健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

高齢者の死亡率

2013-10-16 08:30:14 | 研究
景気が良ければみんな長生きするとは限らず、先進国の高齢者では景気が良くなるほど死亡率が上昇するという研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。長期的には経済が繁栄すればすべての年代で死亡率が下がり、特に高齢者の死亡率の低下によると考えられていますが、短期的な景気変動を見た場合、様相は違うというのです。研究は、日本や米国など19の先進国について、1950~2008年の経済成長データと死亡率の関係を分析。先進国の多くは現在不況下にあり、このことが高齢者の生存にマイナス影響を与えているという仮説を立てたそうです。その結果、国内総生産(GDP)の上昇1ポイントにつき、70~74歳の死亡率が男性では0.36%、女性では0.18%上昇していたというのです。一般の認識とは相反する同様の傾向は、すでにより若い世代については知られていたそうです。今回調査の40~45歳の死亡率では、GDP上昇1ポイントにつき男性が0.38%、女性が0.16%増えていたそうです。こうしたより若い世代については、好況時の仕事増によるストレスや雇用増による交通事故などに原因があるとされてきたそうですが、、こうした要因は退職後の高齢者については当てはまりません。したがって、高齢者の場合についてはまだ説明ができず、さらに研究が必要だとも。仮説としては、好況時には若い家族親戚や友人の労働時間が長くなり、高齢者と付き合ったり世話をする時間が減るといった社会構造の変化が原因とも考えられるそうです。また景気拡大期に増える大気汚染が、より虚弱な高齢者の健康を害するのが一因とも。さて、本当のところは・・・・・。
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