
尺璧非寶 寸陰是競
資父事君 曰嚴與敬
孝當竭力 忠則盡命
臨深履薄 夙興溫凊
似蘭斯馨 如松之盛
千字文(中国の1,000の異なった文字からなる韻文)(4文字/1句×250句)のうち、59番~68番の10句を書きました。
お手本はネット上にアップされている松本芳翠先生の「草書千字文」(こちらは8文字単位)です。
半切に40字のものは、これで3枚目の挑戦になります。
40字、半切の作品としては、ちょっと多すぎるのかもしれませんし、
しんどくもありますが、その分草書の勉強になりますので、あえて書いています。
初めての草書として、芳翠先生の「草書千字文」にチャレンジさせていただいたのが、去年5月ごろ。
その当時、草書の読み書きは殆ど出来ませんでした。
その後、この千字文の8文字や変体仮名での練習などとあわせ、枚を重ねるごとに、
「ああ、こんなものか」と思えるところも少しは増えてきたかな、と。
Wikisourceさんによる解釈を下に掲載させていただいていますが、
父母と主君、深と薄、溫と清(原文は二水 冷たいの意)、蘭と松など、
結構対句のような文字が並んでいるようです。
一尺の玉(ぎょく)宝にあらず 寸時を惜しめこれ競え追え
父と同じに君に仕える これ尊厳と敬愛をいう
父母に孝行力のかぎり 主君に忠義命をつくす
臨臣は仕えて恐れ慎み 孝子は気遣う親の暮らしを
蘭の香りに似るを目指して 松の茂るがごとく栄える
父と同じに君に仕える これ尊厳と敬愛をいう
父母に孝行力のかぎり 主君に忠義命をつくす
臨臣は仕えて恐れ慎み 孝子は気遣う親の暮らしを
蘭の香りに似るを目指して 松の茂るがごとく栄える
一字を書くだけでも大変なのに、よくもこれだけの字をこのようにバランス良く、しかもどの字を見ても力強さと流れの良さに感心しました。
ただ、一行14文字の多くを書いても全くバランスを崩さず、全体が見事な作品になっていることに驚きです。
「尺」と「璧」のように字画が極端に違う文字を並べても美しく収まる、その技術は素晴らしいです。