今年初めての教室(新百合絵画クラブ 小玉精子先生 1月11日)です。
チューリップ、ユリ、菊などのほか新年らしく松も添えられていました。
色ではチューリップが目立ちますが、ある意味、この松が主役かもしれません。
昨年末モデルさんを描いたときは、正面からの描きにくさを痛感していましたので、
今回は右端に陣取り、左に曲線で伸びたチューリップを、そしてそこに出来る空間を
大事にしながら描きました。
描く対象が人物か静物かの違いはありますが、
どの正面から描くかは絵の構図を決める大事な要素だと思います。
主役かもしれない松、この凛とした表現には最も時間をかけたことでした。
トゲの部分は白のガッシュを使う案もありましょうが、
今回はマスキングインクを使ってみました。
ゆったり、どっしり、味わい深い花瓶・・・絵全体の重心です。
そして私なりに課題にしている“水を活かす”ことについてはバックでやってみました。
モチーフ本体の、赤と緑、黄色と紫など配慮された色の組み合わせに
呼応できるバックの色にしたいものです。
鉛筆での下描きの後、バックになる部分全体に水を置き、
予め準備した青、紫、青緑、白(コンポーズブルー、ミネラルバイオレット、
ビリジアンヒュー、チャイニーズホワイト)を、
色を乗せる部位に応じて、それぞれの比率を変えながら
パレット上で混色して描きました。
それもモチーフ本体部分よりバックを先に、です。
もちろん全体の色の配置を別の紙で確認した上で、であります。
子細に見ると、松葉の繊細さ、花瓶の立体感、バックの微妙な変化等々は流石だと感心しました。
正月の花を生ける時、松の処理が難しいと聞きます。この作品は正月の松ではなく音締めや背骨の役割を持たせているからその描き方は更に難しかったのでしょう、松葉一本一本に至るまで存在感を感じさせる力作だと感じました。