場末の雑文置き場

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「仮面ライダー龍騎」キャラクター別感想①

2016年09月27日 | 特撮
真司

茶髪+ロン毛+ピアスとチャラいところが最初は少しだけ苦手だったけど、だんだん慣れて好きになっていった。演技も(もともと特撮の主人公としては上手いほうだったけど)どんどん成長していったし、見た目も回を重ねるにつれて垢抜けてきたような気がする。
終わってみると、真司が主人公で本当に良かったと思う。殺伐として辛いストーリーが、真司の明るさと優しさのおかげで大分中和されていた。

真司絡みで特に好きなシーンは、自分が殺してしまったと思った吾郎ちゃんが生きていたと分かるところ。ここで自分が騙されていたことに怒るんじゃなくて、吾郎ちゃんが生きていて良かったって言うところが本当にいい。これで蓮も吾郎ちゃんも心を動かされたんだよな。
次点は、東條を抑えつけて佐野に「逃げろ!」と叫ぶシーン。佐野はついさっきまで真司のことを殺そうとしていたのに、それでも助けようとする。
本当にいい奴なんだよね。他のライダーは大概嫌な奴なので、なおさら真司の人の良さが際立っていた。

ただ、見ていて爽快感があまり得られない主人公ではある。すぐ悩むし、甘っちょろいし。
浅倉の命さえ助けてしまうのは、ちょっとどうよ。そのおかげで、その後警官が何人も殺されたぞ。こういう甘さが真司の美点でもあり、イライラさせられる点でもある。
蓮や北岡の事情を知って、「戦いを止めることは正しいのか」と葛藤しているのを見たときも、何を今更、と思った。そりゃ命がけの戦いに参戦するんだから、大概事情くらいあるだろうよ。手塚はその辺割り切ってたのにな。

真司のバックグラウンドについては、もう少し知りたかった。こんなに長丁場の番組の主人公なのに、生まれ育った環境とか親兄弟のことは一切謎なんだよな。高卒なのか大卒なのかも知らない。ジャーナリストを志した理由も語られていなかったような。小説版ではその辺掘り下げられているらしいが、あれはTV版とは全くの別物みたいだからな。


他の面々が強烈すぎるため相対的にマシに見えてしまうが、蓮だって結構ロクでもない奴だ。
自分が注文を間違えておいて、注意されたらキレて客につかみかかる。肩に手を置かれたら問答無用で殴る。接客のとき以外は断固として敬語を使わない。おそらく挨拶もろくにしない。
列挙するとかなり最低だな。そりゃあ友達もできないよなあ。自分の身近にこんな奴がいたら関わり合いになりたくない。

それでも、ツンデレぶりが面白いのでフィクションの登場人物としては好きだった。でも途中からだんだん怖くなってきた。恵里恵里恵里恵里ってそればっかりで突っ走るところが、優衣命の神崎士郎と似ていることに気付いて。
蓮はなんだかんだで甘くって、決して神崎士郎のように残酷にはなれないんだけど、それでも一人のために何人も殺してもいいと考えてるっていう点では一緒だ。そこがちょっと受け入れがたかった。

最初、無抵抗の真司をいきなり殺そうとしたことも、私は忘れてないからな。優衣が止めていなかったら蓮はあのまま真司を殺していただろう。真司の影響を受ける前は、人を殺せない人ではなかったんだよな、多分。

恵里恵里言ってる割に、肝心の恵里の気持ちをわりと無視しているところもちょっとなあ。そんな方法で助けられても恵里は喜ばないってことを蓮は知っている。でもそんな恵里の気持ちよりも、恵里がいなくなってしまうことを受け入れられない自分の気持を優先した。それって結局はエゴだよな。
最終回を見ても、やっぱりそう思った。恵里は目覚めるけど、傍らには蓮の死体。蓮は満足だろうし、シーンとしては美しいけど、恵里から見たら悲惨すぎるだろ。あのまま眠っていたほうが、恵里は幸せだったんじゃないのかな。

蓮は恋人を一途に思っているいい男だという評価が一般的なんだろうか。蓮の恵里に対する愛は重すぎて、私はちょっと怖かった。愛する一人のために多くのものを犠牲にしようとするのが美しいことだとは決して思えない。脇役だったら私もそういう人として受け入れられたんだけど、主役だからなあ。
脚本家は「ワルぶっていても根は善良な人」として描きたかったのかもしれないけど、私は蓮のことをひどいエゴイストだと思っているし、「正義のヒーロー」に分類されているのを見ると違和感を抱いてしまう。

嫌いってわけでは決してないんだけどね。クールぶってる割にヘタレだったり、結構人間臭くて憎めないので。


優衣

ビジュアルはかなり好み。ショートカットの女の子って最高だと思う。ブスブス言われまくってるのが腑に落ちない。

演技は下手でも、最初の頃の優衣は大好きだったな。キリッとしててカッコいい感じで。帽子がよく似合ってたし、ちょっとボーイッシュな服装も最高だった。途中でキャラが変わってしまったような気がしてならないんだ。服装はスカートが多くなり、だんだん弱々しい感じに変わっていってしまったような。
キャラの変貌に加えて、優衣が全ての元凶だったと劇場版で知ってから、自分の中で好感度がかなり下がってしまった。

優衣ってなんの罪もない女の子なんかじゃないんだよな。モンスターを生み出した張本人なんだからその責任はある(正確にはモンスターを生み出したのは死んでしまった本物の優衣だけど)。本人に悪気はなくても、間接的に浅倉以上の大量殺戮を行ったとも言える。しかも優衣自身はモンスターに狙われないしね。そう考えると、やっぱりちょっと憎くなる。だから仲村くんの気持ちもわかる。


士郎

世界一迷惑なシスコン。諸悪の根源。虐待を受けていようが天涯孤独になろうが、こいつのやったことは決して許されることではないし、私は同情しない。肉親が大事なのはお前だけじゃないんだよ馬鹿野郎と言いたい。
登場人物全員、こいつ一人のワガママに振り回されただけなんだよな。結局一人で暴れて一人で完結して。そう考えるとかなりスケールの小さい話に思えてくる。

神崎士郎については、最終回まで見ても釈然としない点が沢山残っている。
・士郎が死んだのはアメリカにいた頃。その時点で実体のない存在になってしまったはずなのに、その後日本に戻ってきて大学生活を送れたのはなぜか。
・神崎兄妹の持っている力とは結局何なのか。人間なのに、なんでモンスターを実体化したり操ったりできるような強大な力を持っているのか。
・戦わせるのはいいとして、なぜカードデッキというシステムにしたのか。ライダーのデザイン及びカードのイラストは全部一人で担当したのか。

中途半端に科学っぽい要素を入れちゃったから、余計に納得いかなくなる。魔法だと思っておけばいろんなことに目を瞑れるんだけど。
全ては神崎士郎の妄想説っていうのも見たけど、それが一番説明付きやすいかもしれない。数々の矛盾点は「士郎の気分が変わったから」ってことにできるしな。


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