民主党は党の存在理由を低所得層の中間層化・中間層の収入拡大に置き、そのために民主党を存在させるとせよ

2015-04-17 10:10:35 | 政治



      「生活の党と山本太郎となかまたち」

       《4月14日(火)小沢代表定例記者会見要旨 党HP掲載のご案内》

      《小沢代表の岩手県達増知事についての「あのぐらい純粋で良い男はおりません」》    

 民主党が中間層重視を政策として謳い、掲げていることは承知している。

 だが、単に重点的な政策として掲げることと政党の存在理由をそこに置くこととは違う。存在理由は存在の軸、あるいは生き方の軸となるもので、当然、人に訴える決意の点で違ってくる。

 党の存在理由をそこに置いているんだ、そのために民主党を存在させているんだという明確、且つ具体的な形で打ち出し、有権者にそのように受け止められている状況をつくり出すことができているのだろうか。

 そのようにつくり出すことによって、あるいはそのようにつくり出すことができて、国民により明確にアピールすることができる。

 《2015民主党政策パンフレット》は、〈「生活起点。」「地域起点。」で日本の再生を〉と題しているが、題名は一言で民主党の存在理由を有権者に印象づけるキーワードとならなければならないはずだが、当たり前過ぎてインパクトが弱く、そのようになっているとは到底思えない。

 これこそ民主党の存在理由だ、そのために民主党を存在させているのだと印象づけるキーワードを示し得て初めて、有権者は他党との違いを見い出すことができる。

 〈「生活起点。」「地域起点。」で日本の再生を〉と訴えて、有権者は直ちに中間層重視と結びつけることができるのだろうか。

 もっと直裁的に中間層重視を訴えて、そこに民主党の存在理由を置く、そのために民主党を存在せるとするフレーズが必要ではないだろうか。

 だが、《2015民主党政策パンフレット》には「中間層」という言葉も「中間層重視」という言葉も存在しない。このことが中間層を重視する政策を掲げながら、存在理由を明確に打ち出すことができていない理由となっているように思える。

 パンフレットの中身を見てみる。

 〈民主党は、「生活起点。」「地域起点。」を掲げています。「生活者」の立場に立ち、地域で暮らす人々の生活の充実を目指し、一人ひとりの生活の場である「地域」の再生を出発点として、日本の再生を図っていきます。〉・・・・

 〈民主党は、地域の皆さんに寄り添い、現場重視の政策を一貫して進めていきます。〉・・・・・

 〈「上から目線」、「中央主導」ではなく、「地域のことは地域で決める政治」で地域の活力を引き出していきます。〉・・・・・

 〈「地域のことは地域で決める政治」で地域の活力を引き出していきます。〉・・・・・

 「生活起点。」については次のような説明がなされている。

 〈生活の不安を希望に変える「人を大切にする政治」を進めます。〉・・・・・

 どの政党も言っていそうな抽象的な文言の羅列で、これが民主党だと訴える独特なものがない。あるいは民主党ならではの訴えだと理解させる表現がない。

 そして個々の具体的な政策を掲げている。

 例えば、〈非正規雇用の待遇改善、正規雇用の増大により、「若者が将来に希望を抱ける社会」をつくります。〉等々。

 やはりどの政党も言っていそうな表現の範囲を出ていないし、読む者をして他党との差別化を見い出すことを難しくしている。

 但しこのような表現を使うなら、自民党や他の野党とは違う民主党の存在理由をどこに置いているかを一言で理解させることのできるインパクトあるフレーズを前以て示しておけば、それとの関連付けで「非正規雇用」云々という政策も他党との違いとして理解させることも可能となる。

 岡田克也が海江田万里の跡を継いで2014年12月15日に民主党代表に選出されたとき、「顔ぶれに新味がない」と評判された。2015年1月19日の記者会見で菅義偉から、民主党が衆院選で伸び悩んだ点を「分厚い中間層(をつくる)と言ったが、具体的な政策は全くなかった」(毎日jp)とまで酷評された。

 民主党の党としての存在理由をここだと明確に置いていないから、そのために民主党を存在させると明確に目標を定めていないから、掲げた政策がどの政党も言っているような散漫化を招くことになって、あるいは抽象化を招くことになって、自民党との差別化も図れなくしてしまったといったところではないだろうか。

 野田政権も「分厚い中間層をつくる」を政策として掲げていた。だが、民主党の存在理由をそこに置いているとする関連付けで分厚い中間層云々を訴えていたのだろうか。そのことのために民主党を存在させるとする存在理由に添わせた政策だったのだろうか。

 中間層を分厚くするという言葉は中間層以下の低所得層を中間層に吸収・引き上げる意味を含む。だが、「分厚い中間層をつくる」という言葉は“吸収・引き上げ”の意味を一言で理解させる言葉とはなっていない。

 この言葉が民主党の存在理由を一言で言い表す表現としてふさわしいかどうかは分からないが、「低所得層の中間層化・中間層の収入拡大」のフレーズが対象となる有権者に民主党の存在理由として的確に理解を得やすい言葉に入れることはできるはずだ。

 いずれにしても、民主党の存在理由はここに置く、そのために民主党を存在させるというフレーズを必要とし、そのような存在理由に基づいて政策を打ち立ていくシンプルさこそが対象有権者を惹きつける要素となると思う。

 それがなかったから、いくら「中間層重視」を訴えても、言葉のみに把えられて、アベノミクスでこれ程にも格差が拡大していながら、中間層や低所得層の理解を十分なまでに得ることができず、2012年衆議院選挙・2013年参議院選挙共に敗北したということではないだろうか。

 今回ヒラリー・クリントンが来年11月の大統領選への立候補を表明した。中間層重視の経済政策を進めるそうで、4月14日に勝敗を左右する激戦州とされる中西部アイオワ州を訪れて、「ヘッジファンドマネジャーが、看護師やトラック運転手よりも低い税率で税金を支払っているのはおかしい」と批判、4月〈12日に示した企業幹部の高額報酬への懸念にもあらためて触れ、学費の高さを口にする学生の苦労を察する姿勢を示した。〉と4月15日付「ロイター」が伝えている。

 この「中間層重視」の点でヒラリー・クリントンと連携する姿勢を示すのも民主党の存在理由をアピールする一つの手となると思う。 

 代表の岡田克也は話し方も話の内容も硬くて柔らかみも面白みもなく、そこが人気が出ない点だと思うし、今度かけるようになった黒の太縁のメガネは重厚な人物像に仕立てて貫禄を与えるが、その貫禄も悪事を陰で操る大物の政治家家や大物の企業経営者の風貌めいた貫禄であって、ただでさえ持ち合わせていない親近感を尚更に縁遠いものとしている。

 となると、代表の人気に頼ることができないことになって、せめて党としての存在理由で有権者を惹きつけるしか方法はないはずである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする