・朝起きると、車の上には雪が5cm以上もはらりと積もっている。こういう雪のときは窓ガラスは凍らない。しかし、そろそろ起床してからの最初の仕事が”雪はね”という時期になりそうである。
・午前中、会議室にて閉じこもっての1時間ほど打ち合わせ。ようやく一連の作業が完了。ようやく解放されたところで、トドマツ標高別の解析に戻る。結局、低標高植栽と高標高植栽に分けるか、ということで元に戻るが、730mの扱いが相変わらず厄介である。おそらく、ネズミとか風害の”想定外の”要因で異様に生存率が悪いために、かえって930mや1100m植栽よりもパフォーマンスが低い。
・あれこれと操作してみたものの、主観的に低標高と高標高を区別してしまうところがどうしても気に入らない(そもそも、どういう風に区分するのがいいかを調べたいわけだし・・・)。ということで、種子産地、標高差を説明変数にしつつ、さらに植栽地も要因として入れてしまう技を考えついた。こうすると、各植栽標高別に推定値が計算される。
・相変わらず、730mが変な挙動を示すのは文章として説明すればいいとして、このモデルの方がすっきりと結果を見せることができそうだ。生存率からみれば、530m以下と730m以上には圧倒的な違いがあり、樹高成長からみれば、730mはちょうど中間に入るといったところである。これをどう解釈するかが問題だが、いずれにしても700m付近の標高の取り扱いは注意が必要ということにはなるだろう。
・と、もう一つの審査D論が届いて、現実世界に引き戻される。そうでした、これもちゃんと読まないといけないわけで・・・。試しに、100ページを超える英文を2冊を小脇に抱えてみると、軽くめまいが。
・午後にOBのKさんが訪ねてきてくださった。このお方こそ、トドマツ標高別試験地の仕掛け人である。ちょうど解析していたところだったので、「これ幸い」と細かいところを色々とお聞きする。開芽時期には種子産地による明瞭な違いがなかったというのは間違いないらしい。なるほど、生に近いデータも公開されていて、2年生時点では、4月30日からの起算日数が530m産の11.6日に対して、1100m産で11.8日である。
・しかし、「冬芽形成は早かったかも」というお話も伺う。データはと見れば、冬芽形成は530m産の33.9日に対して、1100m産では29.2日となっている。生育期間でも530m産の53.3日に対して1100m産が47.9日となっており、高標高産の次代苗の方が明らかに短い。ということで、生育期間が一因とする論旨には問題がなさそうである。
・ところで、重大なことに気がついたのだが、これまで交雑試験地に使用された高標高母樹の自生標高を1100mと呼んでいたのは、実は1100mと1200mの両方が混じっていたことが判明。っていうか、科研報告書の記載が間違っとる。危ないところであった。交雑に使用した母樹については、樹木園と東山に接木苗セットがあるということで、F2を作出できる可能性が出てきた。しかし、花粉親については残念ながら接木しなかったらしい。これは、少々残念である。
・それにしても、こうして先輩方の素晴らしい偉業のおかげで、面白い論文が書けるわけなので、本当に感謝しなくてはいけない。美唄のKさんではないが、果たして自分が何か将来の後輩たちに何を残せているのか・・・、反省する年の暮れである。