花鳥風月

生かされて行くもの達の美しさを見つめて,
ありのままの心で生きている日々の、
ふとした驚き、感動、希望、

お盆の思い出 その3

2020-08-11 12:47:37 | Weblog

人は、、、死んだら、、、どこへゆくの?

           小さな、黑い板のような、金色の文字には

                絵のような、字のような、不思議な模様が書いてあった。

                               幼かった私は、睦段の前で手を合わせ

                                       いつまでも動かない母に、かまってほしかった。

                 

 

         「ねえ~~人は、、、死んだらどこに行くの?」

その時には、、、、母は言葉に詰まって、、、答えてはくれなかった。

            その日の夕食後

              月も星も、童話の世界の扉のように

                 「ウサギさんも待っているよ、、、遊びにおいで、、、」

                                   別の世界が輝いていた。

 

                

母は、しばらく黙ったまま、、、夏の星空に吸い込まれていた。

「ほら、、、あそこに、、三つ、、、星が光っている。

    星は、瞬きながら、お話をするのよ、、、死んだお兄ちゃんもお姉ちゃんも、、、

                          星に行ったのよ。

                      

それから、30年の月日が流れ、

         父が亡くなり、、、

             北海道からやってきた大学の後輩が

                          北大の外科医と結婚することになり

            ヒコーキ代も、ホテルも、全て用意したから、当日は友人代表で

                         挨拶をしてほしいと、、、頼まれた。

         

     一年間だけ教養時代が一緒だったその友人は

                      はるばる北海道から東京の私立大学まで

                              親がサポートしてくれるだけあって、

      大学生活は、優雅な学生時代を満喫していた。

                     翌年になって、私は御茶ノ水の薬学科に移動した。

                        いよいよ専門科目が始まる、、、。

                           それから、国家試験を受けて 

                               学友たちとは別れた切り出逢った。

  24歳になって、やっと、

            心身ともに、居所となっていた職場で

                      北海道に行くための、薬を

                              残業して、作り置きしていた。

     仕事が終わったのは夜の10時を回っていた。

                   急いで帰宅して、旅の支度をして

                            真夜中のオーロラ便に乗るために

                               あたふたとしていた時、

                   幼馴染の「お兄ちゃん」と呼んでいた父母の友人の息子さんが

                     「真夜中の飛行場は、暇をもて余すだろう、、、話し相手に

                          車で送って行ってやるよ、、、」

                 仕事とはいえ、滑り込みセーフで、北海道行きオーロラ便に間に合った。

                「お土産買ってくるからね~~~」

                     それっきり、、、優しかった「お兄ちゃん」と呼んでいた

                       父母の友人の息子さんとは

                               会う事は無かった。、、、

                        今は、、、心の中で、、、、優しかったお兄さんの星は

                   お盆になると夜空で、呼びかけてくれるように輝いている。

         北海道に嫁いだ翌年の夏、

                   留萌の海岸に、真っ赤な夕日が沈み始めた。

                        「お爺ちゃんだ!、、、」

                      アパートに帰って、実家に電話をかけた。

                          誰も、、、出なかった。

                      入れ替わりのように、、、陽が沈んだ夜中になって

                   御爺ちゃんが逝った事を記した「電報」が届いた。

           お爺ちゃんは、死なないひとだと思っていたから、、、衝撃が強烈だった。

                        

    浜辺の夕日の、、、真っ赤な残光の中で、激しく生きた祖父の厳しくも、凛とした慈愛の笑顔が

                   お盆になると、思い出されるのです。 

   戦後の疎開で、にわかに人口が膨らんだ村は、

                アメリカ帰りの知識の豊富な祖父を町長として迎えた。

                   東京の名医さんが、、、無医村にやってくる。

                                 13年以上の滅私奉公の医師人生で、

                                      父が、大きくなった息子たちの教育の為に

                                                   この村を離れる日

              どこの家も、空っぽになった。

              何処の家からも、、、父を見送りにと、、、人が出てきた。

          通りは人で埋まった、。。。。。父は振り返りながら、、、別れた日の事が

       お盆になると、、、まるで。。。父が生きているかのように。。。懐かしく、和歌山を思い出すのです;

              


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