場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

第56回体操NHK杯(男子)の感想

2017年05月23日 | スポーツ

自由席なので選手がちょっと遠かったけど、やっぱり生で見るのはテレビと違った面白さがあった。選手入場時の、一人ずつコールされて後ろのスクリーンに名前が出てくる演出も良かった。ポーズをとってみたりお辞儀したり、それぞれの個性が出ていて楽しめた。長谷川は期待通りの派手な登場。

点数の出方は去年までと明らかに違ってきてるな。全体的にかなり低くなった。15点が出ることがほとんどない。内村が全種目で14点台なんて、ちょっと前なら考えられなかった。 E得点が厳しくなったことに加えて難度の見直しもあったから、選手は調整が大変だろうな。

試合は接戦で、かなり面白い展開だった。5種目終わって白井がトップ。2位の内村に0.8点差を付けて最終種目の鉄棒へ。内村はミスが許されない状況で、逆転はかなり難しい点差かと思われた。でもそんなことでくじける内村じゃなかった。最終種目鉄棒で完璧な演技をして劇的な大逆転。そもそも点差は気にしていなかったらしい。白井の優勝もそれはそれで面白いので見てみたいと思ったが、内村様はやっぱりすごい。

白井は成長したな。今大会の成績だけ見ると一位と0.1点の僅差。もう完全にオールラウンダーだね。床だけじゃなく、平行棒でも内村より高得点だったし。鉄棒はまだそんなに得意ではないみたいだけど、ヴィンクラーをやってくれるのが嬉しい。
ちょっと調べたら、ヴィンクラーがE難度からF難度に引き上げになっていて驚いた。コールマンがF→Eだから、これで難度が逆転したわけだね。コールマンはみんなやってたもんな。これからはヴィンクラーを入れてくる選手が増えてきそう。
リオ前にこの難度に改訂してくれていたら、もしかしたら鄒凱をリオでも見られたのかな。ヴィンクラーって聞くと、もう自動的に鄒凱を思い出してしまう。

三位は田中。E得点では一位だったらしく、セイコーエクセレント賞とかいうエレガンス賞みたいな賞をもらっていた。
加藤は調子悪いね。前回もあまり良くなかったし。鞍馬の点が妙に低いと思ったら、落下してたのか。珍しい。

演技が好きだからちょっと注目して見ていた長谷川は、前回よりも大きく順位を下げてしまった。得意種目の鉄棒と鞍馬、両方で落下。特に鉄棒は大崩れして11点台。華のある選手だし、ビシッと決まったときの演技は本当に魅力的なのに、安定感がないのが残念だ。


「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」第一巻感想

2017年05月22日 | 小説

原題は「Percy Jackson and the Lightning Thief」。
本屋の帯によるとTOEIC470点以上レベルらしいが、そこまで易しくもないんじゃないかな。結構ボリュームもあるし、本当に470点の人がいきなり読んだら多分挫折する。600点くらいはあったほうが楽しめると思う。

ストーリーについて。
要約すると、冴えない劣等生だった主人公が実は神の子だと判明して、冒険の旅に出て、いきなり戦闘でも大活躍する話。この主人公にシンクロできて、俺は今はくすぶってるけど本当はすごい奴なんだ、みたいな気分を味わいたい人には楽しいんじゃないかな? 私にはちょっと合わなかったが。

主人公が神の血を引いているから特別、っていう前提からしてなんかダメだった。本人の努力や資質よりも結局は血筋が大事、って感じで。
当然ながら神様が一番偉くて、その下に半神がいて、さらにその下に神の血を引いていない一般人がいる、っていうような序列があるのも、身分制社会の肯定っぽくてちょっとな。

私は昔ギリシア神話が大好きだった。だからこの小説を読んだわけだけど、改めて読むとギリシア神話の神様たちって本当に身勝手でイライラする。あんな好き勝手に振る舞ってる神様に人間の行為を裁かれたりしたくないな。

メデューサ退治のエピソードも、爽快感よりも神々への嫌悪感とメデューサへの哀れみが先に来た。怪物に変えられるまでの経緯を見ると、メデューサが被害者でしかなくて。アテナ本当にひどい。主人公とアナベスが、自分の親たちのせいで怪物になってしまった彼女に対してなんの感情も抱かずにサクッと倒してしまったことにもモヤモヤした。
これが伝説の化け物たちじゃなくて神々と戦う話だったら、私はもっとスカッとしただろうな。

予言で言われていた裏切り者が誰か、っていうのは予想通り。裏切るに至った経緯なんかを聞いたけど、彼の気持ち、ちょっと分かるかも。あんな身勝手な神様たちが支配している世界なんて、ぶち壊したくもなるよなあ。

パーシーの母親が義父のゲイブを石に変えてしまうというオチにはゾッとした。これって殺人じゃないか。バレなきゃいいのかよ。DV夫とは言え人殺しといて一切お咎めなしってどうなんだ。しかもその石を人に売るなよ。買った人が可哀相だよ。そんな恐ろしいものをそうと知らずに持たされるなんて、嫌すぎる。


「The Princess Diaries」感想

2017年05月05日 | 小説

私は子供の頃から王子様やお姫様への憧れなんか皆無だった。と言うよりはむしろ反発していた。だから最初ちょっと危惧していたけど、そんな私のような人間にも楽しめる話だった。プリンセスとか言っても全然キラキラした話じゃなくて。

主人公のミアがスクールカースト底辺の冴えない子だったので感情移入しやすかった。自分がプリンセスだということが分かったときも喜ぶどころか「勘弁してくれよ」と思っていて、そのことを必死にみんなに隠そうとするのがいいね。

ミアはデートする相手が誰もいないことに悩んでいて、大半の同級生は毎週末にデートをしたりしている模様。まだ14歳でこれかよ。アメリカのカップル文化すげえな。日本だったら週末もデートなんかせずに友達とつるんでる、ミアのような子のほうが一般的だよな。
プロムなんかもあるし、アメリカってカップル文化の圧力すごそう。そもそも恋人が欲しくないって人は居づらそうだな。

それにスクールカーストもすごい。日本にもないことはないけど、アメリカほど露骨ではないよな。小説だから誇張はしているだろうが。スクールカースト上位って男女とも苦手なタイプだ。女はチアリーダー、男はスポーツマンで背が高くてゴツい。
私が入ったら、人種のことを抜きにして考えても間違いなく最底辺だろう。だからミアに共感できる。スクールカースト上位タイプの男子に憧れる気持ちは全く分からんが。

ただ、シングルマザーでも自由に恋愛できて、それを人からとやかく言われたりはしないところはアメリカのいいところだと思った。ミアの母親(シングルマザー)が自分の数学教師と付き合っていて、周囲もそのことを自然に受け入れている。
他の英米文学や映画を見ても、主人公の恋人がシングルマザーというケースはよく見る。それだけ数が多いのかもしれないけど。

日本だとシングルマザーってだけでもメチャクチャ肩身が狭くて、ちょっとしたことでゴチャゴチャ言う奴が決して少なくないからな。一時期安藤美姫が叩かれていたことがあったが、あれは意味がわからんかった。