場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

世界体操最終日

2014年10月13日 | スポーツ

昨日の結果はかなりショック。

ヤン・ハクソンが二本とも大崩れするという、全く予想もしなかった結果。 アジア大会の疲れも影響したのかな? とにかく残念でならない。
そして、アブさんまでお付き合いしてくれるかのように二本とも大失敗。場外までぶっとぶというめったに見られない光景。
二人とも、一本目で心が折れてしまったのかな。
でもセグァンさんが金メダルだったのはそれはそれで嬉しかった。D6.4を二本て、すさまじいね。かっこよかったよ。でも、足大丈夫なんだろうか。

あとフジさん、バイルズの床くらいフルで見せてよ。

そして、鉄棒。チェンロン。こんな大事な大事な場面で、プロテクターが切れるなんて。やりきれないよね。ミスじゃないんだもんね、悔しいよね。
あのアクシデントがなければ、多分銀メダルだったと思う。言っても仕方のないことだけど。

そう言えば、北京のときの冨田選手も、個人総合の吊り輪のときにプロテクターが外れたんだよね。あのときも、あれがなければメダル取れてたんだろうなあ。

ちょっとネットを見てみたら、ざまあみろとか天罰だといっている人を沢山見かけて薄ら寒くなった。人間ってここまで悪意まみれになれるんだね。
まあね、韓国で事故が起こったりしたときに、ざまあとか言って喜んでるような奴もいくらでもいるんだもんね。競技中のアクシデントを喜ぶような人も、そりゃいるか。
それにしても、天罰ってなんなんだろう。チェンロンは別になにも悪いことしてないし、ここでも書いたけどあの採点は妥当だよ。
それに、もし他の中国選手が贔屓採点されたとしても、その選手に罪はないでしょ。

アクシデントはとても残念だったけど、演技のあとのチェンロンの態度は立派だったと私は思う。
ものすごく気落ちしているだろうに、そういう様子をあまり見せず、下向いてどよーんとすることもなく、みんなの演技をちゃんと見ていた。いい演技には拍手を送って、演技を終えた選手みんなに近寄っていって握手を求めて。
礼儀正しくて紳士的だと思った。私の中での好感度は確実に上がったよ。
ホスト国のキャプテン(一番ベテランだから、チェンロンがキャプテンなんだろうと勝手に思っている)として、外国から来てくれた選手たちの労をねぎらうという意味もあったのかな、と思うけど。

ロンドンの時も、素晴らしい演技をしたゾンダーランドのところにすぐに行って握手を求めていたのを思い出した。本当は金を狙っていただろうし、悔しかったと思うけど。チェンロンのそういうところが、私は好きだ。

そして、今年のチェンロンの鉄棒の演技。前と随分イメージ変わったな、と思った。チェンロンがコバチ系の離れ技をやるのを初めて見た。
団体でチェンロンのカッシーナを初めて見て、すごく驚いたしちょっと感動してしまった。
昔はもっと地味な演技をする選手という印象だったけど、いきなりえらくダイナミックになったね。その分、前よりも少し汚くなったような気がしないこともないけど。カッシーナやコールマンを入れると、やっぱり派手になるんだね。

チェンロンの離れ技、前はイェーガー系主体だったよね?

と思って調べてみた。

やっぱりそうだった。2012年ロンドンオリンピックの鉄棒決勝の時の演技構成を見たら、実施していた離れ技はトカチェフ系とイェーガー系。
新ルールに対応するために変えてきたのかな? でもここまでガラッと変えてくるのは大変だっただろうな。
前のアジア大会で見た鄒凱の離れ技は相変わらずイェーガー系だったけど。

あと、ベルヤフスキーの演技。D得点は高くないみたいだけど、オリジナリティあふれる演技で好き。離れ技以外であんなに観客を沸かせられるってすごい。見ていて一番楽しかったのはこの人かも。
誰だか忘れてしまったけど、リューキンをやってくれた選手がいたのも嬉しかった。リューキン結構好きだから。
コールマンはもう見飽きてきたから、リューキンをもっと見たいな。

金メダルはゾンダーランドで良かった。やっぱりスペシャリストにとってもらいたかったから。
ゾンダーランドの演技はすごいダイナミックで、素直にすごいと思う。見ていてテンションの上がる演技。足先が割れていて汚いという評価もあるみたいだけど、私はド素人だからそんなことは気にならない。

欲を言えば、ゾンダーランド、チェンロン、ハンビュヘンの3人で表彰台に上がって欲しかったな。そもそもハンビュヘンは決勝にも残れなかったから、そんなことを言っても仕方ないのだけれども。

個人総合のときは内村を一番応援しているんだけど、鉄棒ではあんまり応援する気になれない。
スペシャリストに勝ってほしいっていう気持ちだけじゃなく、内村の鉄棒の演技がそこまで好きじゃないから、っていうのもある。いや、内村選手の演技自体じゃなく、過大評価されているように思えるからかな。そこに若干の違和感があってモヤモヤするんだ、いつも。他の種目に関しては全くそんなことは思わないんだけど。
いい演技なんだけど、みんなが言うほどすごいとは思わない。金メダル候補とかそういうレベルではないんじゃないかな。もっとすごい鉄棒の演技をする選手はたくさんいると思う。


体操、男子床の感想など

2014年10月12日 | スポーツ

昨日の男子床。白井選手、残念だったね。
予選、団体決勝、種目別決勝全てでラインオーバーをしているから、これは早急に解決しないといけない問題だね。

あと、すごく思ったこと。

鄒凱カムバーック!

