場末の雑文置き場

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映画「轢き逃げ」感想

2019年05月25日 | 映画・ドラマ

とてもBLだった。秀一の一番幸せそうな顔が見られるのが婚約者とのシーンじゃなくて親友の輝とのラブラブデートシーンだったり。

この映画なあ、オタク系でBL好きな人に受けそうなんだけど、そういう層にはあまり届いてなさそうなのが残念。まずタイトルがつまらん。CMの感じだと硬派なヒューマンドラマのように見えるし、私もそういうつもりで見ていたら思いもしなかった要素が出てきて驚いた。

全体的には割と好きだったんだが、一つ残念なのは女性陣が添え物みたいな扱いになっていたところかな。轢かれた女性はただの舞台装置のような感じでどういう人物像だったのかよくわからないし、秀一の婚約者は都合のいい女性って感じがした。
千鶴子も優しすぎるんだよな。光央の千鶴子に対する態度は結構ひどくて、そこが若干光央への感情移入を阻害している感じがするんだが、千鶴子は全く怒ったりしないからな。
秀一・早苗夫婦も光央・千鶴子夫婦も妻が夫に寛容すぎるんじゃないだろうか。こういうところ、ちょっと水谷豊の女性に対する幻想を見せつけられた気がした。
まあ、この映画のメインはあくまで男同士の話だと思うので。

ここからネタバレ。

後半のどんでん返しには素直に驚いた。サスペンス要素があるとは露知らず、普通のヒューマンドラマのつもりで見てたから。
輝の秀一に対する感情の大きさがすごかった。本人は嫉妬だと思っていたようだけど、気付いていないだけで別の感情も混じっていた感じがしたなあ。歪んだ愛情と言えばいいのか。

輝のヤンデレっぷり、好きな人はすごく好きなんじゃないかと思うんだけど、こういうのが刺さりそうな人に売りを話すとネタバレになってしまうのがもどかしい。いっそあれをどんでん返しに使うんじゃなくて最初から前面に出していれば……なんて思ってしまう。