初春令月気淑風和梅披
鏡前之粉蘭薫珮後之香
(半切大)
新元号は『令和』と発表されました。
いろんな方が所見を述べておられます。
「声に出し読みたい日本語」の著者 齋藤孝先生が読売新聞で
“上品で すがすがしい印象”とされたうえ、
“読み・意味・典拠の三拍子でよい”と述べられていますが、
さすが斎藤先生、これに尽きると思います。
恥ずかしながら自分には、“令”なる文字からは、
律令、法令、命令、あるいは令息、令嬢、令室ぐらいしかイメージできませんでした。
令月なる単語があることも今回初めて知りました。
明鏡辞典によれば、
“めでたい月、何事をするにも良い月 陰暦2月の別称 太陽暦の2月にもいう”と。
ネット上の情報では、皇太子様がお生まれになったのも2月・・・
そこまで考慮されたかどうかは勿論分かりませんが、結果として、重ね重ねに相応しく、おめでたいことかと。
またこの歌の舞台は大宰府とのこと。
郷里(佐賀県の東側)の近くで何度か訪れたこともあり、親しみと誇らしさを感じています。
今回の漢字は、主に松本芳翠先生のお手本(行書指針など)をベースに書きました。
出来が悪いのに勝手にお手本なんて、と先生に怒られるかもしれません。
次回はこの場の主人・大伴旅人邸の園で歌われた「梅歌」(仮名)を書いてみたいと思います。
[追記]
ここまで書いてオットット、アップ寸前のところで、家内も「令月」の生まれであることに気が付きました。
これからは家内への接し方も“崇め奉らわねば”、とちょっとだけでも思わせるから不思議な響きを持っているようです。
“上品で すがすがしい印象”で、“読み・意味・典拠の三拍子でよい”ですね。
書も、全般としても一字一字も、上品で堂々としていると思います。
教えていただいた「令月」、同居する家族3人全員「令月」生まれと気付き、勝手に喜びを倍増させました。