場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

二大政党制はクソである

2023年05月28日 | 政治・社会

日本もアメリカ等のように二大政党制になって欲しいと思っているらしき「リベラル」は結構見る。確かに自民党の一人勝ち状態は問題かもしれないけど、二大政党制だってろくなもんじゃない。どっちも大差ない右翼政党か保守政党になる。
例えばアメリカがそう。共和党も民主党も保守政党でイスラエルをほぼ全肯定しているという点では変わりない。イギリスもそう。(多分)左派と見られている労働党は、王制反対派でイスラエルにも批判的だったコービンを追放したし。

日本の野党共闘にも私は懐疑的だ。共産党が野党共闘に積極的になる前は、共産党は候補者を立てずに民主党に票を集中させろ、みたいに批判されていた。
共産党も天皇制を容認したりいろいろしょうもないところはあるけど、それでもかつての民主党あるいは立憲よりはずっとマシだ。立憲なんて完全なる保守政党なのに、なんで私が投票しないといけないんだ。

共産党が立候補を取りやめればその票がそっくり民主あるいは立憲にスライドする、そんな単純な話じゃない。そうやって選択肢を狭められたら、どっちの候補も嫌だから、だったら選挙なんて行かなくていいやと思う有権者だってそれなりに出てくるだろう。自分が区長選挙で仕方なく白票を投じて以来(そのことについては別の記事で書いた)、なおさらそう思うようになった。あのときは四択ではあったけど。ただ野党共闘の影響で候補が少なくなった可能性はあると思っている。

その野党共闘なんてものをやらないと勝てなくなり(やってても勝てていないが)、支持者の数はそこまで圧倒的に多くはないはずの自民党がいつも選挙で大勝できるのは、大体小選挙区制のせい。有権者の選択肢を狭める悪しき制度だと思う。
かつて、政権交代が可能だということで小選挙区制を肯定的に評価していた「リベラル」が一定数存在していた。その結果、一回は政権交代があったけどその後はずっとこの状況。
政権交代したって、代わった政党が自民党と大差ないなら意味がないじゃないか。それ自体が自己目的化してどうする。「リベラル」で小沢一郎に好意的な人結構いるけど、小選挙区制導入の一番の戦犯は小沢一郎じゃないか。私はその事を忘れていないし今でも恨んでいる。

日本では小選挙区制が導入されても結局二大政党制にはならなかったけど、最初に書いたように二大政党制もクソだと思っている。

ここで、二大政党制が確立されているアメリカのことに話を戻す。特に大統領選について。個人個人を見れば民主党には悪くない議員もいるけど、そういう議員は大統領選に出馬表明したとしても大体まず党内の争いで敗れてしまう。正式な候補として指名されて最終的に出てくるのは右派の候補。
トランプとバイデンとか、どっちも最悪でしかない。トランプとヒラリー・クリントンでも同じようなもん。バイデンは下手したらトランプ以上に熱烈にイスラエルを擁護するし、共和党候補と同じようにアメリカのやってきたことを完全に棚上げして偉そうな物言いをするし、必要以上に中国に対して挑発的に振る舞う。バイデンのことを「上品なトランプ」と呼んでいた人を何人か見たけど、本当にそうだと思う。
次もバイデンが大統領選に出てくるなら、どっちが勝とうが心底どうでもいい。自分がアメリカの有権者だったとしたら、トランプを落とすためでもバイデンに投票するなんて嫌すぎる。

アメリカ大統領選は二択しかないように報道されがちだけど、実は他の候補だっている。自分だったら第三、第四の候補に投票するだろう。
左派と言うか「リベラル」の中には他の候補の応援を控えて民主党候補に票を集めようとする動きがある。そして民主党以外の候補を応援するとその人たちから非難される。スーザン・サランドンやマイケル・ムーアも民主党以外の(もちろん共和党でもない、二大政党以外の)候補を応援して、民主党候補が負けたのはお前のせいだと「リベラル」から非難されたことがあったらしい。この辺、日本の野党共闘の動きと似ているなと思う。
共和党候補も民主党候補もどっちも最悪なのに共和党よりマシだからと投票を迫られる。当選する可能性は低いとはいえもっとマシな候補がいるのにもかかわらず。ああ嫌だ。二大政党以外の大統領候補が「泡沫候補」にしかなれないのはこういう人たちのせいじゃないのか。

