著者の年齢が40代になる前後に、昭和24年~30年(1949~1955年)にかけて継続的に芭蕉の足跡をたどった紀行文です。名声も地位もあった46歳の芭蕉が、何を考えて何故東北の旅に出ようと決意したのか?芭蕉の句の解説と同行人・曽良の旅日記も随所に検証して、奥の細道の虚構と事実をめぐって著者が旅をした。この時代は一人旅の中年男が珍しかったのか?旅館の対応が良くないと頻繁に出てくる。そして突然に女性の同行人が出てきて、何ぜ女性がついてきたのか?女性は誰だったのか?記憶にないという記述がある。これもまた奥の細道の虚構と現実の影響かもしれない。解説も紀行文も非常に読みやすい。漢字にルビがふってある。
いつも行くBook/Offで本書の下巻を見つけて読みだした。「面白いな」そうなると上巻も読みたくなってメルカリで購入した。上巻の文庫の中に折込広告とシオリになった映画の200円引き割引券が挟まったままだった。古本の棚を眺める楽しみは、今まで読んだこともない本を手に取って読みだしたら「ああ!いいなぁ」と思う。この感激は他のものでは、なかなか味わえないですよ!