菅義偉のAIIB創設メンバー57カ国「想定の範囲」は真っ赤なウソをつくのと同然の見え透いた強がり

2015-04-16 08:33:08 | 政治


 中国財政省が4月15日(2015年)、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーが 57カ国で確定したと発表。

 日本の官房長官の4月15日午後の記者会見。

 記者「創設メンバーの数が57か国になったのは想定の範囲内だったのか」

 菅義偉「それなりの規模になるということは、当然G7=先進7か国も含めて情報収集し、連携もしており、そういうなかでわが国の立場を今まで明らかにしてきた。関係国の情報を収集しているなかで想定の範囲だ。

 政府としては、公正なガバナンスや債務の持続可能性といった点を含めて、慎重な見極めが必要だという立場に全く変わりはない。引き続き関係国と連携しながら、AIIBが国際金融機関にふさわしい基準を満たすよう、中国に働きかけていきたい」(NHK NEWS WEB

 日本とアメリカは中国がAIIB設立表明当時から、「銀行の運営に不透明な点が残る」とか、「中国主導で透明性が確保されない可能性」に言及したり、「国際ルールに則って運営されるのか不透明だ」と言ったり、「公正で透明な組織運営の確保」に疑念を示したりして、結局のところ当初の参加を見送った。

 つまり経済規模世界第1位の国と第3位の国が経済規模世界第2位の国が今回やることは信用できないというメッセージ(=情報)を世界に向けて発信してきた。発信するについてはメッセージ(=情報)に込めた信用できないという意図をメッセージ(=情報)を向けた国々に確信させる目的を有していたはずである。

 単に自分たちだけの問題としてメッセージ(=情報)を発信してきたわけではあるまい。中国主導の不信用性を世界の問題として発信してきたはずである。

 だが、自分たちのその不信用性のメッセージ(=情報)を世界に確信させることができず、主要先進7カ国のうち、日米、カナダを残してイギリスが先頭を切って参加し、フランス、ドイツ、イタリアが続いて参加、カナダも4月15日に参加を検討していると表明している。

 これら先進国以外ではロシア、ブラジル、インド、南アフリカ、さらにアジア太平洋地域ではアメリカの同盟国の韓国とオーストラリアなどが続々と参加し、結局57カ国に達した。

 これを想定の範囲内とすることができるだろうか。

 日米の“想定”とはあくまでも自分たちが発信してきた不信用性のメッセージ(=情報)を、数カ国の例外はあっても、世界が確信して、その確信に世界が従うことである。

 でなければ、メッセージ(=情報)を発信した意味を失う。

 だが、想定とは違って、首相先進7カ国(G7)の内4カ国が参加し、1カ国が参加検討、G7に準ずる国々が従い、総勢57カ国となった。

 当然、想定外でなければならない。それを想定の範囲内とすることは真っ赤な虚偽であるばかりか、見え透いた強がり以外の何ものでもないはずだ。

 菅義偉は「公正なガバナンスや債務の持続可能性の慎重な見極めが必要だ」と言っている。

 だが、中国の軍事費のように外から手出しできないゆえに外からその透明性を求めざるを得ない事柄と向き合っているわけではない。AIIBという組織の構成や運営方法は中国が単独で決めて、単独で運営していくわけではなく、そうであるなら、参加国は単なる資本提供国の地位しか獲得できないことになるが、そういうわけではなく、参加国が議論してそれぞれを決めていく構造を取っていて、内に入って手出ししていく形式を持つ。

 いわば菅義偉が言う「公正なガバナンス」にしても「債務の持続可能性」にしても、あるいは透明な運営にしても、各国による参加以後の決定事項である以上、AIIBに参加するか否かはその必要性の有無のみで判断すべき事柄であった。

 それを外から手出しできない事柄であるかのように参加もしないで外からのみあれこれ言う判断基準の間違えを犯したばかりか、57カ国参加を想定内だと、真っ赤なウソをつくのと同然の見え透いた強がりを言う。

 菅義偉だけではなく、当初の不参加決定の最終判断は安倍晋三であるはずだから、安倍晋三をも支配しているこの非合理性はこの問題だけで終わらないはずだ。

 同じ非合理性を元官房長官の自民党河村建夫も取り憑かせている。
 
 河村建夫「韓国がいち早く参加表明したのは日米韓の関係からいくと違和感がある。日韓で話し合わなければいけない課題だった」(時事ドットコム

 なぜ韓国は日米の判断に従わなければならないのか。米韓が同盟関係を結んでいようと、韓国は米国の属国というわけではない。ましてや日本の属国というわけでない。

 この程度の判断さえできない非合理性に侵されている。

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