藤原行成の「書状」(私的な手紙)を臨書させていただきました。(半切1/3大)「和様の書」(2013年特別展に伴い発行 東京国立博物館など編集)からです。他人様の手紙を臨書したくなるなど初めてのことであります。現存する行成の手紙としては唯一のものとのことです。・・謹言自去春来偏思赴鎮而公私有難抛之事等蹔逗留之間俄奉勅命献五節舞姫相次期明春進發之處忽蒙朝恩不慮昇進雖疎遠之輩一接言談庶為礼為義来賀有数況 . . . 本文を読む
つい先日民放のケーブルテレビで「源氏物語」関連のドラマを何気なく見ていました。劇中バックの画面に、この白氏詩巻と(勝手に)見えた書道の額がぼんやりと見え、オオっと思い次の画面に注目してましたら、明らかに「白氏・・・」と書かれた書物を読んでる画面がアップされていました。当時の平安貴族の間では、白楽天(白居易)の詩歌が好まれ、源氏物語にも白氏の長恨歌が引用されているとは聞いていました。今回あらためて調 . . . 本文を読む
高砂の松も昔になりぬべし なほ行く末は秋の夜の月 寂蓮法師(堂可佐こ能満つも舞閑し尓な利ぬ邊し 那本ゆ倶春衛盤阿支のよ濃徒き)高校時代の書道の時間で習い、何故か覚えていた歌2首の内の1首です。もう1首、式子内親王の歌(山深み・・・)は先に(2024.4.1)アップしました。何故、この2首だけを覚えていたのか、記憶は定かではありませんが、今思えば、おそらく課題かなにかで、何回も書かされたからだ . . . 本文を読む
山深み春とも知らぬ松の戸に 絶え絶えかかる雪の玉水(半切大)式子内親王の御歌を書きました。実はこの歌、高校時代の書道の授業で書き、何故か今に至るも覚えていた歌2首の内の1首です。字体は当時と違うと思いますが、往時に立ち返り、60余年ぶりの挑戦です。国語の授業で習った歌は全く覚えていないのに、書道の授業というところがミソであります。(因みに覚えていたもう1首は、高砂の松も昔になりぬべし なほ行く末は . . . 本文を読む
序破急と書きました。(縦半切1/2大)下記補記の最後の要約で紹介させていただいているクロード・レヴィ₌ストロース氏(世界的に有名な社会人類学者)の著書で知りました。氏は日本文化にも造詣が深く、嬉しくなるような誉め言葉が一杯出てきます。日本の雅楽についても、「そのリズムにおいて、曲の中に『序・破・急』があり、訴えたり憂いを帯びたりする感情をゆさぶる音楽になっています。」とされています。webサイト幻 . . . 本文を読む
秘すれば花なり父・観阿弥の跡を継ぎ、能を大成させた世阿弥の言葉です。(半切1/2大)齋藤孝先生は、世阿弥のこの言葉について次のように解説しておられます。“「花」とは舞台の見せ場、さわりであり、観客が面白がるということだ。客の好みは千差万別だ。相手と状況に応じて打つ手を変えろ、工夫の秘密を悟らせるな、わからないように趣向を変化させよ、というのが世阿弥から後継者へのアドバイスだ。したがって . . . 本文を読む
夢幻泡影と書きました。(縦半切1/2大)“むげんほうよう”とも読むようです。いずれの四文字も消えてしまうことから、人生の儚さを表す熟語とのことです。信長が出陣するとき舞ったとされる幸若舞の「敦盛」が有名です。『・・・人間(じんかん)五十年、化天(けてん)のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり一度(ひとたび)生(しょう)を受け滅せぬもののあるべきか・・・』歴史専門サイト[レキシル] . . . 本文を読む
