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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

再建築

2007-12-19 | 研究ノート
・Iくんから窒素や葉面積などの解析結果が送られてきた。頃合やよし、ということで、それを元にトドマツ交雑論文を改訂する。赤を入れていくとイントロも想像以上に大きく変更することになった。イントロの第一パラグラフはようやくタイトになり、だいぶん満足である。考察も構成を大きく変更。随所に、昨日紹介した論文も引用した。

・英語の論文の場合、慣れないうちは、一度書いた文章をなかなか壊せなくなってしまうものだが、1週間くらい時間が経つと自分の文章の粗が見えてくる。叩き壊しては再構築することが肝要である。午後3時過ぎに改訂作業がひとまず完了。Iくんに送信し、今後のスケジュールを決める。年末までに草稿が完成する希望的観測。



・夕食時の晩酌のつまみにチコリーが登場。この野菜、そのまま食べても瑞々しいのだが、イクラをのせて食べると絶妙である。アボガドとわさびを乗せてもいけそう・・・。天心農場というところで栽培されているそうな。新しい味、発見である。

Kitzmiller (2005) Forest Science発掘

2007-12-18 | 研究ノート
・今年度は、27日から店じまいの予定である。ということで、考えてみれば、職場に来るのは、あと4日しかない。あたふたと、出張命令とか年末の休暇届など、事務的処理を済ませる。

・再び標高別の関連論文集めを行う。coniferとelevationとcommon gardenなどで検索するよりも、coniferの代わりにpinusとかabiesといった属名を入れた方がうまくヒットすることが分かった。seed transferなどで探してみると、標高域で種子配布区域を制限した方がいいとする考え方はアメリカやヨーロッパではかなり古くからあるらしいことが分かってきた。

・集めた論文の中では、Kitzmiller(2005)によるポンデロサマツの産地試験に関する論文が参考になりそうだ。場所は北カリフォルニアのシエラネバダ山脈で低標高(といっても1000m)と高標高(1500m)の2サイトで、いくつかの地域や標高域を含んだ17産地によるProvenance試験を行っている。低標高では自生苗がいいパフォーマンスを示すが、高標高域ではむしろ移植苗の方がいいパフォーマンスを示している。

・トドマツでは低標高でも高標高でもいずれも自生苗がいいパフォーマンスを示しているので、結果としては逆である。頭で考える限りでは、高標高域こそ自然選択が厳しいので、自生苗の有利性が発揮されそうなものなんだが、カリフォルニア全体がマイルドだからなのであろうか・・・。この論文の最後では、種子配布区域について考察を行っているのだが、高標高サイトにおける移植苗のパフォーマンスの良さからか、少々、どっちつかずの結論となっている。

・論文のイントロでは、種子配布区域と標高の関係に切り込んだ先行研究も紹介されており、非常に参考になりそうである。北カリフォルニアの場合、緯度よりも標高の方がより厳しい種子配布区域を設定すべきという考えがあるそうで、ポリシーとして地理的距離で80kmなのに対して、標高では152mでゾーニングするというポリシーが一般的となっている(現実的には守られていない、のか??)。ともかく、かなり詳しい種子配布区域のマップも掲載されており、各国の事情の違いが分かって面白い。

・この論文の考察では、低標高のサイトでは早期(5年生)のパフォーマンスと25年目の結果は非常に相関が高かったが、高標高では5-12年生の結果と25年生の樹高成長はかなり異なり、20年生と25年生では似ていたことから、20年以上の長期研究が必要だという結論が導かれている。これは、トドマツ標高別でも使えそうなロジックである。この原著となっているConkle(1973)Forest Scienceの古い論文も集める必要があるねえ、これは・・・。

モデル選択

2007-12-17 | 研究ノート
・朝起きると、車の上には雪が5cm以上もはらりと積もっている。こういう雪のときは窓ガラスは凍らない。しかし、そろそろ起床してからの最初の仕事が”雪はね”という時期になりそうである。



・午前中、会議室にて閉じこもっての1時間ほど打ち合わせ。ようやく一連の作業が完了。ようやく解放されたところで、トドマツ標高別の解析に戻る。結局、低標高植栽と高標高植栽に分けるか、ということで元に戻るが、730mの扱いが相変わらず厄介である。おそらく、ネズミとか風害の”想定外の”要因で異様に生存率が悪いために、かえって930mや1100m植栽よりもパフォーマンスが低い。

