本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

自民党の現況。

2009-12-12 08:34:33 | 政治
1.自民党の谷垣総裁というのは、オーナー=チーズ・森、雇われマダム=町村の党内最大派閥(旧)から推されて今回さしたる競争もなく総裁になってしまった人で、思い出されることと言えば例の「加藤の乱」の際、カメラの放列の前で二人泣きながら「あんたが大将なんだから」と、加藤を宥めたんだか励ましたんだかした光景である。
 根は真面目な人なんだろうが、普通真面目なだけでは人の上には立てないだろう。まして魑魅魍魎の住まう自民党の総裁だもんね(笑)遺憾ながら本人が認めるような「代打」「捨石」としての貫禄すらも備わっていないように思う。
 先日のサイクリング中の大怪我にしても、なんか「要領の悪い人だなあ」という印象が常に付き纏うのである。自転車でこけたくらいであんな大怪我は普通しないんじゃないか。

2.大島幹事長というのは前政権では国対委員長をしていたから顔は売れていたが、ただこの人も番頭役が板に付いていて、トップの座に就くというイメージが湧いて来ない。
 今回秘書が略式起訴された二階を「彼は党の公職から解かれることはない。そういう前例はないのだ」とコメントしていたが、奴はよりによって自民党の現選対委員長なんだけどな。笑。幾ら何でも選対委員長が西松から金を貰っていたんじゃイメージ悪過ぎるぜ。自民党は早くも戦意喪失か?
 本気でセンキョを戦う気がないのか、それとも人材が枯渇していて本当に代わる人がいないのか・・恐らくその両方だろうけど。
 それとも「小沢だって大幹事長として民主党の選挙を統括してるじゃないか」というのが自民党側の言い分かも知れない。検察と真っ向から対立している小沢さんの秘書の初公判も迫っていることだし、敢て二階を矢面に立たせているのかも。(註:後日やっぱりクビ。)
 
3.私は知らなかったが、政調会長の石破茂は一度離党して新生党だったかに参加したことがあるのである。ということは小沢さんに一度は組したことがあるわけだ。
 彼は昔は「総理になりたいと思ったことは一度もない」と大見得を切ったそうだが最近は宗旨を替えたらしく、与党だったときには総裁選に出馬し、野党になったらオラ知らねえというスタンスはマダム・小池同様である。野党自民の初の三役に就いたのだから、いずれその上を狙っているのだろうか。
 自称政策通・軍事通のこの男が今や自民党のオピニオン・リーダーであるかの如く発言し、そのもったいぶった発言も一応の体裁を整えているからメディアも何かと言えばこいつのコメントを取りに行く。太田総理と激論もするしで、テレポリティックスの重要な役者の一人だ。
 ただ彼の信条は「日米安保至上主義だけ」だから、その根幹から必然的に導き出される「対米ゴマスリ」の野太鼓的主張を除くと実は殆ど何も言っていない。
 てか自民党が野党に転落して以来、保守派の論客ほぼ全員の「舌鋒が鈍っている」という印象を私は受ける。青山にしても森本教授にしても、言っていることは民主党の揚げ足取りに終始していて志もへったくれもありゃしない。民主党なんて土台そんなに必死になって論難しなければならないような政党ではないのである。(笑)それは小沢さんが去年福ちゃんとの密談を暴かれた際「民主党にはまだ政権担当能力はない」と正直に告白していることからも明らかである。
 結局こんなヒヨッコばかりの素人集団に完璧に打ち滅ぼされるほど、それほど自民党の腐敗・退廃はひどかったのだ。

4.それでこれが今回私が一番言いたかったことだが、言わずと知れた落武者平家・自民党のニューヒーロー=小泉新次郎についてである。ぁそ。
 彼について私は以前「余程いい師匠を見つけないとこの先苦しいぞ」と余計な忠告をしたが、そんな心配を余所に(はあ?)今や自民党支持者の間では「飛ぶ鳥を落とす勢い」というか「向かうところ敵無し」の状態で誰一人として表立って批判する者もなく、逆に彼らに唯一残された「希望の星」「救世主」へと一瞬にして成り上がってしまったのである。本人もその使命を重々承知しているらしく、立ち居振舞いも実に堂々としていて、彼が破って比例区へ追いやった民主党・「百均ネクタイのよこくめ君」とは好対照を為しているのである。w

