ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語(64)『柿の渋抜き』

2022年04月17日 20時14分31秒 | 日記
秋になると、おばあちゃんは、背負い籠(かご)を背中に背負い、
柿の木の植えてある山へ出かけて行きます。
おばあちゃんは、力持ちです。
背負い籠いっぱいに、柿を取って来ます。
ちいチャンは、取って来た柿をすぐに食べたいと思いますが、
おばあちゃんが、まだ渋い柿だと言います。
おばあちゃんは、大きなビニール袋と、小皿と焼酎を用意します。
縁側に新聞紙を敷いて、ビニール袋を置き、小皿に焼酎を入れました。
小皿の焼酎を柿のヘタにつけて、ビニール袋に並べて行きます。
平らに並べたら、その上にまた柿を重ねて行きます。
最後におばあちゃんは、ビニール袋の口をギュ!と縛りました。
(早く食べたいなぁ...。)
柿は、おばあちゃんの食べ頃判断に任せられています。
おばあちゃんが、食べてもいいよ!と言うまでは、手が出せません。
何年か前、おばあちゃんが少し早めに柿を出して剥いた時、
柿は渋いでした。
「おばあちゃん、まだ?」
「う~ん、まだだね。」
「おばあちゃん、まだ?」
「もう少しだね。」
ちいチャンは、毎日おばあちゃんに聞きます。
柿は、袋の中で少しずつ、渋みが甘みに変わって来ています。
おばあちゃんの、食べ頃サインが出るのももうすぐです。

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