古稀からの手習い 水彩ブログ

人生の第4コーナー、水彩画で楽しみたいと思います

墨による奥行き感の練習 : 朝もやの松林

2016-03-07 06:33:21 | 墨絵(墨絵風 )
前々回の拙ブログ(2.22付)では、
富士山の手前にある雑木林を、主に墨を使って特にその奥行き感を意識して描いてみました。

その雑木林を松林にして描いたのが今回です。

幾層にも重なり、モヤの中で見え隠れする松林。
一本の松でも見えるところあり、暈けているところあり、
・・・これらを主に墨の濃淡・潤渇、大小・太細などで表現してみたくなりました。
紙は水彩紙、墨のほか透明水彩絵の具(紫系 白系)も少々使っています。

近・中・遠景の個々の松。
一応最初は不遜にも、京都御苑や京都・奈良の名立たる寺社の松を象(かたど)ることから始めたのですが、
筆が進むにつれて、それはもう、どれがどこの松か分からないようになってしまいました。

“墨による奥行き感”という概念、実は“書道”の練習中に教えられたことでした。
高木厚人先生の大字かなの教本に、書道における奥行き感のことが書かれています。
正直なところ昨年、はじめてこの教本を読んだ時はよく解りませんでした。
そこで今回、墨絵を通して奥行き感をやったあと、書の教本を読み直しました。

そこには、書としての奥行き感は、
全体としての紙面構成(文字や文字群の配置や余白のとり方など)のほか、
墨の濃淡・潤渇、大小・太細などが強調されていました。
書の方の理解も少しは進むかな、と思ったりしています。

ただ、今回の我が作をみるに、手前の松の配置など無造作に過ぎました。
上の書でいう“紙面構成”で失敗してしまいました。
“作品”とは呼べず“練習”とする所以であります。

水墨画で松林といえば、何と言っても
長谷川等伯(安土桃山時代の絵師)の「松林図屏風」(国宝 東京国立博物館蔵)。
私にとっては正に神。
こちらについても、いずれ書きたいと思っています。






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1 コメント

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Unknown (mori)
2016-03-07 07:09:18
「究める道の深まること際限なし」と言った感じですね。仰るとおり、手前の松の配置は構図的に一工夫の余地があるかと思いますが、林の深見と朝もやの感じは、木々の濃淡、大小等で見事に描かれていると思います。しかも墨だけだとは恐れ入りました。
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