本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

みんなが憧れるアメリカン・ライフスタイル。

2005-07-09 19:19:19 | 
*今日は『ミーイズム』というか、『自己中』というのか、今流行りの思潮の一つについて少しだけ考えてみるのです。ぶひひなのですよ。

 テキストには例えば少し古いかも知れませんが、アラン・ブルーム『アメリカン・マインドの終焉』(1988 みすず書房 Allan Bloom : The Closing of American Mind 菅野盾樹 訳)などが適当かも知れないと唐突に思いつきました。
 何故かというと、私のところは大学のゼミではありませんので(ギャハハッ!)ここはコンパクトにwebからの引用で軽く流して置こうと考えて試しに『松岡正剛の千夜千冊』というところへ行ってみたら、やはりというか運良くこの書評がありましたので使おうかなというところです。
 ここ→です。

 この『千夜千冊』というところはしかし《アリジゴク》のようなところですから一回入ってしまうとなかなか出て来られません。本の好きな方が行くときはそれなりに覚悟してから行って下さいね、くれぐれもご用心♪

*この著書自体にはアメリカの精神風土がどのようにして醸造されて来たかが述べられていて、『ドイッチェ・イデオロギー』ならぬ『ドイツ・コネクション』なんて用語が使われていたりするわけですが、アメリカ人は要するに価値観の全てを『ライフ・スタイル』に収斂させて行ったのではないか、それってちょっとヤバかったんじゃないか、というようなことが多分(?)書かれていたのではないかと思うのです。

*私たちだって、『アメリカが好き!』という場合、何も建国に至る過程でのアメリカ原住民のジェノサイドやヴェトナム戦争、アフガンやイラクへの攻撃・・あるいはレイシズムやKKK等々を好きなのではなくて、アメリカの生活と文化が好きなわけで憧れるのですよ。国内にあっては東京の方を向いて生活し、海外となればアメリカに夢を抱く・・・。

*書評の中で松岡氏は流石に、最後にしっかりと日本のことにも触れています。私の目的はそこなので、以下その部分だけ引用します。

*・・・が、やはり付け加えておかなければならないだろう。それじゃあ日本はどうなのか、ということだ。
 残念ながらというか、案の定というか、日本もまたいまや「ライフスタイル絶賛」に突入している。ようするに個々人のちょっと目立ったライフスタイルに、マスメディアもケータイ文化もリトルマガジンも屈服することをはっきり選び始めたのだ。浮きうきと――。「個人主義」「アイデンティティ」「自分さがし」を筆頭に、「私の城」「こだわり」「おたく」「オレ流」「自分らしさ」「マイブーム」なんてところが光を浴びて跋扈した。これらは、アメリカですらすでに"ミーイズム"として批判を浴びせられたものであるのだが、日本ではまだまだ新鮮なままなのである。
 ところが日本では、これを大学問題としては受け止めてはいない。教育一般の改良が語られているにすぎず、「ドイツ・コネクション」にあたる「何か」があると分析した者もまだいない。20年遅れのアメリカが大手を振っているばかりなのである。

(以上引用終わり)

*ただ引用しておいて文句を言うのも何ですが(ミーイズムが)「日本ではまだまだ新鮮なままなのである。」というのはどうでしょうか? 『ミーイズムの呪縛』に囚われている人は圧倒的に多いでしょうから、新鮮かどうかと言えば、もう既に新鮮ではないと思います。
 そしてこのような《私的な拘りにあくまで徹した個的日常》が、《公的な使命感に目覚めた輝かしい日々》より劣っているというようなことは、全くもって有り得ないのだと、私は思います。


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