ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語(16)『メダカ採り』

2023年08月30日 19時53分49秒 | 日記
ちいチャンの家の近くに、海に流れ込む川があります。
川の幅は、3~5メートルぐらいで、深さは、膝から腰ぐらいです。
流れはゆるやかで、川底の石が見えるほど透きとおっています。
その川にはメダカがたくさんいて、足を踏み入れるとパアッ!と散って逃げます。
ちいチャンは、バケツとザルを持って、メダカ採りをします。
この川のメダカは、のんびりやさんで、ちいチャンがザルで川の水をすくうだけで
、簡単にザルの中に入ってしまいます。
でも、ザルに入るのは数匹で、やっぱりたくさん採りたいと、ちいチャンは思いま
す。
そこで、ちいチャンは、ザルを手に持って水に沈め、メダカがザルの上を通るのを
ジッと待ちます。
メダカの集団が、ザルの上を通ったら、ザバッ!とザルを持ち上げると、うまく行
けば、たくさんのメダカが採れます。
そして、川の水を汲んでおいたバケツの中に離します。
バケツにメダカを離す時は、手で入れずに、ザルごとバケツの水に沈め、ザルから
離れて泳ぐのを見届けます。
メダカは、バケツの中で元気に泳ぎます。
男の子たちは、小さいメダカだけではつまらないようで、もっと大きな魚を採るの
にチャレンジをします。
それは「かじか」と言って5~10㎝ぐらいの魚です。
「かじか」は、川の石の下に潜んでいたりする様で、男の子たちはよく石をひっく
り返して探していました。
「かじか」は、メダカほどのんびりはしていなくて、石をどけられると、すごい速
さで逃げます。
「かじか」を採るのにはコツがあって、まず、「かじか」の逃げ込んだ石を見つけ
、その石の前に、しずか~にザルを差し込み、えいっ!と石をどけます。
隠れ場所を失った「かじか」が、慌てて飛び出してザルの中に入るのを見届けて、
今だ!とばかりに、ザルを引き上げます。
でも、「かじか」の泳ぐ方向を間違えると、ザルの中には石の下の砂やゴミが入る
だけでした。
ちいチャンも、何度か「かじか」採りにチャレンジしてみましたが、一度も採る事
ができませんでした。
ちいチャンは、採ったメダカは帰りには、川に離してあげました。
この川は、ちいチャンの大自然の水槽なのでしょう。

コメントを投稿