雲外蒼天と書きました。(縦半切1/2大)雲が無くなれば、蒼い(青い)空が拡がっているぐらいの意で、“苦労の後にはいいことがある”との励ましや再チャレンジの言葉となっているようです。シェークスピアの“嵐の中でも時は経つ”や一休禅師の“心配するな 何とかなる”にも通じましょう。書道としては久しぶりに漢字を書きました。去年の正月以来 . . . 本文を読む
(雪の降りけるを見て詠める)雪降れば木ごとに花ぞ咲きにける いづれを梅とわきて折らまし 友則(53cm×22㎝)(画像処理にてカラー等調整)高野切第一種と同じ筆者とされる大字和漢朗詠集切の拡大臨書を続けております。和漢朗詠集(本体)の“冬”の“雪”の項目の、「みよしのの山の白雪積もるらし・・・」(2023.12.18付拙ブログ)に続く一 . . . 本文を読む
み吉野の山の白雪積もるらし 故郷寒くなりまさるなり 是則(55cm×22㎝)(画像処理にてライト・カラー調整)高野切第一種と同じ筆者とされる「大字和漢朗詠集切」の拡大臨書を続けています。出典では“奈良の京にまかれりける時にやどれりけるところにてよめる 坂上是則”との詞書から入っているとのこと(京は都)で、大方の歌意は “今ごろ吉野の山には雪が積もって . . . 本文を読む
しらつゆもしぐれもいたくもるやまは したばのこらずもみぢしにけり 白露も時雨もいたくもる山は 下葉残らず紅葉しにけり 貫之 (60㎝×23㎝)本歌出典の大元は古今和歌集の“もる山のほとりにてよめる白露も時雨もいたくもる山は 下葉残らず色づきにけり 貫之”とのことで、滋賀県の守山と雨露が洩るとが掛詞になっていると。 先ずもって何故「伝 藤原行成筆 大字和漢朗詠集 . . . 本文を読む
高野切第一種巻第二十、最後の歌の拡大臨書です。(35㎝×50㎝)古今和歌集全体としても最後の歌(1100番歌)となります。冬の賀茂のまつりの歌藤原敏行朝臣ちはやぶる賀茂のまつりの姫小松 万世(よろづよ)経(ふ)とも色は変らじ巻第二十冬の賀茂の祭りは“賀茂の臨時祭り”とも呼ばれ、辞典などによれば、“京都の賀茂神社で、4月の例祭の外に”11月 . . . 本文を読む
いせうたをふのうらにかたえさしおほひなるなしの なりもならずもねてかたらはむ伊勢歌麻生の浦に片枝さし覆ひ成る梨の 成りも成らずも寝て語らはむ3ヵ月ぶりの書道となります。高野切第一種最後の巻、巻第二十の拡大臨書を続けております。東歌の中の“みちのくにうた”、“さがみうた”に続いて、今回は“いせうた”です。古今和歌集全体でみれば1 . . . 本文を読む
高野切第一種の最後の巻 第二十の拡大臨書を続けています。大歌所御歌、神遊びの歌に続いて今回は 東歌(あずまうた)から2首を。東歌 みちのくにうたみさぶらい みかさとまうせみやぎのの このしたつゆはあめにまされり御侍 御笠と申せ 宮城野の 木の下露は 雨に勝れり(1091番歌)さがみうた こよろぎのいそたちならしいそなつむ めさしぬらすなおきにをれなみ小余綾の 磯立均し 磯菜摘む めざし濡らすな 沖 . . . 本文を読む
高野切第一種巻第二十の拡大臨書を続けています(半切略1/2大)前回は「大歌所御歌」でしたが、今回は「神遊びの歌」から2首を。(上記区分は和歌集の史料として重要視されている「定家本」による)神楽歌とりもののうたかみがきのみむろのやまのさかきばは かみのみむろにしげりあひにける神垣の 御室の山の榊葉は 神の御室に 茂りあひにける(1074番歌)ひるめうたささのくまひのくまがわにこまとめて しばしみづか . . . 本文を読む