安倍晋三の拉致解決手法、同じ言葉を繰返し言うだけなら、録音して渡せば、済むことではないのか

2015-04-27 08:09:49 | 政治


 4月26日午後、拉致被害者家族会や支援団体「救う会」が主催する「国民大集会」が安倍晋三出席のもと、東京都千代田区の日比谷公会堂で開かれ、主催者発表で1800人が参加したという。

 安倍晋三「大切なことは『拉致問題を解決しなければ、北朝鮮が未来を描いていくことはできない』ということを、北朝鮮にしっかりと理解させていくことだ。ご家族と被害者の方々が抱き合う日が訪れるまで私の使命は終わらない。『対話と圧力』『行動対行動』の原則を貫き、引き続き全力を尽くす」(NHK NEWS WEB/2015年4月26日 17時42分)

 2015年3月20日、参議院予算委員会外交・安全保障集中審議。

 中原自民党副幹事長「国際社会で北朝鮮の人権侵害問題に注目が集まれば拉致問題への関心も高まる。北朝鮮が拉致問題を解決しないかぎり、国際圧力は続くということを理解させるべきだ」

 安倍晋三「すべての拉致被害者のご家族がご親族をその手で抱きしめる日がやってくるまで、われわれの使命は終わらない。国際的にも拉致問題に対する理解が深まるなかで、この問題を解決しなければ、北朝鮮の未来を描くことはできないという認識に北朝鮮側が立つよう強く求めていく。北朝鮮の特別調査委員会が正直かつ迅速に調査結果を日本側に報告するよう強く求めていく」(NHK NEWS WEB/2015年3月20日 12時50分)

 2015年4月4日、安倍晋三は拉致被害者家族と首相官邸で面会している。

 安倍晋三「大切なことは、拉致問題を解決しないと、北朝鮮は未来を描くことが困難だと認識させることです。すべての拉致被害者が再び日本の地を踏むことができるよう全力を尽くしたいと思います。

 拉致問題が解決しない限り我々の使命は終わらない。家族も被害者も高齢化しており、一刻の猶予もゆるさないとの認識のもと交渉していきたいと思います」(救う会全国協議会) 

 言っていることは全て同じである。違いがあるとしたら、単に言葉の後先のみである。

 昨年2014年10月28日・29日の両日、安倍政権は北朝鮮が拉致問題の調査を約束しながら報告が遅れていることに関して北朝鮮側に拉致解決が最重要課題であることを伝えるために日本政府代表団を北朝鮮に派遣、ピョンヤンで日朝政府間協議を開催することになった。

 この派遣について安倍晋三は10月22日、首相官邸でのぶら下がりの対記者発言を行っている。

 安倍晋三「今回の派遣は、特別調査委員会の責任ある立場の人に対して、われわれは拉致問題を最重要課題として考える、拉致問題の解決が最優先であるということをしっかりと伝えるために派遣すること、それが目的です。まさに調査をする責任者に私たちの一番大切な目的は何かということをしっかりと伝えなければならないということです。そして、この調査に直接関わる方々、責任者から進捗状況について話をしっかり聞く。そして先方に対して、正直に誠実に対応しなければならないということを先方に、責任者に伝えることが今回の派遣の目的です。
 
 そして、我々はこの(派遣の)決断をするに際して、私は基本的に拉致問題を解決するためにはしっかりと北朝鮮に圧力をかけて、この問題を解決しなければ北朝鮮の将来はないと、そう考えるようにしなければならないと、ずっと主張し、それを主導してきました。その上において対話を行っていく。まさにその上において今対話がスタートしたわけです。北朝鮮が『拉致問題は解決済み』と、こう言ってきた主張を変えさせ、その重い扉をやっと開けることができました」(産経ニュース

 「北朝鮮の将来はない」から「北朝鮮の未来はない」に変わっただけで、言っていることは同じである。
 
 2012年12月26日首相就任前の2012年8月30日にフジテレビ「知りたがり」に生出演。

 安倍晋三「金正恩氏はですね、金正日と何が違うか。それは5人生存、8人死亡と、こういう判断ですね、こういう判断をしたのは金正日ですが、金正恩氏の判断ではないですね。

 あれは間違いです、ウソをついていましたといっても、その判断をしたのは本人ではない。あるいは拉致作戦には金正恩氏は関わっていませんでした。

 しかしそうは言っても、お父さんがやっていたことを否定しなければいけない。普通であればですね、(日朝が)普通に対話していたって、これは(父親の5人生存/8人死亡発言を)否定しない。

