回文は行く その四千二百九十二

抱きついた身の苦楽呑みたい月だ

回文は行く その四千二百九十一

信濃路も月白敷きつ文字のなし

回文は行く その四千二百九十

さるすべりゆ舌満たし百合部する

回文は行く その四千二百八十九

八月や強欲擁護奴が血は

回文は行く その四千二百八十八

神鹿か問うと弟書く論旨

回文は行く その四千二百八十七

帰燕らしハタと寝とたは知らん駅

回文は行く その四千二百八十六

酢で鯛は締めたイタメシ歯痛です

回文は行く その四千二百八十五

蝉の血だ貴様つま先立ちの店

回文は行く その四千二百八十四

閉会か蝉が性見せ開会へ

回文は行く その四千二百八十三

大胆に買い過ぎ西瓜忍耐だ

回文は行く その四千二百八十二

回数は馴染めん地面這う西瓜

回文は行く その四千二百八十一

右蹴らし西瓜破壊すシラけ気味

回文は行く その四千二百八十

見せる間だ咄嗟にさっと黙る蝉

回文は行く その四千二百七十九

塗り窓と蝉が自我見せ留まりぬ

回文は行く その四千二百七十八

敗戦時白髪出涸らし人生は