・あれこれと操作してみたものの、主観的に低標高と高標高を区別してしまうところがどうしても気に入らない(そもそも、どういう風に区分するのがいいかを調べたいわけだし・・・)。ということで、種子産地、標高差を説明変数にしつつ、さらに植栽地も要因として入れてしまう技を考えついた。こうすると、各植栽標高別に推定値が計算される。

・相変わらず、730mが変な挙動を示すのは文章として説明すればいいとして、このモデルの方がすっきりと結果を見せることができそうだ。生存率からみれば、530m以下と730m以上には圧倒的な違いがあり、樹高成長からみれば、730mはちょうど中間に入るといったところである。これをどう解釈するかが問題だが、いずれにしても700m付近の標高の取り扱いは注意が必要ということにはなるだろう。

・と、もう一つの審査D論が届いて、現実世界に引き戻される。そうでした、これもちゃんと読まないといけないわけで・・・。試しに、100ページを超える英文を2冊を小脇に抱えてみると、軽くめまいが。

・午後にOBのKさんが訪ねてきてくださった。このお方こそ、トドマツ標高別試験地の仕掛け人である。ちょうど解析していたところだったので、「これ幸い」と細かいところを色々とお聞きする。開芽時期には種子産地による明瞭な違いがなかったというのは間違いないらしい。なるほど、生に近いデータも公開されていて、2年生時点では、4月30日からの起算日数が530m産の11.6日に対して、1100m産で11.8日である。

・しかし、「冬芽形成は早かったかも」というお話も伺う。データはと見れば、冬芽形成は530m産の33.9日に対して、1100m産では29.2日となっている。生育期間でも530m産の53.3日に対して1100m産が47.9日となっており、高標高産の次代苗の方が明らかに短い。ということで、生育期間が一因とする論旨には問題がなさそうである。

・ところで、重大なことに気がついたのだが、これまで交雑試験地に使用された高標高母樹の自生標高を1100mと呼んでいたのは、実は1100mと1200mの両方が混じっていたことが判明。っていうか、科研報告書の記載が間違っとる。危ないところであった。交雑に使用した母樹については、樹木園と東山に接木苗セットがあるということで、F2を作出できる可能性が出てきた。しかし、花粉親については残念ながら接木しなかったらしい。これは、少々残念である。

・それにしても、こうして先輩方の素晴らしい偉業のおかげで、面白い論文が書けるわけなので、本当に感謝しなくてはいけない。美唄のKさんではないが、果たして自分が何か将来の後輩たちに何を残せているのか・・・、反省する年の暮れである。

聖劇とwiki

2007-12-16 | その他あれこれ
・幼稚園での”聖劇”を観にいく。カトリック幼稚園なので、毎年、イエス生誕の劇を行うのである。1年ぶりにドイツから戻って園長先生を久しぶりに拝見して、お話を伺う。思ったよりもお元気そうで一安心。園長先生のお話は、不思議と心地よく耳に残る。今年の聖劇で、子供は鳥の役だったのだが、台詞を大きな声で言っていたのに感心。去年は大勢の羊の役で、メェーメェーしか台詞がなかったのから比べると、いつの間にやらずいぶんと成長している。

・メールをチェックすると、Current GenomicsなるジャーナルからInvitation letterが届いている。どうやら新しく創刊した雑誌が原稿を探しているようだ。自動的に配信されるんだろうが、フリーの論文を見てみると、どう考えても当方とは関係なさそうな論文ばかりである。

・トドマツ標高別の解析、再び。標高の方向性、つまり上に移植するときと下に移植するときでは効果が異なるだろうということで、それも要因に加えてみる。いかにも引っ掛かりそうなlmerも、今のところは問題なく稼動している。生態学会以来の見直しなんだが、今更ながらKさんのコードの意味を理解したり・・・。

・投稿論文執筆講座にゲスト参加してくれたIさんのホームページがあまりにも素敵だったので、触発されて久しぶりにWikiで作った自分のページを更新してみる。写真の圧縮の仕方とか、添付の仕方などがまだまだぎこちないが、さすがwikiだけに、TVでフィギュア・スケートを見ながらどたばたやっていると、ようやくwikiのルールが分かってくる。最近は、RやTexでコードを書くことが増えたせいか、あまり抵抗はなくなった。wikiは本当に簡単で便利だ。ただし、本気でやろうとすると、物足りなくなるんだろうねえ・・・。

メガ

2007-12-15 | その他あれこれ
・朝、子供を車に乗せて送る途中で、あやうく左から来た車と衝突しそうになった。見たつもりが左側から疾走する車に気がついていなかった。幸い、何もなかったからよかったものの、”つもり”運転はダメだ。気を引き締めて運転しなければ・・・。雪道運転は見通しが悪いことがあるので、皆さんもぜひ気をつけて。