やっぱり、床は鄒凱の演技が一番好きだ。高さもあって、着地も安定してて。
ひねりスピードの白井との比較画像に鄒凱が使われていたのはかなり嬉しかったな。

アブリャジンの演技はダイナミックで高さもあるけど、着地がことごとくずれるのは気になった。

キム・ハンソルは、着地をほぼ全てピタリと止めていて綺麗だった。唯一のE9点台だっけ? それも納得。

加藤の演技は、ちょっと綺麗じゃなかったね。昨日は難度を上げすぎたせいで安定しなくなった感じだったけど、普段の演技もさほど……。

白井や加藤の床の演技に関して言えば、「美しい体操」とは言えないかな。鄒凱の床のほうが美しいと思う。

あと、床や跳馬はゴリゴリした体型で重そうな選手より、線が細くて軽そうな選手に勝ってほしいんだよね。

白井選手はその点ではいいんだけれども。でも、二回宙返り系をやらないのがちょっとなあ。
鄒凱は確か、二回宙返り系を最初と最後に持ってくる構成なんだよね。
四回ひねりはすごいんだけど、すごいんだけれども、それより伸身の新月面とかの方が派手で見ていて楽しいんだよなあ。

ちょっと前、中国選手の鉄棒はひねり中心で地味で、難度は高いんだろうけど面白くないって言われていたよね。私は中国選手の鉄棒わりと好きだから、あれはあれでいいじゃんと思ってた。
でも、そう言っていた人の気持ちがやっとよくわかるようになった。

床もね、ひねりひねりで点を稼ぐのはつまらないよね。
そして三回宙返りをやる選手が皆無というのが悲しい。昔の選手では結構いたのにね。
これやってくれる選手が出たら、もう無条件に応援してしまいそうだ。たとえ私の苦手なムキムキゴリゴリの選手でも。

ルール改正で鄒凱に不利になったのは知ってる。アジア大会のときのような演技ではメダルに届かないのもわかる。
ロンドンオリンピックの頃とは違って、今はD7.1くらい当たり前になっているから、そこも上げていかないといけない。
でも、鄒凱ならできると思うんだ。イポリトだって28であそこまでやれるわけだし。
戻ってきてほしい。切に。

あと、吊り輪。ウィッテンバークが決勝に残っていないことに驚いた。当然いると思ったのに。吊り輪をやるためにあるような体つきだし。
彼の体型は、吊り輪のトップ選手と比べてもすごいと思う。今大会で初めて見たけど、ものすごいインパクトだったよ、筋肉が。

そして、今夜はいよいよ最終日。

私の好きなヤン・ハクソン(跳馬)と張成龍(鉄棒)が出るのですごく楽しみ。一番は鄒凱だけど、この二人もかなり好き。日本のどの選手よりも好き(←非国民)。

私が個人的に思っているチェンロンの鉄棒の見所は、スタート時。
大概の選手は補助のおじさんに持ち上げてもらうんだけど、チェンロンは自分でパッとジャンプして鉄棒に飛びつくんだよね。あれが好き。かなり背の高い選手でもなかなかやらないから。身長180overのカッシーナでさえ補助使っていたしね。
日本だと、星陽輔と鹿島が補助なしでやっていたかな。二人とも手足の長い選手だった。

鉄棒の本命はまあやっぱりゾンダーランドだろう。希望としてはチェンロンに勝ってほしいけど。でもチェンロンが勝つ可能性だって十分あると思う。もし勝ったら、またネット上でゴチャゴチャ言われそうだけど。

ハクソンはたとえ文句の付けようのない形で圧勝したとしても、インチキ呼ばわりする奴は必ずいるので、もう諦めてる。

跳馬、ヤン・ハクソンの演技の見所は世界で彼しかできないオリジナル技「ヤン・ハクソン」。Dスコアも6.4と飛び抜けて高い。
ハクソンは跳馬の大本命。アジア大会では負けちゃったけど、今度はリベンジしてくれるんじゃないかな。


体操男子団体、張成龍選手の鉄棒の点数は妥当だと思う

2014年10月11日 | スポーツ

体操男子団体の採点の話。個人総合も終わったのに今更だけど。

ネット上では結構荒れてたね。試合後のインタビューも見たけど、選手たちが採点に納得していないのがものすごくよく伝わってきた。SNSで選手が不満を漏らしているのも見たし。

