フィクション『同族会社を辞め、一から出直しオババが生き延びる方法』

同族会社の情けから脱出し、我が信ずる道を歩む決心をしたオババ。情報の洪水をうまく泳ぎ抜く方法を雑多な人々から教えを乞う。

俺の姉ちゃんが子供を産んだ。

2022-11-16 19:10:09 | ショートショート

俺んち、両親と姉、妹の五人家族。

こないだ、姉ちゃんの妊娠が発覚した。

親は怒った。結婚もしていないのに!

だけど、色々話し合いをして産むことにした。

生まれたのは男の子。家は賑やかになった。と言うと楽しそうだけど、実際そんな事はない。

楽しくない。うるさい。

その子が1歳を過ぎる頃、姉ちゃんは働くことになった、保育園に預けて。

そりゃいい、うるさいのがいなくなる。

だけど、勤務先では定時に上がれなくて保育園のお迎えに間に合わない。

だから母親とか俺がかり出される、お迎えに。

ふざけんな。俺の人生なんだと思っているんだ。

まともに結婚もしていないくせに俺の時間を搾取しやがって。

ああ、いやだいやだ。

どっかの男といい仲になってこの家出て行ってくんないかな。

あ、子供はちゃんと連れて行けよ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

親を知らない子

2022-11-16 19:00:10 | 美しく生きるという事

母親が出産後に亡くなったり、

戦争などで、身ごもった後に夫を亡くし、父親の顔を知らなかったり、

親を知らない子はいる。

残ったもう1人の親が写真を見せたり生前の話を色々聞かせても、

子供には何の記憶もない。

人は、しゃべったり匂いがしたり触ったり何かくれたり、

そんな行為の積み重ねで気持ちができあがっていくのだ。

それが一切ないまま成長する。

周りの大人達がどんなに愛情を注いでも、

子供が欲しいのは両親の愛。

言わないだろうけれど。だって言ってもかなえられないから。

どこかに生きているのなら逢いに行かれるけど、生きていないのだから。

切ない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆず様の『逢いたい』

2022-11-16 18:53:21 | 美しく生きるという事

夫がこの曲を好きなので、車の中で聞いたり、テレビにゆずが出演したときに聞いたり、

そんな感じでした。

だけど、この夏、愛犬と知人を亡くしたオババ。

何度彼らに『戻ってくれ』と懇願したことか。

写真を見て思い出の記憶をたどっても、目の前に現れてくれない。

胸の内にいると言ったって、望みはもう一度その体に触れること。

どんなに叫んでももう絶対に目の前には現れない。

逢いたいな…

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする