music wind 

音楽を通してたくさんの人との出会いや心のふれあいをかいてます。

回想法

2007-08-08 21:09:31 | 今日の音楽セッション
特養でのセッション。

広島の歌を歌ってみよう!ということで”広島音頭”を歌い始めてかれこれ何ヶ月か経つ。みなさん知らなくて初めはきょとんと聴いていたが、毎回歌っていると大きな声で踊りも積極的になってきた。

今日も同じように歌って踊って終了し、次の活動へ入りかけたら、あるばあちゃまが、「あのねえ・・・」と私に手招きして話し始めた。

「この歌、私がまだ○○にいたときのお祭りで歌っていたよ~。お祭りには櫓をたててその上で大きな太鼓と締太鼓と三味線やら、ハーモニカやらを吹いてにぎやかだったんよ~。私もハーモニカを吹かせてもらって・・・」と思い出して含み笑いをしながら、嬉しそうに語ってくださった。その内容はとても具体的で聴いていても映像が見えるようだった。

もとから、お話好きなばあちゃまだが、自分から活動中に私たちに声をかけてまでは話をすることはあまり今までなかったので、よっぽど記憶が鮮明によみがえって、走馬燈のようにめぐっていたのだろう。そしてそのことを自分の中だけではなく、だれかに話したい!聴いてもらいたい!という気持ちが、「あのねえ・・・」と出たんだろうなあ。


回想法は音楽療法の中でもよく使われる。特に高齢者にとっては人生の歴史や思い出を語ってもらうことで、自分自身を振り返り、自己の人生を再評価することで、自尊心を向上させる効果がある。
             
音楽の凄いところは、何にもそこになくても昔の歌を歌ったり聞くことでその時代にタイムスリップ出来ることだ。そして瞬時にその時に感じた気持ちや感覚を呼び覚ましてくれる。

脳科学者の茂木健一郎さんがTVで言われていた言葉を思い出した。
『音楽ほど感情をインスタントにかえられるものはない』
ほんとそうだよなあ~。

きょうのばあちゃまは広島音頭で遠い昔の懐かしい思い出を味わうことが出来てよかったよかったでした