 背後に「親の七光=ポチの後光」が差しているとは言え、これはあまりにも出来過ぎではないか。当然かくあるべきと裏で操っている人間がいるのである。つまりは小泉ポチとチーズ・森との旧態依然たる「連合支配」=「隠れ院政」が続行していることの何よりの証左ではないか。そのシンボルが新次郎なのである。
 無策のポチは今回チルドレンの大半を失ったが、それでも尚、上げ潮・中川やマダム回転寿司・小池も、旧保守党・野田も郵政造反の聖子も、ゲッペルス・世耕も口先・一太も、皆先の見えない自民党に居残っている。それはこの「隠れ院政」の力によるものと考えるしかない。

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二階氏処分求める抗議文/自民県連 2009年12月12日 asahi.com

 政策秘書が略式起訴された自民党の二階俊博選挙対策局長について、党本部(谷垣禎一総裁)が処分しない方針を示していることに対し、党県連(茂木敏充会長)は11日、「厳正なる対処を強く求める」とした石坂真一県連幹事長名の抗議文を、谷垣総裁に送った。

 抗議文では、党本部の対応について「国民に『自民党は変わっていない』という印象を与え、信頼回復に向けて地道に取り組んでいる党員にとっても落胆を禁じえない」と批判。二階氏に選対局長を辞任させるよう求めている。

 県連によると、神奈川、茨城両県連などからも同様の抗議文が党本部に寄せられているという。石坂幹事長は、鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長も献金問題を抱えていることを挙げ、「野党として問題を問いただすには、自らの姿勢を示さないと国民が政治から離れてしまう」と話している。

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天皇の政治利用 jiji.com

 日本国憲法は天皇を「国民統合の象徴」と位置付け、「国政に関する権能を有しない」と規定。国会の召集、衆院の解散、外国の大使・公使の接受などの国事行為のみを行うとし、政治的行為はできないとされる。
 外国要人との会見は、友好親善のための「公的行為」との解釈が定着しており、政治的な行為とはみなされていない。ただ、鳩山由紀夫首相が「1カ月前までに申請」というルールの特例として、中国の習近平国家副主席の天皇陛下との会見を求めた理由について、平野博文官房長官は「日中の友好、重要な幹部だから」と日中関係の重要性を挙げた。
 これに対し、羽毛田信吾宮内庁長官は「相手国の政治的重要性、国の大小に関わりなくこのルールでやっている」と説明している。日中関係の重要性を特例の理由にすること自体、政治的な判断が働いているとの見方も成り立つ。宮内庁側が習副主席との会見を「公的行為」でなく「政治的行為(政治利用)」に該当しかねないとの認識を示している理由も、ここにあるとみられる。(2009/12/11-23:37)

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この宮内庁のボケナス野郎も大したタマで、これで今やることのなくなっているチンピラ右翼どもが全国各地で現政権攻撃の街宣車でも繰り出せば満足なのか!
 それこそ天皇の政治利用そのものではないか。
 天皇夫妻や皇太子妃の健康を少しでも案じる気があるのなら、皇族をあちこちのくだらない行事に引き回すんじゃない!もっとのんびりさせてやれ!馬鹿野郎!

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2009年12月11日 17時17分 ( 2009年12月11日 21時17分更新 )共同
天皇陛下、中国副主席と会見へ 特例措置15日に皇居で

 中国政府が14日に来日予定の習近平国家副主席と天皇陛下の会見を日本側に求めていた問題で、宮内庁は11日、陛下が15日午前、皇居・宮殿で習氏と会見されると発表した。外国要人と陛下との会見は、1カ月前までの文書での正式申請が前提。11月下旬だった今回の申請に対し特例的な措置となる。習氏は胡錦濤国家主席の有力後継候補とされており、首相官邸の意向を受け宮内庁が日程を調整した。

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鳩山首相:拉致問題解決へ「必要なら訪朝」 毎日jp

 鳩山由紀夫首相は11日夜、拉致問題解決のために自身が訪朝する可能性について「いつか、私自身が行く必要が出てきたときには当然体を張って行くべきだ」と述べ、今後の展開次第で北朝鮮を訪問する意向を示した。ただ「まだその状況にはなっていない」とも述べ、現時点で訪朝を検討しているわけではないとした。東京都内で拉致被害者家族会などの会合に出席後、記者団に語った。【倉田陶子】

