曙嶺移雲 松掛羅而傾蓋
夕岫結霧 鳥封縠而迷林
庭舞新蝶 空帰故雁
(半切大)
前回『令和』の典拠になった万葉集巻第五の梅歌の序文の関連部分を書きました。
今週は梅歌本体の方を書きかけていましたが、
前回書いた漢字部分の後の方に目をやると、
何やら日本の初春にふさわしい、のどかな情景の言葉が並んでおり、こちらを書きたくなりました。
今回も主に(半分ぐらい)松本芳翠先生の“行書指針”などをベースとさせていただきました。
ネット上の「新版 万葉集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫) 」によれば、
明け方の山の峰には雲が行き来して、松は雲の薄絹をまとって蓋をさしかけたようであり
夕方の山洞には霧が湧き起こり、鳥は霧の帳に閉じこめられながら林に飛び交っている
庭には春に生まれた蝶がひらひら舞い、空には秋に来た雁が帰って行く
とありました。
序文はもう少し漢字部分が続きますが、次回は梅歌(仮名)を書きたいと思います。
小学校の書道の時間に愛用した下敷きなどない白紙にバランスよく字を書くのはかなりのスキルが必要ではないか、など、恥ずかしながら、素人丸出しの感想を持ちました。