ちいチャンの家の物置は、家の中にありました。
台所と続いていて、ひとつの部屋になっています。
床は、コンクリートです。
漬物の樽や重石、クワなどの作業用品、味噌などが入っています。
その物置の天井上に、部屋がありました。
おもちゃの部屋みたいな小さな部屋です。
その部屋は、台所の方からハシゴを掛けて上ります。
普段はその部屋は、何にも使われていません。
ちいチャンは、台所から見える物置の上の、
この小さな扉がいつも気になっていました。
(入ってみたいなぁ、見てみたいなぁ。)
でも、ひとりでハシゴを掛けて上るのは危ないと思いました。
ある日、
そんなちいチャンを見て、おばあちゃんが、
「上ってみるかい?」
と、ハシゴを掛けてくれました。
おばあちゃんが、ハシゴをしっかりと支えてくれているので、
安心して上れました。
小さい扉を開けて部屋に入ると、
そこは、隠れ家にしたくなる様な小さな部屋でした。
小さな窓が明かりを取り入れてくれています。
布団が2~3枚くらい敷ける様な広さでした。
でも、天井までの高さが無く、
小さいちいチャンでも、頭が天井にぶつかってしまいます。
腰を低くして歩かなければいけません。
ちいチャンは、
(天井が低すぎて、この部屋では遊べないなぁ。)
と、思いました。
ハシゴを下りると、おばあちゃんが、
「この部屋は、昔いた女中さんの部屋だったそうだよ。」
と、言いました。