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 この発言が小沢さんの訪中・訪韓と連動しているのは間違いない。
 ふわふわしているだの煮え切らないだの何だのとメディアはさも鳩ちゃんをけなさないといけないかのように浅薄に振舞っているが、私は逆に彼の言行はかなり理詰めであると思っている。彼は「自分は総理を辞めるときは政治家も辞める」んだとかねてから明言しているのだから、一世一代の決断には自ずから熟慮の上の熟慮が伴っていなければならないのである。小沢さんも鳩ちゃんも勝負に出ているのである。メディアは掘り下げが足りない。
 例えば辺野古問題では岡田の「辺野古で年内決着」に始まって北沢の「グァムは無理」から更には国民新党・社民党の「県外・国外模索」と、一見それぞれ勝手なことを言っているかのようだが、最近私はこれらは個々みんな世論の動向を窺う一種アドバルーンであって、この中から一番国民一般に受けのいい選択をしようと考えているのではないかと推測するようになった。 
 この「議論百出」を演出するスタンドプレー的手法にかけては自民党の方が一日の長があり、長年えげつない田舎芝居を演じてやって来たわけだが、お生憎さま、彼らはもうそんなことをやらかす位置には居ないのである。

 黒い鳩・弟は「兄はアメーバのように誰とでも調子を合わせることが出来るが、自分は竹を割ったような性格だから・・」と党役職からの完全撤退の弁を語ったが、そんなことを言っているからいつまでも「バイ・プレーヤー」の役割しか回って来ないのである。「誰とでも調子を合わせることが出来る」など、政治家としてこれ以上の「長所」はないではないか。尤も今回は自分自身身を軽くしておいて、いつでも「脱藩」が可能な体勢に入ったとも考えられる。

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参政権法案「来年現実に」=韓国で講演、植民地支配は謝罪-民主・小沢氏
12月12日12時21分配信 時事通信
 
【ソウル時事】韓国訪問中の民主党の小沢一郎幹事長は12日午前、ソウル市内の国民大学で講演し、永住外国人に地方参政権を付与する法案について「政府提案で出すべきだと思っている。来年の通常国会にはそれが現実になるのではないかと思う」と述べ、来年1月召集の通常国会に政府が法案を提出し、成立させる見通しを示した。
 また、日本による過去の植民地支配について「現代史の中で不幸な時代があった。日本国、日本国民として謝罪しなければならない歴史的事実だ」と表明。その上で、「そのことのみを言い続けていては、両国の将来に何の良い結果ももたらさない」と述べ、歴史問題を乗り越え、日韓関係を発展させるべきだとの認識を強調した。

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2009年12月11日 23時41分 ( 2009年12月11日 23時42分更新 )共同
普天間は3党で結論 与党3党首が会談

 鳩山由紀夫首相(民主党代表)は11日夜、社民党の福島瑞穂党首、国民新党の亀井静香代表と都内の料理店で会談し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題について、与党3党で十分に協議した上で結論を得ることで一致した。2010年度予算案の財源に特別会計の「埋蔵金」を活用していく方針も確認した。

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2009年12月12日 『日刊ゲンダイ』掲載
山分けしたのか、麻生が奪ったのか 麻生前政権 死に際の強奪

 鳩山政権が来年度予算で、14億円強の「官房機密費」を要求している。自民党政権時代と同額の予算を概算要求に盛り込んだというのだが、「ちょっと待て」だ。その前に片付けるべき重大な疑惑がウヤムヤになっている。麻生官邸の機密費“持ち逃げ”疑惑だ。
 発覚したのは、先月20日。麻生政権はあろうことか、歴史的な総選挙の2日後(9月1日)に、機密費2億5000万円を国庫から引き出していたのである。
 現政府が公表した歴代政権の機密費の支出状況によると、01年4月から09年10月まで、毎月ほぼ1億円、年間12億円が時の政権によって引き出されてきた。この使途も怪しいものだが、麻生官邸は政権交代のドサクサに紛れて、通常の倍以上の額をかっさらっていったのである。
 一体、麻生らはこの金を何に使ったのか。機密費“持ち逃げ”疑惑を国会で追及した共産党の塩川鉄也衆院議員は「麻生内閣が総選挙につぎ込んだ費用の後払いではないか」と指摘した。誰の目にもそう映る。

