンビョンビョンビョン!と波の上を忍者のよ
うに、飛び跳ねて行きます。
昼間は波がまぶしく、石の着地地点がよく見えません。
夕方の空が赤く染まる頃になると、砂浜には点々と、石投げをする子供たちの固まりが
出来てきます。
その中に、大きいお兄さんもいて、大きいお兄さんの投げ方は、子供たちの憧れでした。
大きいお兄さんの持つ石は大きく、石のバウンドする長さも長く、バウンドする数も多
く、ずうっと遠くまで、石が跳んで行くからです。
子供たちは、大きいお兄さんの足元に、小石を小さな山にして集め、大きいお兄さんが
投げるのを、キラキラした瞳で見つめていました。
コメント
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