大手企業がなぜ派遣を使うのかと言えば、早い話現在のような不況突入という事態を想定し簡単に人減らしが出来るからである。売り上げが落ちれば減産し、減産すれば設備も人員も余るからそちらもこれに順応して減らすのは、営利追求の企業としてはあったりまいの方便である。人情もへったくれもない。あれは大分での話だったか、突然の首切りを通告された派遣工の代表がソニーへ抗議書を手渡しに行って、ソニーの敷地外で彼らを押し止める会社側とすったもんだする映像が流されたことは我々の記憶に新しいが、その際のソニーの言い分というのはまったく無機的機械的で、「本社と派遣工との間には何ら雇用関係はない。あなた方を雇用しあなた方の首を切ったのは日研総業だから、文句があるなら日研総業に言いなさい」というものだった。「仰るとおり(!)」には違いないが、バカやろう!いったい誰がソニー製品を日々作り続けて来たと思っているんだ!・・ともあれこういうことのために「直接雇用」などせず予め「口入れ業者」をワンクッション置いておくわけである。ところで、以前私が某地方銀行の元調査員から聞いた話によれば、この「日研総業」という人材派遣会社は業界では比較的新規の参入組ということで、なんでも滋賀銀行頭取のやんちゃ息子が「恐い系」の人間と組んで作った口入れ屋だということである。この「人材派遣」という従業員確保の手段は、小泉構造改革で派遣が自由化される以前でも実は事実上野放しに近い状態に煮詰まって来ていて、例えば某工場で或るラインの単純作業員の需要があればどういう名目でそれを補填するかと言えば、当該ライン業務全般に亘っての「業務委託」をメーカー側が派遣側に要請するという形を取ったわけである。つまりそうすることによって「我々のしていることは純然たる業務請負であって単純労働の人夫出しなんかではありませんよ」という言い訳は充分成立し得ていたのである。いわゆる資本制生産方式というものは元来「需要がある→人手を集めて生産を拡大する→需要がなくなる→生産を縮小して余った人間にはどこか余所へ行って貰う」というそういう循環サイクルから容易に抜け出せるものではない。国に何とかして貰うったって、あーた、「政・財・官」の腐れ切った連中に何か期待する方がおかしい。日銀の「短観」と言ってもあれは大企業の話だ。わが国の主力は食うや食わずの中小零細なのである。
. . . 本文を読む
政界再編論議が喧しいが私はYKKKなどは全く評価していない。この人たちは旧態依然たる古臭い『合従連衡』を目論む旧人類たちで、『歴史の歯車はあとへは戻らないのだよ、おとっつぁん&おっかさん!』と言いたいところである。ただチーズ・森も伊吹も「若手(←『バカ手』と言え!)の動揺」を認めているのだから「語るに落ちる」とはこのことだ。『バカ手』どもというものは要は『政権与党にいたいだけ』のおぞましくも卑しい見下げ果てた連中に過ぎない。『数が足りなかった場合に限って多少は混ぜてやってもいい♪』といったスタンスで充分である。民主党としては(亀ちゃんはともかくとして)山崎だの加藤だのといった「右するべきか左するべきか」いつもおたおたして周囲を窺っているだけの連中など適当にあしらっているだけでいいのである。「変革(Change)の時代」に真っ先に潰されるのはこういう動揺分子なのである。「利は我にあり」で今主役は小沢・民主なのであるからここは正眼の構えでじっくり構えていればいい。でまあ『再編論議』などは所詮メディア絡みの与太話であるから、こちらは「ああそうですか♪」と『話半分』でテキトーに聞き流していればいいのだが、唯一面白かったのはついに公けの場で表面化してしまった自公間の亀裂である。自公の不協和音はこれが「落ち目の三度笠」で以前からくすぶり続けていたのだが、今回これを口にしたのが卑しくも自民の選対を預かる古賀なのだから、公平に言って古賀が平つくばり公明・大田に土下座でもしない限り表向きだけの修復すら困難だろう。いったいこれまで誰のお陰で自民党は多数派を確保し得たのか?!公明の学会票なしでどうやって『勝つ』つもりだ?!お先真っ暗だぜ。自民党は実戦で負ける前からはや終わったか。拮抗する二大政党が切磋琢磨するといった『二大政党制』という観点からはそう簡単に終わって貰っても困るんだけど、だったらいっそ社民・共産が泣いて喜ぶ『中選挙区制』に戻してしまうのがこの国向きなのかな。w . . . 本文を読む