●“土産代”が必要だった不人気麻生

 実際、選挙前には永田町でこんな話がささやかれていた。
「疫病神扱いの麻生首相は、同僚議員にも応援を敬遠されていました。ただ、選挙中に党の総裁が引きこもっていると体裁が悪い。で、麻生サイドが“お土産を持っていくから”と、応援遊説をねじ込んだ、と言われたのです」(政界関係者)
“お土産”イコール実弾だ。官房機密費は、その穴埋めじゃねえか、というわけだ。
 これが事実ならば、聞き捨てならないが、平野官房長官は「河村前長官に聞いて欲しい」と言うだけ。その河村は「政権にある立場でないから、答える立場にない」とすっとぼけた。国民にすれば「フザケルナ!」である。
 塩川議員の言うように、選挙に使われていたとしたら大問題だ。九大名誉教授の斎藤文男氏が言う。
「官房機密費は政府が使うカネであって、原資は国民の税金ですよ。一政党のために使われるものではないし、まして選挙で使われるなど論外です。外国で誘拐された邦人救出のための身代金など、ある程度の機密保持は仕方がないとしても、公表できないムダな使途は許されません」

 麻生政権の“火事場ドロボー”みたいな2億5000万円については、「引き出せるだけ引き出して党の金庫に放り込んだのでは」「落選議員に見舞金でも渡したか」なんて憶測も飛び交っている。真相はヤブの中だが、いずれにしたって、許される使途ではない。

●100万円のスーツをもらった野党議員も

 そもそも、機密費の使途をめぐっては、過去にも怪しい噂が山ほど取りざたされてきた。
「首相交代時に巨額の機密費を引き出すのは公然の秘密」――。永田町では、こんな“伝説”もあるほどだ。細川内閣で官房長官を務めた武村正義氏も、かつてこう証言していた。
「私が官房長官に就任したときは金庫は空っぽでした。現金も領収書もその他の書類もいっさいありませんでした」
 02年に共産党が暴露した宮沢内閣時代の機密費に関する内部文書は衝撃だ。
 公表されたのは加藤紘一官房長官(当時)の金銭出納帳で、内訳は「国会対策費」3574万円、「パーティー券代」3028万円、外遊など議員への「餞別代」2043万円など。中には国会対策費として、100万円ものスーツ代をもらっていた野党議員までいた。
 国民から見れば、「冗談じゃないよ」だが、機密費は領収書も必要なければ、会計検査院もノーチェック。何から何までウヤムヤのつかみ金だ。鳩山内閣がやるべきは機密費の踏襲ではなく、機密費改革のはずなのだ。

●「3日で解決」はウソだったのか、鳩山首相よ

 それなのに民主党の態度はまったくおかしい。トップの鳩山首相からして、「政権交代が起こるときはこんなもの。旧政権のことをとやかく言うつもりはない」と疑惑にフタをする構えだ。なぜ、本腰を入れて追及しないのか。
 野党時代には、機密費追及で勇ましいことを言ってきただけに、余計にイラ立ちを覚える。
 民主党は01年に、機密費の支払い記録を義務づけ、一定期間後に情報公開する「機密費透明化法案」を提出した。この時の党代表は、鳩山首相だ。法案は廃案になったが、党首討論では当時の小泉首相相手にこう豪語したものだ。
「機密費の調査を民主党の若手にやらせれば、3日間で解決してみせます」
 すでに政権を取ったのだから、サッサと若手を使って麻生政権の持ち逃げ疑惑をオープンにすればいい。それなのに、平野官房長官は政権発足翌日に「機密費? そんなのあるんですか」とスットボケ。11月になって、河村前官房長官から機密費の引き継ぎを受けたことを認めたが、使途や金額は「公開するつもりはない」と突っぱねている。
 政権トップと機密費を預かる官房長官がこの調子じゃあ、麻生政権の血税持ち逃げの真相は永久に闇の中である。
「機密費に対する民主党の豹変ぶりには、驚かされます。いざ政権を取って機密費が自由にできるようになると、態度がガラリと変わってしまった。自民党時代と同じように公表できないような使い方もするつもりなのでしょうか。これじゃあ、自民党と何も変わらない。国民の失望を買うだけです」(政治評論家・山口朝雄氏)

●自民党政権は機密費でマスコミも懐柔

 マスコミの追及も鈍い。まるで腫れ物に触るような扱いで、持ち逃げ疑惑に切り込むメディアは皆無ときている。
 実は、機密費は歴代政権の「マスコミ工作」にも使われてきた。かつて共産党が暴露した内部文書の支出項目には、マスコミ幹部への慶弔金が記されていた。前出の武村正義氏も「マスコミの研究会に毎年100万円とか決まった額が出ていた」と週刊誌の取材に答えている。先の総選挙においても機密費がマスコミ工作にも使われた公算が大きい。自民党幹部に政治評論家やジャーナリストたちの取りまとめ、懐柔を打診されたメディア関係者もいるほどだ。
「麻生をホメるのは難しいかもしれないが、せめて必要以上には叩かないで欲しいとの趣旨だったようです」(メディア関係者)
 この時、自民党幹部から「数百万円という具体的な金額の提示もあった」(政界関係者)との情報も流れている。
 マスコミも長年、機密費を通じて自民党政権に取り込まれてきたわけだ。下手に持ち逃げ疑惑を深追いすれば、メディア側も“返り血”を浴びてしまう。だから、疑惑を追及しないのか。少なくとも、国民の目にはそう見える。
 かくして、機密費疑惑は闇から闇へ――。民主党政権に対する国民のイラ立ちは募るばかりだ。