・トドマツ標高別論文の図を作成。再び、Rを用いた解析を最近は結構やっている。例によって細かいところでつまづいてしまう。”エクセル的”な棒グラフって描くのはどうやるんだろうか・・・。plotのtype="h"だと線になってしまうし。



・昼過ぎにバスケットのクリスマス・ボーリング大会のための景品を購入しに、スポーツ店へ。包装もしていただけることになり、一件落着。値段も手ごろで、しかも自分でもほしいものばかり。これは当日が楽しみである(盛り上がりそう・・・)。フォーレストまで歩いていくと、マックの看板が目に入る。相変わらず、メガ商品が売れ筋らしい・・・。しっかし、どうやって食べるんだ、あれ。

降りしきる雪

2007-12-14 | 研究ノート
・はらりはらりと雪が積もっている。静かだ。それにしても、今年は雪が多そうだ。昨日に引き続き講義準備。プレゼンの方も修正する。さすがに何年間かやっていると、それなりの蓄積があり、こちらは使いまわせるものも多い。タネの実験だが、エゾマツを加えると背の高さから投げても滞空時間が異なることが実感できそうである。種によるサイズの違いとその意義などを考えさせることにして、何となくやりたいことが固まってきた。

・昨日の査読。いきなり方針が固まり、完了。我ながら早い。要するに、過去の経緯(?)とかをばっさり切り捨てさせればいいんだ、ということに気がついたのは大きかった。ということで、査読結果の作文をしてしまえば後はOKである。

・昨日に引き続き、11時ごろからトドマツ標高別論文のアイデアを練る。昨日の打ち合わせどおりに進めてみると、なぜか書き出しが辛かった(?)のだが、何とか進めることができた。いったん進み始めればこっちのもんで、すらすらと書いて3パラグラフで完了。そうか、この論文はこんなにすっきりした論旨でよかったのか・・・。自分で穴を掘って、出られないよう・・・と言っていたようなもんである。

時系列データの解析

2007-12-13 | 研究ノート
・ブナの開芽データがまとまったということで、Tさんから送られてきた。フェノロジーデータは時系列的に変化していくのでかなり扱いにくい。開芽初期日などの起算日数データをどう扱うかということでIくんと相談。二項分布で解くのか、なるほどねえ。しかし、データフォーマットはこのままではダメだということで、まずはデータフォーマットの作成から・・・。結局、Iくんの手を煩わせてしまって、何をやっているんだか・・・。開芽するかしないかを決めるのは、緯度だけではなくハプロタイプやクレードが必要だというのは間違いなくいえそうである。

・午前中、1月11日の講義準備。8日にD論審査があるので、もう準備しないとだめだ(この前、前回の講義が終わったばっかりなんだけど・・・)。3年生向けなんだが、毎回、モチベーションが低い学生を相手に苦労しているので、今回は飽きさせないための努力をする。講義途中にプリントをやらせて、それを回収して出席を同時に取るというK氏の素晴らしいアイデアを頂くことにする。問題は何をやらせるかということなのだが、ちょっとした計算問題と、全く異なるタネを見せて「飛翔の仕組み」を考えさせるような2種類のものにしようかと思っている。うまく機能するかどうかは全く分からんわけだが、はたして・・・。

・いつまで経っても飛び込み仕事が減らない。といっている間に、ナゾの英訳と査読依頼がまたもや・・・。写真の説明文を英訳せよ、との宿題なんだが、絶望的なくらいフレーズが浮かばない。直訳してはいかんのだが、それにしても・・・。査読はというと、チラッと眺めるもなぜか取り組む気になれん。2,3日放置して一気にやろう。11時ごろからトドマツ標高別の本体の論文の構想練り。とりあえず、イントロを和文でひたすらに書きなぐっていく。うーむ、この論文はどうしてこう進まないんだろうか、生態学会での発表から新しい結果が得られたわけではないんだが・・・。

・午後からIくんと”それぞれの論文の構想を発表して互いにこき下ろす”、という自虐的(?)な打ち合わせ。言えることは、自分の論文だとどうしてこう見えなくなってしまうのか(特に、当方の場合・・)ということであろう。しかし、本格的に書き始める前に、こうしてディスカッションできるのは非常に有難い。説明しようとしてモタモタしているうちは、要するに「よくない」流れがあるわけで、自分でも辛い流れなんだなあというのがよく分かる。これが一人だと変な方向に突っ走ることもあるわけで、話をするってことは大事なんだよねえ・・・。