採点がおかしいとかすぐ騒ぐ奴は大嫌いだけど、選手たちがあれだけ騒いでるんだから、不公平な部分があった可能性も否定はできない。

ただ、これだけは言いたい。ジャン・チェンロン(張成龍、最後に演技した選手)の鉄棒の点は妥当だよ。

点数の内訳を見ればすぐにわかることだけど、E得点は内村より少し低い。Dが圧倒的に高いから、それで点を稼いでいる。
ゾンダーランドならあの点数もわかるけどっていう意見も見たけどさあ。チェンロンはもともと、世界で5本の指には確実に入る鉄棒マイスターなわけで。実力的にはゾンダーランドに決して劣っていない。
オランダ(ゾンダーランドのホーム)の世界選手権でも、ゾンダーランドに勝っているんだよ。圧倒的にアウェーな中で。

鉄棒の実力に関して言えば、チェンロンの方が内村よりも上。
団体での二人の演技を見て、本来なら内村より低い点のはずだ、なんて言っている人はわかってなさすぎる。内村との点差があそこまであるのはおかしい、っていうならまだしも。

内村とEスコアがさほど変わらないってこと自体がおかしいって人もいるみたいだけど。
出来映えが同じくらいだったら、やっぱり難度の高い演技をした選手の方を評価したくなるものじゃないかな。だから、圧倒的に高い難度の演技をミスなくこなせれば、多少雑でも高いE得点が出ても不思議じゃない。
それに、チェンロンの演技は決して汚くない。むしろ綺麗な方だと思う。

日本選手と同じ厳しい基準で採点されたからこそ、あれだけの演技をしても16点に届かなかったのでは? 普段の採点基準だったら、16.2くらいとれていたと思う。実際そのくらいの点は普通に出せる人だし。

あと、よくわからないけど、日本の体操関係者と国際審判とで、重視してるポイントが違うだけっていう可能性もあるんじゃないかな。
例えば、日本人は他の国に比べて、足先が揃っているかどうかをものすごく気にしているように思う。実際、その点だったら内村選手が圧倒的に勝っているんだろう。それも確かに大事なことなんだろう。
でも、ひねり技のスムーズさであったり綺麗さであったりなんかは、チェンロンや鄒凱の方が内村より上なんでないの? その点も加味してのEスコアじゃないの?

もし、「内村の美しい演技」っていう先入観がなかったらどうよ。二人とも全然違う国の選手だったらどうよ。チェンロンのダイナミックな演技の方がずっと良く見えたんじゃないかな?
私はあの演技にしびれた。あの大事な大事な場面で、しかも最終演技者としてあれだけやれるハートの強さにも感動した。あれが内村の演技より劣って見えるって、どこに目がついてるんだと正直思う。

ただ、採点に関して私が言えるのはチェンロンの演技の評価は妥当だということだけ。他の選手の演技のことは知らん。

それに、ホームの選手に有利な採点って、中国に限らずどこにでもあると思う。
ロンドンオリンピックのときもそうだったし、アメリカだってそう。もちろん日本もそう。

東京で行われた世界選手権のとき、日本チームは団体で銀メダルをとった。
でも、場所が日本でなかったら、銀メダリストはアメリカチームだったかもしれない、って今でも思う。
たしか、最終演技者の内村選手が鉄棒で落下して、それでも14.7点が出て、3位アメリカと僅差(0.01差)の銀メダルだった。あの鉄棒の点は、リアルタイムで見たときは、落下してもこの程度で済んだか、ってホッとしたけど、後で冷静になって考えてみるとやっぱりアレ?って思う。
それでもあのとき、アメリカチームは笑顔で日本チームを祝福してくれたよね。

だから世界選手権東京の採点が不当だ、おかしいって言いたいんじゃない。よくあることだってこと。今回の団体のあの採点がよくあるホーム採点の限度を超えたものだったとは、私には正直思えないんだ。

日本選手が思ったより点がもらえると単純に喜んで、中国の選手が同じ状況だと贔屓だ不正だと騒ぐ人は少なくない。でもそういうのってダブスタだよ。みっともないよ。

一部のファンや関係者の発言があまりにも見苦しかったので、つい長々とこんなことを書いてしまった。

私はもともと、みんなが大過失なくいい演技を見せてくれれば、日本が勝とうが中国が勝とうがどっちでもいいと思ってた。
日本チームはこれまでの世界選手権に比べて大きなミスがずっと少なかった(落下は一切なかったし)。チェンロンも大好きな選手だから、いいところで素晴らしい演技を見せてくれて嬉しかった。私はそれだけで大満足だったんだけどな。

こういうことで選手同士の仲がギスギスするのは嫌だなあ、と思う。
個人戦、特に種目別のときは国関係なくみんな和やかな雰囲気でお互いを讃え合っているのに。団体戦になると国の威信をかけた感じになっちゃって、なんだかピリピリしてるよね。いっそ団体戦なんかなければいいのに、と思うこともあるくらい。