場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

百田の衝撃発言

2017年06月14日 | 政治・社会

【百田尚樹独占手記】私を「差別扇動者」とレッテル貼りした人たちへ

レッテルもなにも、紛れもない事実だと思うが。
この手記の中で一番驚いたのは、 「私はこれまで人種差別発言などしたことはないし、ヘイトスピーチもしたことはありません」ってとこ。
目を疑った。百田すごいな。
そう言えば前も「日本人ほど、優しく、他者を慮る心を持った民族はいません」なんて言ってたっけ。本当に自分が見えていない人なんだな。

この中で百田が「何度も執拗に実行委員会に講演中止を要請し」ていたと書いているARICという団体は、講演中止じゃなくて差別発言禁止ルールを作ってほしいと要求していただけらしい。「中止」を求めていたのは別の団体だった。
ARICの代表は百田応援団から執拗な嫌がらせを受けている。代表が在日コリアンだから狙い撃ちされたんだろう。こういうところでも彼らの差別制が透けて見える。

この件でTwitterを検索してみると、人間の悪意が凝縮された形で出ていて恐ろしくなる。韓国系の人などからしたら、きっともっと恐ろしいだろう。ヘイト行為禁止、とTwitterのルールにははっきり書かれているが、ほぼ野放し状態。
この国では、ヘイトスピーチがものすごく軽く考えられている。「首相へのヘイトスピーチ」みたいな珍妙な言い回しを使ってヘイトスピーチという言葉を無効化しようとしたりする奴まで出てくるしな。

「表現の自由」を振りかざして差別発言を正当化しようとする人間は多いが、他者の自由を侵害するような発言が無制限に許されていいはずがない。差別発言がなぜダメかと言えば、それによって深く傷つく人がいて、場合によっては生存すら脅かされるから。それなのに、批判されるとまるで自分が被害者のように振る舞うんだよな彼らは。

そもそも表現の自由って、権力に楯突く人間が弾圧されてきた歴史に対する反省から生まれてきたものじゃないのかな。これがマイノリティを踏みにじりたい、権力の追従者みたいな人々によって好んで使われる言葉になってしまったのが残念だ。


「密会の宿7 奇妙な客が死んだ日」感想

2017年06月05日 | 映画・ドラマ

一條さんは犯人探しをややこしくするためのフェイク役。不穏な効果音と共に登場して、いかにも怪しい印象。最初、本気で犯人かと思ったんだけど、劇中でも早々と疑われてたので候補から外れた。
警察の取り調べを受けていたとき、沢野が指輪に覚えがなさそうだったので「そういや、指輪を見つけたのって誰だっけ」と思い返して、そこであの人が犯人だと確信した。勘のいい人なら指輪が見つかった時点ですぐわかるかもね。

沢野は金に対する執着心が強くて嫌な奴だが、結局犯罪は犯さなかったんだよな。……と思ったけど、やってたわ。脅迫。殺人に比べれば全く対したことない犯罪ではあるけど。
最初の殺人(性格には正当防衛または過失致死)事件でも第二の殺人事件でも犯人から罪を着せられたところはちょっとだけ可哀想だった。まあ、普段の行いが悪いから仕方ないね。死体にならなかっただけでもマシかな。なってもおかしくないようなキャラだったし。

死体は三つで、犯人はそれぞれ別。こういうパターンは初めて見たかもしれない。私が今まで見てきたサスペンスでは大体全部同一犯だったので。

最後、佐々木先生が被害者の妻にメチャクチャ責められていたけど、あそこまで責められる謂われはないよな。敢えて傍観していたっていうのはたしかにひどいと思う。でも、夫は先生が来てなくったって死んでたんだから、先生が殺したとまで言うのは言いがかりだろう。それに、スタンガンを持ってる人間がいるところに丸腰で止めに入るのって、相当な勇気がいることなんじゃないかな。自分も襲われるかもしれないんだから。


被害者の口を塞ぐ社会

2017年06月04日 | 政治・社会

顔を出して性被害を訴えた女性に対して、案の定ネット上では中傷の嵐だった。

最初からでっちあげと決めつけて、彼女を嘘つき呼ばわりしている人間は非常に多かった。慰安婦問題でも痴漢問題でも同じようなものを見てきたから全く驚きはない。
性被害のでっちあげって、たしかにフィクションの中では多いよな。それで悪女幻想か何かを持ってしまって、現実でもそうだと思いこんでしまうような人が少なからずいる。現実とフィクションの区別がついていないんだな。

男と二人で飲むということはセックスOKのサインだから後から文句を言うのはおかしい、という意見も多かった。そういう思考の人間がいることは理解しているが、それが常識みたいに言われるのは違うだろ、と思う。勝手な不文律を作らないでほしい。セックスならしたいとはっきり言えば済む話だ。そうすれば行き違いも起こらない。

更にアホらしいのは、彼女が韓国人だとか整形だとか言ってる奴。仮にそうだったとして、だったらなんだと言うんだ。犯罪が犯罪でなくなったり罪が軽くなったりするのか。そんなわけないだろ。

日本って、そもそも性犯罪に限らず、訴えることへの忌避感が強い社会だと思う。金目当てと言われて非難されたり、レイプ・痴漢・モラハラ辺りならでっち上げ扱いされたり。しおらしい、模範的だと思われるような被害者でいる限りは同情もされるが、そこから外れると途端にバッシング。

あと日本には傷物という概念もあって、性被害に遭うのは恥ずかしいこと、隠しておくべきこと、みたいな空気もある。そういうのがあるから、顔まで出して被害に遭ったことを世間に公表するなんて恥知らずだ、もっと萎縮しているべきなのに、っていう感じで彼女に反発している人も多いんだろうな。
いじめと同じで本来、恥ずかしいのは被害を与えた側であって受けた側ではないはずなのにね。