本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

兄弟殺し。

2005-06-24 13:55:48 | 社会
けんかの末に17歳兄を刺殺、中3男子を逮捕…福岡 (読売新聞) - goo ニュース

*両親殺しに続く15歳少年の凶行です。東京板橋の方は高1でしたがこちらは中3。
 気になるのはこの『兄殺し報道』が殺人を冒した弟への同情に少なからず彩られているという点で、文化包丁で滅多刺しにされた上他所の家の浴槽に放り込まれたこの兄貴は「相当な悪だったのだ(!)」という感想を、TVに影響され易い私は一時持って「こんなことでいいのだろうか?」という複雑な思いに囚われたりしました。
 但し兄が家庭で『暴君』になった原因の一つに彼自身が周囲から『いじめ』に合っていたという報道もあって「なんだ、悪いのは社会全体か・・」と呟きたくもなりました。

*『兄弟は他人の始まり』といい、兄と弟の諍いから果ては殺し合いというのは、私たちにとって古くて新しいテーマであり克服されるべき課題でしょう。思えばNHK大河義経も相撲の若・貴も兄弟の争いでした。

*故埴谷雄高は『2億匹の兄弟殺し』との指摘をしていました。私たちが縁あってこの世に生を受けた段階で、既にすべからく『兄弟殺し』は成就されているというのです。
 言うまでも無くこれは『性交時の射精』を指しています。2億匹の精虫が一斉に輸卵管を降臨中の只一つの卵子目掛けて突進し、最初に到達した只1匹だけが見事内部に侵入を果たして、その瞬間後続の他の者らが入れないよう卵子側はシールドを張ってしまうという壮大なドラマです。他の精虫たちは当然ながら全員討ち死にです。

*尤も2億匹の精虫たちには事前に役割分担が定められているというのが最近の学説で、全員が全員『卵子突入』を目指すということではないようです。それどころか、大半の精子は敵(←即ち子宮側)の防御網を突破するために自爆テロ(?)の露となって散るのだそうです。『本命の精子』は複数あって、その周囲を屈強な(?)近衛兵軍団がびっしり取り囲んで進軍して行くという話であります。
 興味のある方は私の生っ齧りな与太噺など信用しないでご自分でお調べ下さい。そして何らかの成果が上がったらコメント・TBよろしくお願いします。

*それで『兄弟殺し』という言葉から埴谷さんの話とは別に『旧約聖書』の有名な話も連想されて来たため、試しに『旧約聖書 カイン 兄弟殺し』の3語句でグーグル検索に掛けてみました。79項目位出て来たと思います。ここではその中でトップ項目の一つだけから以下に部分引用します。

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罪は戸口で待ち伏せており、お前を求める。お前はそれを支配せねばならない。(創世4・7)

・・・この「カインとアベル物語」は、楽園を追放され神から離れた人間たちが早くも、兄弟殺しの罪を犯す恐ろしい物語です。兄カインが、弟アベルを嫉妬のため殺してしまいます。いくら憎いからと言って、同じ兄弟を殺すとは異常なことです。しかも、神に捧げ物を奉納するという神聖な典礼が原因というのですから、どういうことでしょう。信仰行為の中でさえ、妬み・憎悪のために兄弟殺しが起こるという人間性不信の物語のように思えます。

世界の創造の際、あれほど神から祝福された人間像は何処に行ってしまったのでしょうか。

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*『旧約聖書・藪にらみ』はここ→です。他の部分も興味深い記事がありますから、お暇があったらどうぞ。



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