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2009年12月12日 11時49分 ( 2009年12月12日 13時46分更新 )毎日jp
<特例会見>国事行為巡り波紋 「政治利用」批判も

 14日に来日する中国の習近平国家副主席と天皇陛下の会見が、1カ月前までに申請する慣行を外れて設定された問題は、象徴天皇の「国事行為」のあり方に波紋を広げている。

 16日までの滞在中、習副主席は14日に鳩山由紀夫首相、15日に小沢一郎民主党幹事長、16日に岡田克也外相と会談するほか、日本経団連幹部との朝食会などに臨む。天皇との会見は15日に予定されている。

 政府の対応について百地章・日本大法学部教授(憲法学)は「政府は天皇陛下の政治的中立性、公平性を守るべきだ。1カ月ルールを破るという強引な決め方そのものに、陛下を政治的に利用した印象が否めない。中国だけ認めたのは悪い先例になり、ルールが崩壊する危険性もある。二度とこんなことがあってはならない」と厳しく批判した。

 一方で横田耕一・流通経済大教授(憲法学)は「強い政治性を持つ行為に天皇を利用することは望ましくない」としながら、今回は「宮内庁の考え方が前面に出すぎているのでは」と指摘する。「最終的な決定権は内閣にある。1カ月ルールは内規だから、内閣は尊重しなければいけないが、縛られることはない。宮内庁に振り回されるのはおかしい」と述べた。

 宮内庁によると、1カ月を切って会見の申請があったのは05年、タイの上院議長との会見だけ。打診は1カ月を1日切っていた。同国がスマトラ沖大地震とインド洋大津波で被災した事情があった。

 中国側は98年に国家副主席として訪日した胡錦濤国家主席も天皇陛下と会見していたことから、同じ扱いを求めていた。日本側は当初、胡氏の日本滞在が5日だったのに対し、習氏は3日と短いため難色を示したという。一方で中国の外交当局者は陛下との会見の実現に楽観的な見通しを示しており、日中で温度差があったことをうかがわせている。

 鳩山首相は11日夕、記者団に「ルールは分かっていたが、1カ月を数日切ればしゃくし定規でダメだということでは、国際親善の意味から正しいことなのかどうか」と述べ、「政治利用という言葉はあたらない」との考えを示している。

 ◇解説 天皇の役割、厳密対応を

 天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見が、「1カ月ルール」を破って設けられたことに対して、羽毛田信吾・宮内庁長官が強い不快感を示した。陛下への会見の申請は、高齢で多忙な陛下に負担をかけないなどの理由で1カ月以上前ということが政府内で了承されていたが、鳩山由紀夫首相の要請に押し切られた形だ。

 羽毛田長官は、天皇の政治利用の懸念も示したが、ルールに関しては今後、天皇の憲法上のあり方や健康状態などを再度認識し、政府内でより厳格に守られる必要があろう。

 1カ月ルールは、95年ごろから慣例としてあり、特に陛下が前立腺がんの摘出手術を受けた後の04年からは厳格に適用されてきた。羽毛田長官は「国の大小とか、政治的に重要か、そうでないとかにかかわらず守ってきた」と述べている。実際、11月に天皇陛下と米国のオバマ大統領が皇居・御所で面会した際も、このルールにのっとって日程が調整された。

 それにもかかわらず、今回は来日の約1週間前に再度の強い要請があり、会見することになった。羽毛田長官によると、鳩山首相の意を受けた平野博文官房長官から「ルールは理解するが、日中関係の重要性にかんがみ、ぜひお願いする」と要請されたという。

 天皇は憲法で、政治的機能を一切持たない「国の象徴」とされている。平野官房長官の発言がこの通りなら、天皇の政治利用とも受け取られかねない。内閣として、天皇の意義、役割をより慎重で厳密にとらえて対応していくことが求められる。【真鍋光之】

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