ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(80)演歌をかけながら八百屋さんが来る

2017年02月15日 18時31分19秒 | 日記

ちいチャンの町に、1週間に1度八百屋さんが来ます。

小さなトラックに野菜を積んで、音楽をかけながらやって来ます。

音楽は、演歌です。

ちいチャンのおばあちゃんや、近所の人たちは、演歌音楽が聞こえ

て来ると、

「八百屋さんが来たね。」

と、言って、財布を持って家から出て行きます。

八百屋さんは、道端にトラックを止めて、演歌は流したままにして

おきます。

音楽がかかっている内は、八百屋さんがまだそこに居ると分かる為

です。

八百屋さんは、野菜ばかりではなく、豆腐や油揚げ、納豆など、日

常の食品も積んで来ます。

そして、おばちゃん達は、お目当ての物がなかったりすると、今度

来る時に持って来てね、と頼みます。

ちいチャンの町では、お盆になると、仏壇にスイカを供えます。

八百屋さんは、そんな町の習慣も知っていて、お盆近くの週には、

スイカや切り花なども積んで来ます。

おばあちゃんは、夏の頃、ナス漬けを作る為に、小ナスを1㌔頼ん

でいました。

町の人たちは、毎週来るこの八百屋さんを、楽しみにしています。

 


Play back ちいチャン物語(79)エンピツ削りで怪我をしたシュン君

2017年02月15日 18時31分19秒 | 日記

ちいチャンの友達のシュン君が、ちり紙で右手の親指を押さえ、

困った顔をしています。

見ると、ちり紙に血がにじんでいます。

「どうしたの?」

ちいチャンが聞くと、シュン君は、

「このエンピツ削りは、本当に削れるのかと思って...。」

と、言いながら、ちり紙をはずして、ちいチャンに親指を見せま

した。

見ると親指は、ぱっくりと切れて、血がじゅわじゅわと出ていま

す。

(大変だーー!)

ちいチャンは、びっくりして大人の人を呼びに行きました。

シュン君は、慌てて飛んで来た大人達に、急いで連れて行かれました。

サイコロ飴より小さいエンビツ削りだったので、シュン君は、

(本当に削れるのかなぁ。)

と、心配に思ったようでした。

シュン君は、試してみようと思い、親指でエンピツ削りの刃を押

したんだ、と言いました。

ひとり残されたちいチャンの側には、血のついたエンピツ削りと

、ちり紙がありました。

(大丈夫かなぁ。)

ちいチャンは、とても心配です。