 ですから、今の現状を守ることはできません。こうやって日本が要求している拉致の問題について答を出さなければ、あなたの政権、あなたの国は崩壊しますよ。

 そこで思い切って大きな決断をしようという方向に促していく必要がありますね。そのためにはやっぱり圧力しかないんですね」

 「こうやって日本が要求している拉致の問題について答を出さなければ、あなたの政権、あなたの国は崩壊しますよ」と言っていることは、言葉の使い方の違いはあっても、「北朝鮮の将来はない」「北朝鮮の未来はない」と同じ意味を成し、言っていることは何も変わらない。

 2012年9月12日に自民党総裁選への出馬表明後の2012年9月17日の「MSN産経」のインタビュー。

 安倍晋三「金総書記は『5人生存』と共に『8人死亡』という判断も同時にした。この決定を覆すには相当の決断が必要となる。日本側の要求を受け入れなければ、やっていけないとの判断をするように持っていかなければいけない。だから、圧力以外にとる道はない。

 金正恩第1書記はこの問題に関わっていない。そこは前政権とは違う。自分の父親がやったことを覆さないとならないので、簡単ではないが、現状維持はできないというメッセージを発し圧力をかけ、彼に思い切った判断をさせることだ。

 つまり、北朝鮮を崩壊に導くリーダーになるのか。それとも北朝鮮を救う偉大な指導者になるのか。彼に迫っていくことが求められている。前政権よりハードルは低くなっている。チャンスが回ってくる可能性はあると思っている」――

 「日本側の要求を受け入れなければ、やっていけないとの判断」とは、「国としてやっていけない」という意味であり、「北朝鮮を崩壊に導くリーダーになるのか。それとも北朝鮮を救う偉大な指導者になるのか」にしても、表現は違っても、「北朝鮮の将来はない」、あるいは「北朝鮮の未来はない」と同じ意味を持たせた言葉に過ぎない。

 安倍晋三は拉致解決について被疑者家族会の集会や記者会見、あるいはテレビ出演で、さらに国会答弁で、同じ意味の言葉を繰返し言うのみで、金正恩に対して一向に「北朝鮮の将来はない」「北朝鮮の未来はない」と認識させることができないでいる。

 あるいは金正恩に対して一向に「北朝鮮の将来はない」「北朝鮮の未来はない」と認識させることができないままに拉致解決について被疑者家族会の集会や記者会見、あるいはテレビ出演で、さらに国会答弁で、同じ意味の言葉を繰返すことに終始している。

 安倍晋三が4月20日にBSフジ『プライムニュース』に出演して、「安倍晋三戦後70年談話」について発言している。

 安倍晋三「いわば村山総理は村山総理として書かれたわけで、それは閣議決定しているが、小泉総理は小泉総理として書いた。しかし小泉総理のときは村山談話を下敷きにしているという感じはある。

 私の場合はそうではなくて、まさに安倍政権として、総理大臣である私としてどう考えているのか、日本の過去、そして、まあ、過去に於いて先の大戦に対する反省、その反省を元にした今後の平和国家としての歩み。そしてこれからも地域や世界のために貢献していくという決意、70年、80年、90年、100年に向けて日本はどういう国になっていくのか、世界をどういう世界にしていこうと思っているのかと言うことを発信していきたい。

 そういう文脈で考えているわけですから、そこに用いる用語を同じ単語を使うかどうかということは私は殆どですね。

 私の考え方はどのように伝わっていくかどうかということが大切なんだろうと思います。同じ言葉を入れるんであれば、談話を出す必要はないんじゃないですか」  

 反町司会者「菅官房長官がおっしゃってたけど、同じものを出すんだったら、出す必要ないとおっしゃってた」

 安倍晋三「コピーして渡せば、名前だけ変えればいいんだという話になりますよ」・・・・・・・・

 「安倍談話」が「村山談話」と「同じ言葉なら、談話を出す必要はない。コピーして渡せば、名前だけ変えればいい」と言うことなら、自身が唱えている拉致解決の手法についても同じ言葉を繰返し言うだけのことになっているのだから、録音して渡せば、済むことではないのか。

 そうすれば集会に顔を出さなくてもいいし、テレビに出演しなくてもいいし、わざわざ記者を回りに集めてぶら下がりを行わなくてもいいし、何なら国会答弁も録音したテープなり、CDなりを再生すれば、何しろ同じことを言うだけのことだから、安倍晋三のムダな労力を省くことができる。

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