ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(26)夏の訪問者

2016年12月06日 18時51分52秒 | 日記

ある夏の日、

ちいチャンの家の中に、巨大な黒いトンボが入って来ました。

トンボは、開け放した縁側の、一番奥の部屋からスイ~~~~~~っと飛んで

来て、ちいチャンの目の前をまっすぐに通り過ぎ、どこにもぶつからずに、ま

たスイ~~~~~っと玄関から出て行きました。

あまりに巨大なので、ちいチャンは、思わず逃げそうになりました。

至近距離10センチ。

玄関から出て行った時は、

(あ~、良かった~、恐かった!)

と、思いました。

後になって、それは、「オニヤンマトンボ」というのだとわかりました。

男の子たちが、とても欲しがっているトンボのようでした。

それから、また別の日の夜、

ちいチャンが外にあるトイレに行こうとすると、門の外灯の灯りに誘われて、

大きな虫が、羽音をさせて飛んでいる時があります。

それはカブトムシだったり、クワガタムシだったり。

カブトムシは、門にぶつかって下に落ち、仰向けになって手足を、モジャモジ

ャと動かして、起き上がれないでいたりします。

ちいチャンは、おばあちゃんを呼びに行きます。

「おばあちゃーん!変な虫が落ちてるよー!」

おばあちゃんは、カブトムシをつまむと、庭の木の枝につかまらせてあげました。

翌朝、ちいチャンが庭の木を見ると、カブトムシはいなくなっていました。

(山に帰ったんだな~。良かったな~。)

ちいチャンは、家の裏の山を見上げました。

コメント
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