この前の選挙ではバイデンが勝ったけど、バイデンのことを本当に良いと思って投票した人はどのくらいいたんだろう。大概はトランプを負けさせるために消極的に入れただけじゃないのか。それでも最大目的さえ果たせればそれでいいという考えなんだろうけど、私はここ数年バイデンを見て「トランプよりマシ」とすら思えなくなってきているので。

アメリカのことについてくどくど書いてきたけど一番言いたいのは、二大政党制なんかになったっていいことないよアメリカを見てみろ、ということ。アメリカ民主党やバイデンが良いと思っている人には通じない話かもしれないが。


入管法の改悪に反対します

2023年05月07日 | 政治・社会

3回目以降の難民申請者は申請中でも強制送還を可能にする、という入管法の「改正」案が4月28日に衆院法務委員会で可決された。
日本は元々極端に難民認定率の低い国で、入管収容所の被収容者はまともな医療も受けられずに虐待されている。在留資格がなければ働くことすら許されない。難民申請者の扱いは今でも十分ひどいのに、更にひどい状態に追いやろうとしている。

入管職員や入管庁の関係者たちもひどいけど、そういった環境に慣らされて麻痺しているだろうからまだわかる。もっと恐ろしいのはそれを支持する一般の人たち。たまたま自分にとって安全な国に生まれた「普通の日本人」たちが、国に帰れば命の危険がある人達を誹謗中傷している。強制送還しろ、と平気で言う。そういう連中の支持があるからこそ入管も好き放題できるし、入管法「改正」案も通ってしまう。

もちろん、無関心な圧倒的多数の日本人にも大いに責任がある。そして無関心ということに対しては、私は人のことをどうこう言える立場ではない。今まで十分な意識を持ってこの問題に向き合ってきたか、自分に出来る限りのことをしたかと考えると、決してそうではない。ほぼ何もしてこなかったので。少なくとも入管を支持する連中や自民や維新に投票した連中よりは幾分かマシとは言えると思うけど。

国民国家という概念は比較的最近出来たらしいけど、それで人類は進歩したんだろうか。国家という枠組みにとらわれた強固な縄張り意識を持った人が大勢いて、恣意的に作られた国境で移動の自由が制限されて。概念に過ぎない「国家」なんてものの存続が人権や人の命より優先されたりして。そりゃあ、国民国家ができる以前から戦争も移動の制限もあっただろうが。

入管を支持し、外国人叩きをする「普通の日本人」たちも白人のことは好きなんだよな。白人が日本に来るのは歓迎するけど、非白人だったら駄目。都合のいい安い労働力としては非白人の外国人も来て欲しがるけど、定住は許さない。そういう日本の空気が本当に嫌だ。
だからヌートバーの人気ぶりにも複雑な気分にさせられた。別にヌートバーが悪いわけじゃないんだけど、見た目が白人じゃなかったらこんな歓迎されなかっただろうな、とか、難民には冷たいくせに、とどうしても思ってしまって。

ただ、もちろんそんな人ばかりではないのもわかっている。私は行けなかったが、今日はこの雨の中でも阿佐ヶ谷や高円寺などで入管法改悪反対のデモが行われていて、たくさんの人が参加していた。無関心な人や入管支持派も実際多いが、こうやって声を上げている人も少なくない。自民党はそれを無視しないでほしい。

最後に。入管法の改悪に反対でも「こんなんじゃ日本は先進国とは言えない」みたいな表現は避けたほうがいいと思う。先進国という言葉には金持ち国という以上の意味は無い。先進国=道徳的にも成熟した国のように捉える感覚は反差別とは相容れない植民地主義的な感覚だ。難民になる人のほとんどは所謂「先進国」の人ではないわけで、その人たちの生まれた場所のことを見下し、馬鹿にしているのと同義なのだが、それに気付いているだろうか。