安倍内閣は拉致問題で拉致現場視察といったゴマ化しはもうそろそろやめた方がいい

2013-06-29 08:07:08 | 政治

 ――古屋拉致担当相は拉致解決に打つ手がないから、30年前の何が見つかるわけでもない現場を視察する。古屋拉致担当相が打つ手がないということは安倍晋三の打つ手がないことの反映でしかない。

 結論から言うと、打つべき手とは北朝鮮を拉致議論のテーブルに如何に着かせるかということであって、現場視察などではない。現場視察を100万遍繰返せば、北朝鮮を拉致議論のテーブルに着かせるおマジナイになると言うなら、200満遍も300万遍も繰返せばいい。30年も前の拉致現場を視察しているようでは、安倍晋三その他が言っている「拉致は安倍内閣で解決する」は心もとない限りの決意にしか見えてこない――


 《担当相、拉致事件現場を視察 「実行犯引き渡し求める」》47NEWS/2013/06/23 11:59 【共同通信】)

 古屋圭司拉致問題担当相が6月23日(2013年)、1977年に東京都三鷹市役所の警備員久米裕さん=失踪当時(52)=が北朝鮮の工作員により拉致されたとみられる石川県能登町宇出津の海岸を視察し、桐原弘毅石川県警本部長から当時からある橋がオレンジ色のまま変わっていないことなどの説明を受けたという。

 そう、当時からある橋の変わらぬ色のままのオレンジ色を見ることはできるが、拉致実行者が拉致被害者を拉致していく影でも見えたとでも言うのだろうか。

 例え見えとしても、北朝鮮当局を拉致議論のテーブルに引きずり出す有力な物証となり得ると言うのだろうか。

 古屋「(拉致現場には)必ず目印や特徴的な地形がある。現場を見ることが大切だと実感した。

 政治を安定させて強い政府をつくることが拉致問題の解決につながる。この件に限らず、(北朝鮮に)実行犯の引き渡しを引き続き求めていく」――

 それぞれの拉致被害者のそれぞれの拉致現場に共通する目印や共通する特徴的な地形を発見しようと、それが拉致解決進展のどのような有力な契機手となり得ると言うのだろうか。

 「実行犯の引き渡しを引き続き求めていく」にしても、安倍晋三が言っていることのごくごく素直ではあるが、バカの一つ覚えのオウム返しに過ぎない。

 と言うのも、安倍晋三同様、古屋拉致相も実行犯の引き渡しを求めるようでは拉致は解決しないことに今以て気づいていないからだ。

 安倍晋三も古谷も実行犯の親玉が金正日であることを情報としているはずだ。であるにも関わらず、実行犯の引き渡しを求める。父子権力継承者の金正恩が権力継承の正統性を置いている金正日の正義を崩すわけにはいかないことには気づかない。

 引き渡した場合の実行犯から拉致命令者の金正日に繋がる情報が洩れない保証がない以上、引き渡すわけにはいかないことに気づかない。

 因果を含めてニセモノを引き渡した場合にしても、ニセモノがニセモノであることを暴露して、北朝鮮に戻ると殺されるから、韓国への亡命を求める可能性の出来も否定できない以上、北朝鮮はニセモノを引き渡すわけにも行かない。

 古屋拉致問題担当相は3月30日(2013年)にも上記久米裕さんと同じ1977年に拉致された松本京子さん=失踪当時(29)=の現場とみられる米子市立和田小学校周辺を視察している。

 古屋拉致問題担当相「必ず祖国に戻すという気持を鼓舞するため現場に来た」――

 このことは2013年4月5日アップロードの当ブログ記事――《安倍晋三の「拉致はこの内閣で解決」は拉致解決の実態に反映しない踊る言葉と化している - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》にも書いているが、「必ず祖国に戻すという気持」は北朝鮮当局を拉致議論のテーブルに如何に着かせるかの創造性の発揮にこそ使うべきだろう。

 拉致現場視察によって「祖国に戻すという気持を鼓舞」できたとしても、北朝鮮当局を拉致議論のテーブルに着かせることにどれ程に役に立ったと言うのだろうか。

 今以て拉致議論のテーブルに正式な形で着かせることができていない。結果的に打つ手がないからこそ、拉致解決に取り組んでいるという姿勢を見せるためのアリバイ作りとなっている。

 あるいは最初から意図的にそういった姿勢を見せるたに行なっているアリバイ作りに思えないわけではない。

 安倍晋三にしても古谷拉致担当相にしても、もうそろそろゴマ化しはやめた方がいい。

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