場末の雑文置き場

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「仮面ライダー龍騎」全体感想

2016年07月22日 | 特撮
ストーリーのことなど

仮面ライダー同士で殺し合う話だということだけ聞いて、面白そうだと思って見始めた。実際面白かったけど、最初に想像していたものとはちょっと違ったかな。

ライダーは最初から13人全員揃っていて、状況により一時的に手を組んだり裏切ったりを繰り返す終始殺伐とした話かと思ってた。そうしたら、途中加入も有りだったり、他のライダーは誰かっていうのを最初は知らない状態で、偶然の出会いを経てお互いの存在を知るっていう形式だったり。
神崎士郎も、戦わせたいんだったら他のライダーは誰でどこに住んでいる、とかいう基本情報くらい全員に教えとけばいいのに。そうしたら偶然が積み重なる不自然な描写は少なめに出来たし。

ライダー同士の関係も意外とそんなにピリピリしてなくて、結構馴れ合っていたような。殺し合いをしている人間同士なんだし、もう少し緊張感が欲しかったな。
真司と蓮はいいんだけどね。北岡とだってちょっとなあと思っていたので、浅倉とまで馴れ合っているシーンを見たときは唖然とした。「城戸がバカだと思う人手を挙げて」っていうアレね。あのシーンが好きだという人も結構いるようだけど、私は大嫌いだ。井上敏樹悪ノリしすぎ。

人間って極限状態になったら結構とんでもないことやらかすと思うんだ。武器を与えられて、「戦え」って言われて、他のライダーを倒さないと生き残れないんだったら、もっと積極的に殺し合うもんじゃないかなあ。はじめからおかしい人じゃなくて、ごく普通の人がおかしくなっていくさまを見せるほうが断然怖い。その辺りの人間の醜さについての描写は甘かったかな、という印象はある。まあ子供向けだしね。

そして、おそらくテーマの一つだっただろう命の重さは、今ひとつ伝わってこなかったかな。モンスターに食われる人たちの扱いがあまりにも軽くて。それに比して優衣や恵里の扱いがあまりにも重くて。「命の重さって、人によって違うんだなあ」っていう感じ。

ストーリーの全体構成も、そんなに上手いとは言えないと思う。中盤がややだれる。手塚の死から次のライダー登場までが長すぎた。ここでもっと話を進めておけば、終盤があんなに詰め込みすぎな感じにならなかったのに。
北岡と浅倉の出番は引っ張りすぎな気がした。特に浅倉。もっと早くに退場させるはずが、主人公より人気があったから、或いは制作側が愛着を持ちすぎたために殺せなかったとか、そういう事情でもあったのかな。最終回の時点で三人も生き残ってるっていうのはどうかと思った。そのせいで、最終回は語るべきことがもっと他にたくさんあっただろうに尺が足りない感じになってしまった。

題材が魅力的なだけに、「もっとこうしてほしかった」という不満は挙げればきりがない。それに、冷静に思い返してみるといろいろ粗はあった。それでも、私はこの作品が好きだ。なんだかんだ言いつつも、ストーリーに引き込まれてしまったから。


キャラクターのこと

自分でも意外だったのが、登場人物たちに結構感情移入してしまったこと。最初は、クズみたいな人間たちが無惨に死んでいくさまをゲラゲラ笑いながら見る予定でいたのに。どうせみんな死ぬのわかってるし。

手塚、香川教授、芝浦、仲村くん、真司、霧島、編集長、吾郎ちゃんは好きな部類。特に芝浦と仲村くんが好き。視聴中は手塚や香川教授のほうが好きだったり、蓮のことも結構好きだったりしたのに、いつの間にかこうなっていた。芝浦に関してはキャラと言うより役者が好きなのかも。神崎士郎と浅野めぐみは、あんまり好きじゃないけどギリギリ嫌いではない。唯一浅倉だけは自分の中ではっきりとした拒否反応が出てしまった。

浅倉のことだって最初は面白がって見られたんだけどな。でも途中からは本気でドン引いてしまって、さっさと死ねと思いながら見ていた。普段の私なら、悪役のことも結構好きになったりするはずなんだけど。
他の多くの視聴者が感じているらしい、浅倉の抗いきれない魅力みたいなものが私にはわからないんだ。男前だと言われている外見すら全く好みじゃないからなのかなあ。

多分、私が悪役を好きになるのは、やられ役であるという哀愁があるからなんだろう。自分がやったことのツケを後で払わされることになるのがわかっているから、たとえ残忍な人間だとしてもある程度は許容できる。だから好きになったとしても勝利して欲しいなんて微塵も思わない。
浅倉の場合、主要人物の一人で、倒すべき敵ともされていなくて、戦闘でもおいしいところを持っていって、そして最終回まで生き残ってしまう。そこが「小物悪役とは違う」みたいな感じで受けていたようなんだが、私は胸糞悪くて仕方なかった。

あとは、制作側の過剰な思い入れが見え見えなのと、ファンから持ち上げられすぎなことも私の浅倉嫌いに拍車をかけたかもしれない。浅倉が好きじゃない人を分かっていない奴だとか頭の固い奴呼ばわりしたり、浅倉を絶賛する一方でそれと比較して他の悪役を下げたりするようなファンがいるからな。それがなかったとしても決して好きにはならなかっただろうけど、「ちょっとだけ嫌い」程度で済んでいたと思う。

……なんだか、浅倉のことばっかり書いちゃったな。まあ、良くも悪くも、作品全体のイメージを左右するような強烈なインパクトと個性を持った人ではあるよな。


各種ランキング

最後に個人的ランキングをば。

好きなライダーのデザイン
1. ナイト
2. ガイ
3. ベルデ
4. オルタナティブ/オルタナティブ・ゼロ

ナイトとガイとオルタナは単純にかっこいいから。ベルデは怪人にしか見えないデザインが斬新に思えたのと、緑が好きだから。

トラウマランキング
1. 劇場版でのシアゴーストの補食シーン
2. 浅倉弟がベノスネーカーに食われるシーン
3. フェリー回での、逃げ遅れた乗客の食われる直前の悲痛な叫び
4. 劇場版で、鏡の世界に引き込まれた人の靴だけが残っているシーン
5. 金色のザリガニのおじさんがモンスターに切り刻まれるシーン

よく挙げられる、佐野の死ぬシーンは私にはそれほどでもなかった。佐野にはあまり共感できなかったし、ライダーたちは自分の意志で危険な世界に入っていった人間だから。普通に暮らしている一般人が突然命を奪われることのほうがよっぽどショッキングだった。

好きなミラーモンスター
1. マグナギガ(ゾルダのモンスター)
2. ダークウィング(ナイトのモンスター)
3. シールドボーダー(野良モンスター)

好きなファイナルベント
1. デスバニッシュ(ベルデ)
2. エンドオブワールド(ゾルダ)
3. シザースアタック(シザース)

デスバニッシュはクッソダサくてインパクト抜群で大好き。エンドオブワールドは唯一ちゃんとかっこいいファイナルベントだと思う。見た目が派手な割に全く敵を倒せていないような気はするけど。シザースアタックは技名も内容も適当すぎるところが逆に好きだ。


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