CD購入

2007-12-12 | その他あれこれ
・午前中、ひたすら会議室に缶詰状態。11時ごろにようやく任務完了。昨晩と早朝に修正し始めていたトドマツ交雑論文の修正続きを行う。何とか12時直前に終了し、Iくんに引渡しと説明。もう少しタイトにしていかないといけない部分と足りない文献などを確認。

・午後から研修報告会。日本最北の地から鹿児島まで、皆さん、日本津々浦々に出かけていたようで、内容も実に多彩である。それにしても、みんなプレゼンがうまいねえ。ちゃんとオチまでつけてあり、大したもんである。他大学の演習林の動向や内情も知ることができ、色々と勉強になる。

・6時からバスケットの役員会を開いて、次期役員について相談。大体の方針が固まったので、後は役員候補に打診する必要がある。後は、クリスマスのボーリング大会、新年度の練習試合、団員募集についてそろそろ考え始めないといけないねえ・・・。Greeeeen(eは何個だっけ・・・?)といきものがかりのCDを購入。どちらもなかなかいいアルバムである。

氷漬けサンプル

2007-12-10 | フィールドから
・午前中、業務打ち合わせ。色々とぎりぎりとした仕事が年末は立て込んでいる。パンフの英語分担なども同時並行的に進める。何とかお昼前に打ち合わせは終了。明日は本番である。本番前の準備で、K先生に仕事を押し付けたと思ったら、見事にリターンエースを決められた感じ。このへん、剣道の試合にも似ている・・・。



・Iくんを迎えてトドマツ交雑論文の打ち合わせ。今回はまさかサンプリングはないはずだったのだが・・・。現在のサンプリングでは、標高差と母樹間差を分離できないのでまずい、しかし、やっぱりこの解析はあった方がいい、さらに、やるなら今日サンプリングするしかない、というどこかで聞いたことのあるような展開に・・・。3時過ぎから出かけるが、3個体ほど取ったところで雪にはまってしまい、らちがあかないことに気がつく。距離が近いのを幸いに、樹木園までスノーシューを借りにいく。

・都合よく作事場にいたOさんにも手伝っていただいて、65個体のサンプリングをなんとか時間内に完了。4時過ぎには既に薄暗く、もはや野外作業の限界ぎりぎりである。サンプルは氷漬け状態。このまま発砲スチロールにいれて宅急便で送れば、まさしく、お歳暮的な風情をかもし出すであろう。今度こそ、サンプリング戦略は正しい(はず)。仕切りなおしで勝負である!

3・4年生大会終了

2007-12-09 | その他あれこれ
・バスケットの3・4年生大会に上富良野へ。会場に着いたはずが、全くその気配がなく、小学校をぐるりと回ってしまう。結局、到着時間が早すぎた上に、微妙に入り口を間違えていたわけであった。10時から、N御料地Bチームとの対戦。Bチームだから勝てるかもという淡い期待を抱いていたが、冗談じゃないくらい強い(実はAとBはどちらも同じくらい強かったことが後に判明・・・)。

・当Fチームも後半になって、初得点をあげるも、力の差はいかんともしがたく30vs6で敗戦。11時からは、次の対戦相手である強豪N山チームと超強豪Nチームが激突している。強豪N山チームも十分強いのだが、超強豪Nチームは(よく考えたら全部Nチームだ・・・ややこしい)オールコート・マンツーマンで容赦なく攻め立てて、ほとんどボールが自陣地に渡らないくらい。ちょっと大人気ない(っていうか、子供だけど・・・)くらいの展開となったが、ようやくN山が最後にワンゴールを返して、観客はほっとした雰囲気。

・お昼はちょいと抜け出して、上富良野のそばや「まん作」へ。少し透明がかった細めんはのどごしもさわやかで、やはり「間違いない!」。ここのところ、痛い失敗が多かっただけに、1年ぶりに旨いそばを頂いていると、とても幸せな気持ちになる。田舎そばも、ここのヤツはいける。

・午後からN山チームと対戦。1回戦とはうってかわって、いい動き。前半2Qまでは低得点同士で追いすがる展開であったが、3Qからはじりじりと離され、終わってみれば30vs8で敗退。まあ、エース不在だったし、みんな始めてから1年ということを考えれば、十分今後に期待が持てる試合である。この緊張感を忘れないで練習してくれるといいんだけどねえ・・・。